うたかたラジオ

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【干物妹!うまるちゃん】7話から最終話を観た感想+α

『干物妹!うまるちゃん』を観終えたので、備忘録的に感想を書き綴っておきたいと思います。

↓1話から6話までの感想についてはこちら。

www.utakata-radio.com

 

 

登場人物紹介

 1話から6話までに登場する主要人物の紹介については上の記事を参照願うとして、ここでは「今まで登場はしていたけれど、名前や外見が物語における位置づけが明かされなかった人物」を含め、初登場の人物を紹介していくことにする。

 

本場猛(もとば たけし)

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『ダイヤモンド・サービス』で働くタイヘイの同僚であり、あだ名は「ぼんば」。

爆発したような見た目のアフロヘアーと名字の「本場(もとば)」をもじったものだろう。

職場での勤務態度は、サボって昼寝したりネットサーフィンに興じたりと不真面目そのものであるが、人柄は多少強引で突っ走るところはあるものの明るく社交的でさっぱりとした性格である。

ここで名字の「本場」に注目してほしいが、なんとこのアフロ、あの切枝ちゃんの兄なのだ。

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全然似てないな。

 

橘・アレックス

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タイヘイと同じ職場で働く後輩である。ドイツと日本のハーフであり、爽やかなイケメンであるが、中身は完全にオタクだ。

勤務態度はぼんばと同じくネットサーフィンに夢中になったり(しかも肌色多めのページ)、おもちゃで遊び始めたりとやりたい放題である。

しかしながら、タイヘイからは可愛い後輩として認識されている。

「橘」という名字で察しがつくが、シルフィンの兄である。

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わからんでもない。

 

金剛叶(こんごう かなう)

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タイヘイたちの上司であり、役職はなんと課長。ここまで若くて綺麗な人物が課長に抜擢されるとは羨ましい何か裏がある・・・?

タイヘイ、ぼんばとは古くからの友人であり、彼女はタイヘイに恋心を寄せている。

「密かに」ではなく、誰の目にも明らかなのだが、想いを伝えるまで至っていない。

タイヘイお兄ちゃん、モテすぎやぞ!

 

第7話から最終話のざっくりとした感想

第7話『うまるのお兄ちゃん』

タイヘイお兄ちゃんの優しさ+ノスタルジー詰め合わせ回。

オタク知識ないタイヘイのとった行動

物語冒頭、うまるちゃんはベッドの上でゲームをしながらゴロゴロ。タイヘイに「お菓子取って」「コーラ持ってきて」とわがまま三昧。

タイヘイはいつものようにパシられるが、一言小言を添えるだけで応じてあげる。

あなたは神だよ。

タイヘイは黙々と部屋を掃除し、ゴミ捨ても終了。

が、手違いにより(うまるちゃんが9割9分悪い)うまるちゃんのフィギュアの箱を捨ててしまう。

タイヘイお兄ちゃんは責任を感じて夜中にフィギュアの箱を求めて出かけ、箱が見つからなかったからと日本人形をお土産に買ってくる。

あなたは神だよ(2回目)。

 

また3人で行きたいね!

パート変わり、海老名ちゃんと外食へ行くことに。

以前ファミレスでご馳走してもらったお礼らしい。場所はラーメン屋。

何ということはない海老名ちゃんと土間兄妹の三人の食事シーンなのだが、非常に穏やかで癒される。

海老名ちゃんの可愛さが魅力の9割だけどね。

海老名ちゃんの「また3人で行きたいね!」にはグッとくるものがあった。

 

駄菓子屋さんに行ってみたいんですの

シルフィンとうまるちゃんが駄菓子屋に行くお話も好きだ。

シルフィンはお嬢様のテンプレのような生活をしており、駄菓子屋でお菓子を買うことに憧れている。

そこでうまるちゃんは最近見つけた駄菓子屋さんに彼女を連れて行ってあげることに。

駄菓子屋、その全てが懐かしい。子供の頃は100円を握って買いに行ったっけ。

今は文字通り“大人買い”できるけど、今買う1,000円分のお菓子よりもあの頃悩み抜いて買った100円のお菓子の方がずっと価値があった。

 

