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【『インクレディブル・ハルク』ネタバレ感想】Marvelといふもの(四)

『アイアンマン』、『アントマン』、『アントマン&ワスプ』に続いて、『インクレディブル・ハルク』を視聴しましたので、感想を書いていこうと思います。

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 Marvel視聴計画は順調であります。

 

 

Marvelの中でも異色の作品

今まで観てきた『アイアンマン』と『アントマン』は、科学の粋を集めたパワードスーツを着用したヒーローが悪の組織と戦うという王道ストーリーであったが、『インクレディブル・ハルク』はヒーローではなく、❝科学実験に失敗した化け物の悲しい性❞を取り上げたMarvelの中でも異色の作品である。

 

あらすじ

科学者の好奇心の成れの果て

兵士の肉体強化実験を行っていた研究者であり今作の主人公でもあるブルース・バナーは、研究の成功を確信し、自らの体を被検体として実験を行った。

しかし、実験は失敗。ブルースは緑色の巨人❝ハルク❞に変貌し、その危険すぎる力が原因で軍から追われる身になった。

身体を元に戻すために潜伏生活

ブルースはブラジル・リオデジャネイロに潜伏し、変身のトリガーとなる心拍数の上昇をコントロールするための「感情の制御方法」を学びつつ、現地のジュース工場でアルバイトをしながら逃亡生活を続けていた。

変身しなければ、普通の人。研究を進めて元の体に戻ることが彼の至上命題であった。

研究自体は遅々として進まず苛立ちが募るが、生活は地味ながらも安定しているのがせめてもの救いだった。

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日常に亀裂が・・・

ここで事件が起こる。ブルースは不意に指を切ってしまい、その血が出荷作業中のジュースに混入してしまったのだ。

彼はその血液を回収するが、運悪く瓶に付着した血液を含んだジュースが出荷される。

これを飲んだ消費者のガンマ線汚染の症状が現れ、出荷工場が特定されてしまったのだ。

軍はエミル・ブロンスキー率いる少数部隊を現地に送り込み、ブルースを確保しようと試みるが、追い詰められて感情が高ぶったブルースはハルクに変身してしまう。

ハルクの力は強大で、軍事兵器の攻撃をものともしない。送り込まれた部隊は壊滅。ブロンスキー自身も瀕死の重傷を負う。

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ブルースはアメリカに戻り、彼の恋人であり凄腕の研究者でもあるベティ・ロス(のちに登場する軍の統括者であるロス将軍の娘でもある。詰め込みすぎ。)に協力を仰ぎ、自らの危険な力を封印しようと大学の研究棟に侵入する。ここで待ち受けていたのはブロンスキーである。

瀕死だったはずの彼がどうして戦地に赴けるのだろう。しかも以前よりも自信に満ち溢れている。

それもそのはず。彼はブルースが兵士強化実験に失敗した被検体であることを知り、加齢による肉体の衰えを全盛期に戻す、いや、それ以上に強靭な身体能力を手に入れるために肉体強化実験の被検体になることを志願したのだった。

豊富な実戦知識と完璧な身体能力を備えたブロンスキーと戦うのは得策でない。

追い詰められながらもブルースとベティは戦いから難を逃れるのであった。

ハルクの呪縛が解けた・・・か?

この体でいる以上、軍から狙われ続け、いつ暴発するかもわからない能力に苛まれ続けるのはもうごめんだ。

ブルースは協力者である科学者❝ブルー❞ことサミュエル・スターンの手により特異体質を除去することに成功する。

サミュエル曰く、この抑制が一時的なものなのか恒久的なものなのかは現時点ではわからない。

これで晴れて自由の身、とはいかず、ブルースを追いかけてきたロス将軍率いる部隊に身柄を拘束される。

力に魅入られた男ブロンスキー

ブロンスキーは少量の変異遺伝子を体に取り込んだだけで飛躍的な身体能力の向上を実現することができたことに味を占め、ブルースの血液に狙いをつける。

そしてブルースの研究者であるサミュエルを脅し、完全無欠に強力な肉体を手に入れた・・・と思いきや失敗。

ブロンスキーはもう一人のハルクである❝アボミネーション❞に成り果ててしまった。

化け物同士の戦い

ブロンスキーは自分を負かしたブルースへの復讐心に燃え、これを原動力に街で大暴れ。ブルースはこれを止めるべく自らの意思でハルクに変身し、死闘を繰り広げ、彼は戦いに勝利する。

