すっかり涼しくなって夜風が気持ちいい今日この頃。晩夏から晩秋にかけての季節が一年の中で一番好きです。
最近は春夏秋冬ではなく、春夏夏夏秋冬冬冬くらいのバランスなので個人的には不服ですが、短い秋を存分に楽しんでいくことにしましょう。
秋は秋刀魚、異論は認める
3尾の秋刀魚の処遇について
そういえば今年は秋刀魚食べてないなーということで、秋刀魚を買ってきました。3尾で350円。
1尾は『塩焼き』で決定。たっぷりの大根おろしと酢橘なんか添えてね。
もう1尾は呑みたくなってしまうけれど、『秋刀魚のなめろう』。なめろうといえば鰺のイメージが強いが、青魚全般なめろうという料理と相性がよく、秋刀魚も鰯も抜群に美味しくなる。青魚の少し癖のある味、そして叩くと粘る肉質がマッチするのだろう。また、白身魚もなめろうにしてみると、これはこれで上品な味に仕上がる。鯛とかアイナメとかね。
ネギ、生姜、大葉、味噌。シンプルだけどこれが旨い。茗荷を入れてみてもいいし、味噌を濃いめに作ってから卵黄を載せて月見にしてもいい。
最後の1尾は『つみれ汁』にしようか。つみれ汁は鰯が一番だと思うが、秋刀魚のつみれ汁は今こそ食べるべき。きのこなんかと味噌汁ベースで煮込んでもいいかもしれない。ネギたっぷり、油揚げを入れたりして。生姜は強めがいいな。
罪深いものを作ってしまった
そんなわけで、はい。
ああ、秋の味覚がこんなにも。やっぱり秋っていいなぁ。
秋刀魚の塩焼き
少し焼きすぎて脂が抜けてしまった感もあるけれど、食べてみると十分な秋刀魚の脂の旨味が広がった。これが秋の味覚。シンプルだが旨い。
僕は大根おろしが好きすぎるきらいがあるが、今までおろすのが面倒で我慢することが多々あった。自動おろし器を本気で買おうと思ったくらいに大根おろしを愛している。

京セラ 【シャープな切れ味でざくざくおろす】セラミック 大根 おろし器 CD-18
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↑最近の救世主である。金属製のおろし金は擦るスピードは速いが、腕の筋肉に大ダメージを与えるものが多く、気を付けていてもケガの危険性をぬぐい切れない。一方、このおろし器は陶器製なので、仮に指を滑らせても安心であり、擦るときにさほど力を入れなくても良い。
陶器製のおろし器を初めて使ってみたが、下の部分にラバーがついておりすべり止めになっている。金属でおろすよりも自然な風合いで大根おろしが出来上がるので大満足だ。他にも山芋やにんにく、しょうがをおろしたりもできるので重宝している。
なめろう
これ一つあれば、ご飯のお供に酒のつまみに大活躍な『なめろう』である。居酒屋などでなめろうを注文すると、①入念に叩いて粘りが出ているタイプ、②叩くのはほどほどにして魚の身の食感が残っているタイプの2つがあるが、僕は断然①が好きである。
先にも書いた通りなめろうは青魚と相性がいいが、青魚は癖の強いものが多く、これを大量の薬味と混然一体となるまで叩くことによって、ねっとりとして滋味深いものに仕上がる。逆に白身魚でなめろうを作る場合には、魚の食感を残すほうが上品に仕上がることだろうと思う。白ごまを散らしてみてもいい。脂が極端に少ない魚の場合には少しだけ胡麻油を加えると風味と油分を同時に賄えるのでお勧めだ。
鰺のなめろうはTHE青魚とでもいうべき溌溂さや野性味を持っているが、比較的皮下脂肪が多い鰯や秋刀魚で作ってもとろっとした食感の大変味わい深いなめろうが出来上がる。個人的には脂をキリッと引き締め、爽やかさを与える大葉をぜひ入れたい。
つみれ汁
つみれ汁はネギと大根と秋刀魚のつみれというシンプルなものにした。噛めばほろほろと崩れ、脂の旨味が染み出てくる。せっかく秋刀魚の風味を楽しめるのだから、味付けは塩と少しの醤油のみである。
各実食風景
秋刀魚と大根おろし、たまらん。悪魔的所業といえる。
なめろうと白米の愛称は異常。冷たくねっとりとしたなめろうと熱々のご飯をかき込む。日本に生まれてよかったと感じる瞬間である。
叩くのは手間がかかるし、各種薬味を揃えるのも面倒だが、そんな苦労を忘れてしまうほどに食欲が進む一品である。
魚を叩いて好きな薬味と味噌を混ぜてさらに叩く。それだけでできるのでお勧めだ。多く作ってしまったらハンバーグ風に焼いてさんが焼きにすればいい。
何という柔らかさ。つみれ汁を毎日飲めるような生活をしてみたい。それもそれで飽きるか。
いやー、御馳走様でした。満足満足。
・・・左上になめろうが残ってる。いや、残してる。
何度でも蘇るさ
アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!
なーめーろう!なーめーろう!なーめーろう!なーめーろう!!
ほうじ茶だばー。悪魔的な〆のなめろう茶漬けである。おかず用に味噌を強めにしているので、お茶漬けとの相性も抜群だ。
今度こそ御馳走様でした。次はどんな秋の味覚を調理しようか。