あの日見た景色

タイヘイが仕事の帰りにネコを見つけて追いかけて行くうちに住宅街に迷い込んだが、彼が幼い日に見た光景によく似ていることに気づく。

途中で彼が発する「社会人になってから毎日同じようなことをしているから昔のことをよく思い出せない」という言葉には妙な説得力があった。

確かに年を取るたびに日々がルーチン化し、最適化されていく。刺激はないけれど生活の資本を得て、人生の駒を1つ1つ進めることになる。

つまらないけど安定していて、多くの人はそれを“幸せ”と言う。

疑問を持ち始めると自分が幸せを積み重ねていることに自信を無くしてしまうが、気づかず積み重ね切れば、そこに立派な幸せがある。

 

第8話『うまるとクリスマスと正月』

クリスマスだと言うのに・・・

クリスマスイブに残業をすることになったタイヘイとぼんば。途方もない作業量に「こんな会社辞めてやろうぜ!」と吠えるぼんば。

一方のタイヘイは「大した量じゃないからさ」と悟った様子。お兄ちゃん訓練されすぎ。

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2人を見ていた課長の叶が話に入ってくる。いやー、可愛い。

海老名ちゃんの次に可愛い。

2人とは旧知の仲であり、「タイヘイ」「ぼんば」「かなう」と呼び合っている。

今は上司と部下の関係だが、回想シーンで同じ制服を着ていることから同級生か数歳差だろう。

この3人の絡みはこれからのストーリーに大きく影響を与えるのだろう。

 

年明けは兄妹+ぼんば

第7話でぼんばは家仕様のうまるに出会っているが、もう自然に家に遊びに来て、自分の家のようにくつろいでいる。

最初のうちは「干物妹が露見することがタブー」というような風潮があったが、切枝ちゃんもぼんばも家仕様のうまるに普通に接している。

これは海老名ちゃんやシルフィンに知れるのも時間の問題か。

「美妹うまる=干物妹うまる」が繋がらなければいいのだろうか。

 

そして時は遡る

まさかのクリスマスイブ再び。今度は叶視点の残業風景である。

タイヘイのことが気になる叶は彼に残業後の予定を聞くが、特にないとのこと。そして彼は提案する。

「久しぶりに3人で遊ばない?」

これは辛い。タイヘイにとっては叶は友達であって、それ以上ではないという黙示の意思表示だ。

叶は答える。

「今日は家族でディナーだから、あなた達も家族で過ごしなさい」

叶は広々とした高級マンションで1人で過ごすのだ。お弁当をディナーにして、借りたDVDを観る。辛いのぅ辛いのぅ。

タイヘイのこと大好きだもの。恋が叶うといいね。

 

第9話『うまるとバレンタイン』

切枝ちゃんの真っ直ぐさ

物語冒頭で切枝ちゃんがうまるちゃんのためにクッキーを作るシーン。この子はブレないね。

切枝ちゃんは不器用だけど誰よりも女の子らしくて人の気持ちを感じられる子なのだと思う。

ちょっと変態な感じがいいアクセントだ。

一生懸命にクッキーづくりに勤しむ切枝ちゃんの真っ直ぐな可愛らしさとこれに応じるうまるちゃんの優しさが光る。

ああ、なんて優しい世界。

海老名ちゃんが渡したいのは・・・

続いて海老名ちゃんとうまるちゃんのチョコづくり。海老名ちゃんはタイヘイにチョコを作ろうとしていたが、チョコづくりは工程が面倒くさそうだと感じたうまるちゃんはタイヘイを連れてきてしまう。

嬉しいような恥ずかしいような海老名ちゃん。今日も可愛いなぁ。

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結局海老名ちゃんはチョコを渡せず終い。いつ想いを告げられる日が来るのやら。

切枝リターンズ

9話は切枝ちゃん回だ。

うまるちゃんには本命チョコを渡せたけれど、タイヘイには渡すはずだった義理クッキーは手違いで失敗作の焦げ焦げクッキーになってしまった。

後日わざわざ土間家を訪れ、タイヘイに謝る切枝ちゃん。なんて律儀な子だ。

うまるちゃんの前では自然に振舞える切枝ちゃんも他の人の前では緊張してしまう。それでも逃げずにこうやって謝りに来たのだ。

偉い。偉いぞ、切枝ちゃん。なかなか言い出せなくて夕方まで居座ってしまうのも、らしくていいぞ。

 

