今や任天堂の看板ゲームとなった『大乱闘スマッシュブラザーズ』、略して❝スマブラ❞。
自分が子供の頃から慣れ親しんだゲームなので、買う買わないは別にしても発売が楽しみなゲームの一つです。
「買う買わないは別にしても」と書きましたが、なんだかんだ全作購入してプレイしていますし、今回も発売直前になったら急に欲しくなって買ってしまうんだろうなと予測しております。
今回の記事では、過去のスマッシュブラザーズシリーズを振り返りながら懐かしんでみようと思います。
こんなん書くから欲しくなっちゃうんだ。
ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ
記念すべき初代大乱闘スマッシュブラザーズ。「ニンテンドウオールスター!」と冠するだけに、任天堂を代表する人気キャラクターたちが格闘ゲームに参戦するファンディスク的なお祭りゲーである。
なんとなく違和感があるが、「ニンテンドー」じゃなくて「ニンテンドウ」。
当時の格ゲーへの参入障壁は高かった
コアゲーマーご用達
当時の格闘ゲームといえば、『ストリートファイター』、『キングオブファイターズ』、『CAPCOM vs.』等コマンドの入力が難解で、瞬時の駆け引きが重視されるテクニカルな方向に進んでおり、みんなでワイワイ遊ぶというよりもコアゲーマーがひたすら自分の腕を磨いていくというようなイメージがあった。
既定路線へのアンチテーゼ
世間で新規参入のハードルが上がり続けている格闘ゲームに対するアンチテーゼとなったのが初代スマブラである。
コマンド入力が簡単で、コンボを組み込むのも比較的容易。登場する任天堂キャラクターたちはどれも親しみやすく、大乱闘というだけあって4人対戦が可能になっている。
友達集めてニンテンドー64を囲って遊ぶのというのは本来のゲームコンセプト通りであろう。
スマブラには数多くの斬新なシステムが取り入れられており、それが現在の作品まで引き継がれていることを考えれば、初代の完成度がいかに高かったのかがわかる。
新たなる試み
スマブラ独自のシステム
スマブラ独自のシステムとして挙げられるのは以下の点であろう。
- ライフ制ではなく、ステージに戻れなかったら負けというシステム
→各ステージは空中に浮かぶ浮島のような構造をしており、その上下左右にデッドラインが設定されている。
相手のライフを削り切ったら勝ち、ではなくダメージ(%で表記される)が嵩むほどにキャラクターが場外に吹っ飛びやすくなり、ジャンプ等を駆使してステージに戻れなかった場合(デッドラインを超えた場合)は負けというシステム。
↑後に紹介するスマブラXのステージのひとつだが、この画面の枠外に飛ばされても、デッドラインに到達するまでは復帰に向けて活動することができる。
復帰の方法としては、ジャンプ、二段ジャンプはもとより、横への推進力を有する技を繰り出す、そしてそれらの組み合わせというように豊富な手段が用意されている。
腕によっては%が低くても復帰できなかったり、どう考えても復帰できないような吹っ飛び方をしても戻ってこれる場合がある。
ステージに残ったキャラクターは吹っ飛んでいったキャラクターの復帰を妨害したり追い打ちをかけることができ、逆に追い打ちをかけに来たのを利用して自分だけステージに戻るというような大逆転劇も起こりうる。
- 勝者は最後に残った人ではなく、より得点を稼いだ人
→通常はステージに残った最後の人が勝ちになるはずだが、スマブラにおいては得点制を採用している。得点の算定は以下の通りであり、
(自分が撃墜したキャラクターの数)−(自分が撃墜された数)
数字が大きいほど順位が高いというわけだ。そのため、撃墜数をある程度確保したら逃げ回るというのも戦略であるし、自爆覚悟で撃墜数を増やすのもひとつの勝ち方である。
ステージギミックの豊富さ
↑これも後で紹介するスマブラforのステージ。リフトに乗って回避することもできるし、下の樽型の大砲に入れば勝手に打ち上げてくれる。
ステージ上のリフトに退避するもよし、奇襲をかけるもよしだ。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズDX
続編として登場したのがスマブラDXだ。当時はプレイステーションが隆盛を誇っており、対応ハードであるゲームキューブの保有率が低かったため、どうしても影が薄くなってしまう。
コアゲーマーに寄せてきた感
初代スマブラが格ゲーへの参入障壁を取り払った作品だとすれば、DXはコアゲーマーとライトゲーマーの間に障壁を復活させるスマブラシリーズの中でも異色の作品であったといえよう。
プレイアブルキャラは二倍以上、ステージ数は三倍以上に増加しており、ボリューム面での進化が著しいが、注目すべきは戦略の幅が格段に広がったことだろう。例えば、
スマッシュホールド
スマッシュ攻撃(スティックを軽く弾く強攻撃)の際に、いわゆる“溜め”を行なった上でモーションに入るスマッシュホールドが登場する。溜め時間に応じて威力が上がるのだが、むしろ重要なのは“タイミングを操作できる”点であり、着地際やコンボのフィニッシュブローとして使うこともできる。
その場緊急回避