悲しきモンスター

ブルースは2度目の実験により「意思を持つハルク」となった。

これからも軍からは逃亡を続けなければならず、意思を持っているだけに自分の状況を客観的に把握することができるため、今まで以上に過酷な生活を強いられることになるだろう。

時は流れる。ブルースは人里離れた地での修行を経て、変身をコントロールする能力を身に付けつつあり、不敵な笑みを浮かべるところで終幕

 

 作品の印象

冒頭でブルースが実験の失敗によりハルクの能力に目覚めてしまうシーンがダイジェストで流れ、「あれ?前作とかあるの?」といきなり面食らう。その過程だけで一本映画が作れてしまうのではないだろうか。割と強引な出だしである。

初めに書いたように、他のMarvel作品ではあくまで普通の人間が科学の力を用いて悪の組織と戦うのだが、ハルクに関しては科学の力(つきものである失敗という事例)で化け物じみた力を手に入れている。

そこに自己の意思は介在しておらず、悲しい性を負った主人公が世捨て人となって潜伏生活を続けることになる。

当然彼の力を危険視すると同時に科学技術の発展に用いるために彼を追い求める勢力が出てくる。

そこに明確な悪というものは存在しない。

全ては人間のエゴが生み出したものであり、その落とし前は人間がつけるべきであるというシリアスなメッセージ性を有している。

科学を悪用しようとする勢力と対峙するという点では他の作品と共通しているが、主人公側の行動が非生産的で悲壮感に溢れたものであるという特異性がある。

戦闘シーンも戦略的とはいえず、ただただ力のぶつかり合いであり、爽快感とはまた別のものである。

プロレスばりのキックとパンチの応酬。悪役レスラーのように鎖でぐぐぐーっと首を絞めたり、スクラップにした車を盾にしたり、あるいは鈍器にしてみたりとやりたい放題である。ドラゴンボール的といってもいい

最後の最後に繰り出される謎の技❝ハルクスマッシュ❞は、燃え盛る火炎に包まれた恋人ベティの命を救うために芭蕉扇の如く大風圧を起こし周囲の火だけ消すという便利スキルである。ギャラリー置いてけぼりというか、漫才的な戦いであった。

 ↑なんというフェチズム詰め合わせ。手に持っている芭蕉扇を紹介したかっただけだが、やはり大正義黒髪ロングである。

 

しかしながら、戦いを終えた後に再び潜伏生活をしなければならない悲しさ、意思を持ってしまったことに対する悩みが画面から伝わってくるのとコントロールしつつある力の前で笑みを浮かべるラストシーンへの持っていき方は流石である。

 

総評

観る前から賛否両論の作品であることは聞いていたが、確かに他のMarvel作品に比べてみると「ヒーローが大活躍して気分爽快な戦闘シーンが繰り広げられる」とか「ユーモラスな主人公のハートフルな一面もみられる」だとか分かりやすい指標が存在せず、全編通して重苦しくて物悲しい科学技術の裏側を見せられたような印象である。

単独の作品としてみればひとつのエンターテイメントとして成立していると思うが、Marvelの一連の流れからすればかなり異質な作品であるといえる。

ラストシーンでアイアンマンの主人公トニー・スタークが登場。クロスオーバーしていく。

相変わらずカッコいいな、このおじさん。時系列的に次は『アイアンマン2』か。

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