第10話『うまるの今と昔々』

完全無欠の美少女

10年前のうまるちゃんが回想に登場。

かわええええええ。干物妹になる前の完全無欠の美少女である。どうしてああなった。

風邪で寝込むタイヘイのために奮闘するうまるちゃんの姿が頼もしい。

今はぐーたらでわがまま放題のうまるちゃんだけど、お兄ちゃんのこと大好きなのは10年前と変わらない。

禁断症状が・・・

うまるちゃんが部屋でコーラをぶちまけたせいでルーターが故障してしまい、ネットが一時利用不能に。

ネット依存症であるうまるちゃんは廃人のようになってしまう。

これを見かねたタイヘイは怒るでもなく、ネットカフェでパソコンをいじればいいよとお金を渡してくれる。もう仏だよ、あんた。

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最初は「自分だけの好きなものだらけの空間」にご満悦のうまるちゃんだったが、一時間、二時間と過ごしているうちに何となく物足りなさを感じてしまう。

寂しい。

うまるちゃんが求めていたのは自分の家でお兄ちゃんと他愛のない会話をしながら過ごす時間だと気づき、早々に切り上げてしまう。

タイトルに偽りなし。ここにきて兄弟愛を押し出してきたか。いいぞいいぞ。

10年前のタイヘイ、ぼんば、叶

タイヘイの10年前の回想シーン。

タイヘイは学生の頃から完璧人間で、何をやらせても人並み以上にできてしまう。

土間兄弟恐るべし。

彼は親友のぼんばと叶に連れられて初めてゲームセンターに入るが、持ち前の観察眼と器用さでUFOキャッチャーから3匹の猫のぬいぐるみを手に入れる。

これを妹のうまるちゃんにプレゼントすると彼女は大喜び。これがゲーセン浸りのきっかけになってしまうとは皮肉である。

10話は全体的に「うまるちゃん、かわええええ回」であった。さすがメインヒロイン。盛り返してきた。

 

第11話『うまるの日々』

海老名ちゃんの食欲爆発回

これを待っていた。たくさん食べる女の子っていいよね。

冒頭で海老名ちゃんの実家である秋田から送られてきた秋田こまちを持って土間家を訪問。

お昼がまだだったのか、海老名ちゃんのおなかが鳴る。うん、可愛い。

秋田こまちのお礼にご飯を食べていきなよとタイヘイ。ご飯に合うおかずを大量に作り、メインの秋田こまちは土鍋で炊くという徹底っぷり。

これを食べた海老名ちゃんは、つい方言が出てしまう。「うんめえええなぁ」。実にいいね。

ひとしきり食べた海老名ちゃんとうまるちゃん。床にはピザのチラシが。

それを見た海老名ちゃんのおなかがまた鳴る。成長期の女子高生だから仕方ないね。

女の子ふたり仲良くピザを頬張る。ありがとう。ありがとう。

女の子は甘いもの別腹

タイヘイの新規プロジェクトの成功を祈願して、海老名ちゃんを連れてパフェを食べに行くことに。

甘いものに目がないうまるちゃんと海老名ちゃん。美味しそうにパフェを食べる姿が映し出される。いろいろな角度で、ねっとりと。

絶対狙ってるでしょ、これ。

だが、それがいい。ひたすら可愛いのだ。

夏が来るよ!

ポテイトも湿ってしおれる梅雨時。部屋でうまるちゃんはごろごろ。

梅雨のせいだと本人は言うが、いつもこんな感じでは?