前作ではシールドからの回り込み等で回避を行なっていたが、DXではシールド+下スティックを軽く弾くことで隙の少ない回避行動をとることができる(その場で動くことはできない)。通常の緊急回避は使用時に大きな隙が発生してしまうため、時と場合に応じて使い分けをする必要がある。
空中緊急回避
空中でシールドを張った場合にも緊急回避をすることができ、コンボからの解放や復帰時のコマンドの1つとして活用することができる。
この項についてはひとつ語っておかなければならないことがある。空中緊急回避に関して物議を醸した、通称『絶』である。
「絶低空空中緊急回避」の略で、地表で斜め下方向に向かって空中緊急回避を行うことで使うことができ、速度を維持したまま地面を滑る技である。
絶という高等テクニックをプレイヤーが使用できるかどうか、そして絶を有用に活かせるキャラかどうかで格差が生まれることになった。
ちなみに絶はDX限定の技であり、この技の存在については賛否両論である。
他にも・・・
DXに限定したシステムとして、メテオ返しやシールドリフレクトなど戦略の幅は非常に広い。
大乱闘スマッシュブラザーズX
コアゲーマーに寄せた作品である前作から初代のようなライトゲーマー向けに戻そうという気概を感じる意欲作である。
前作からの変更点やXの問題点
全体的なゲームスピードの低下
DXの頃と比べ、全体的に動きがゆっくりしており、スピード感のあったキャラクターは並に、重量級のキャラクターについてはかなりもっさりした動きになっている。
その分コンボの受付時間や次の挙動へのコマンド入力の時間が伸びているため、ライトゲーマーにもとっつきやすい路線への変更を感じる。
キャラクター格差の拡大
格闘ゲームにおいて使用キャラクターの性能差はあってしかるべきであるが、その差が大きすぎるきらいがある。
過去作においても性能差は問題になっていたが、本作では特に顕著である。例えばメタナイトというキャラクターは、機動力、瞬発力、技範囲、復帰能力、そのどれを取っても一級品であり、大会等でメタナイト禁止ルールが設けられるほど。
また、メタナイトやピットなどの翼のあるキャラクターは、一定のアクションの後に横方向の強い推進力を持つ「滑空状態」になり、これのおかげで吹っ飛ばされた後の復帰が極めて容易になっている。
メタナイトが壊れ性能と言われるのは滑空能力のせいもあり、スマブラの根幹を揺るがすような当該仕様は次回作において削除されている。
最後の切り札、こちらも格差拡大
本作の目玉の1つである『最後の切り札』は、空中を浮遊するスマッシュボールというアイテムを壊したときに使用できる超必殺技だが、これも各キャラクターごとに用意されており、その性能差が顕著である。威力の大小、当たり判定の広狭、その格差は様々である。
オンラインの馴れ合い化
かねてから要望が多かったであろうオンライン対戦の初実装である。世界中のスマブラプレイヤーと家に居ながらに対戦を楽しめるというのは夢のような話であるが、そう上手くはいかなかった。
今となっては当たり前であるが、オンライン対戦ゲームにおけるレートや勝率、ランキングなどの要素を一切取り入れていないため、ガチ対戦をする土壌にはなりえなかったといえる。
具体的には勝っても負けても数値でそれが現れるわけではないので、開幕早々のアピール合戦。一向に戦いが始まる様子がなく、しびれを切らして攻撃を繰り出せば、馴れ合いのリンチが始まる。
プレイヤーマナーの悪さが目立つ結果となった。
新要素への飽くなき探求
『亜空の覇者』
マイナス要素ばかり続いてしまったが、Xには『亜空の覇者』という大規模アドベンチャーシステムが導入されており、これ一つで一本のゲームを作れてしまうような濃厚が用意されている。
全編を通して暗くシリアスなストーリーで構成されているため、お祭りゲーとして相応しくないというような意見もみられるが、個人的には任天堂キャラクターたちが対戦以外で生き生きと動いている姿を物語とともに楽しむことができるため、高く評価したい点である。
大乱闘スマッシュブラザーズforニンテンドー3DS,WiiU
前作、前々作の不満点を解消し、対戦バランスの調整を図った遊びやすいスマブラの復活である。
プレイアブルキャラクターは50人を超え、ミニゲームやコレクション要素も充実。
自分で楽しみ方を見つけて没頭できる作品といえる。
システム周りについては特に問題ないと思われるため、ここでは唯一違和感を感じたオンライン対戦について書くにとどめることにする。
待ちゲー化
スマブラforのオンライン対戦の一番の問題点は、攻撃性能の低下及び防御性能の上昇である。
すなわち、攻撃アクション直後の隙が大きいため、相手の攻撃を待って回避もしくは防御の後にカウンターとして必殺技や掴みからのコンボにつなげるのが最もリスクが低く、勝率の高い戦略なのである。
いわゆる待ちゲーなのである。
パーティーゲームなのでドタバタにぎやかに戦って楽しむのが本筋だが、価値を追求すると相手の出方を伺う「差し合い」「読み合い」に行き着く。
爽快感の薄い、地味で静かな戦いなのだ。
簡単に過去作を振り返ってきたが、やはり欲しくなってきた今日この頃である。