それよりも切枝ちゃんのテンションの低さが気になる。過去の回想が一瞬流れるが、かなりダークな感じである。切枝ちゃんに何があったというのだ・・・。

そんな二人にタイヘイが夏が来ることを告げ、元気を取り戻させる。ああ、1話は夏だったけ。また季節が巡ってくるんだね。

次回が最終回なのに、日常が穏やかに進んでいくのが心地よすぎて忘れていた。

季節が一巡するという事実に気づいて急に寂しくなった。

 

最終話『うまるとみんな』

穏やかな日常をいつまでも見ていたい

今までの登場人物全員で海で遊ぶ最終回。

 

叶「・・・」

 

うまるちゃんが車のCMを見てよからぬことを考えるシーンから始まる。

朝学校まで送ってもらっている間、ぎりぎりまで寝ていられる。なんてせこいんだ。

海に行くのにも車が必要だし、そろそろ検討してもいいのかもね。

休日にタイヘイとともにディーラーを訪れ、新車に試乗してみると、非常に乗り心地がいい。

ちょっと運転してみますかと店員さんに勧められるままに路上に出るタイヘイ。よかったね、うまるちゃん。300万円だよ、300万。

これで存分にごろごろできるーと喜ぶうまるちゃんだが、肝心の車はのろのろ・・・。

タイヘイは筋金入りのペーパードライバーで、しかも神経質で心配症。

人が飛び出して来たら・・・。うまるが怪我でもしたら・・・。頭に浮かぶのはリスク、危険、デメリット。これは重症ですわ。

そんなわけでぼんばに車を出してもらうことに。メンバーはタイヘイ、うまるちゃん、海老名ちゃん、切枝ちゃん、そして運転手のぼんば。

あれ?切枝ちゃんはぼんばが兄って知られたくないのでは・・・?

幸いぼんばは、帽子を被った切枝ちゃんを妹と認識できず、事なきを得た。ぼんば、アホ過ぎん?

サービスの水着回である。楽しそうに遊ぶうまるちゃん達。楽しい日常風景と裏腹に物語の終わりが近づいてくる。

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場面は変わって電車の中。

タイヘイとぼんばがだるそうに仕事漬けの毎日を送っており、くたくたになって帰宅したタイヘイに「帰り道にジャンプ買ってくればよかったのに。使えないなぁ」と追い打ちをかけるうまるちゃん。

これにはタイヘイもイラっとし、「干物妹があああああああああああ!!!」とタイトルを回収して綺麗な〆。

 

最後に

無事に視聴完了した今、うまるちゃんを見ていて感じたことを書いておこうと思う。

日常系のアニメなので、考察するだけ野暮というものだが、ひとつだけ。

本作は外の世界では才色兼備の完璧人間である土間埋が、ひとたび自宅に足を踏み入れると二頭身化してだめだめでぐーたらな干物妹うまるちゃんになるという大きなテーマが設定され、この二面性を描き出している。これをどう捉えるか。

僕は、うまるちゃんの「幼児退行」というメッセージ性を有していると考える。

うまるちゃんは勉強もスポーツも一流であるが、家に帰ってから自己研鑽に努めている描写は一度も出てこない。

タイヘイに勉強を一度教えてもらっているシーンがあったくらいだ。

一切の努力をしていないにもかかわらず、なんでもできてしまう。情報もアップデートされる。これは努力の人であるタイヘイと対置されるものである。

うまるちゃんは天賦の才により何でもできてしまうため、周囲との壁を作っているのではないだろうか。

本人は謙虚で才能をひけらかさないが、周囲との差にストレスを抱えていたに違いない。

少なくとも自身が羨望の対象であることは認知していただろうし、その期待に応え続けなければならないとどこかで感じていたのだろう。

天才がゆえに完璧でなければならない。期待を上回らなければならない。

このプレッシャーから理想の自己を作り上げ、これを装うこと。人格を乖離させる必要があったのではないだろうか。

天才とはいえ10代の女の子。精神は非常にナイーブだろう。人格を分離させていなければ、本体が壊れてしまう。

精神の回避行動の反動として、家では二頭身化して堕落の限りを尽くすというもう一つの人格が顕在化したのではないだろうか。いわゆる「幼児退行」。

 

まぁ、そんなことを考えずに頭からっぽで見るのが気持ちいい。

海老名ちゃんが可愛かった。二期に期待である。

ねんどろいど 干物妹! うまるちゃんR 海老名菜々 ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア

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