さてさて、『月夜の町ロア』を設置したところから今回の物語は始まります。ここではイベント『精霊の光』が発生しますが、ダンジョンで敵を倒したりすることは一切せず、町の中の会話のみで完結します。
このシナリオが個人的には大好きで、年を重ねてはじめて気づかされることが多い印象深いものでした。
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私はしがないランプ売り
この絵本調のタッチと切なげなBGMが染みる。
Legend of Mana Music: 11 Moonlit City Roa (Extended)ようやく武器を新調できる。あまりにも初期装備が弱すぎるので、サクサク進めるためにも武器は迷わず買っていきたい。
ランプを売ってきます。愛のために。
ある建物の中に入ると、奇妙な形をしたランプが所狭しと並べられていた。奥にはセイレーンのリュミヌー。ここでランプ屋を開いているそうだ。
町の隅でひそかに経営を続けているため、ランプの売れ行きは芳しくなく、リュミヌーはこの町から出て新天地でランプ売りをしようかと考えていた。
そこに軟派な詩人であるギルバートが現れる。彼はリュミヌーに猛烈にアプローチをかけているが、ちょっと変わり者の彼女は乗り気ではないようだ。
口をついて愛の言葉が出てくる出てくる。
彼女の気を引くためにギルバートはランプを6個売ってくると宣言。
どうしてもリュミヌーと愛を語り合いたいらしい。
この男、調子がいいなぁ。
ギルバートは自腹で買い取るのか。こちらにも買い取るのも一つの手段だよと提示されたが、いかんせん所持金が足りない。さっき買い物しちゃったしね。
アナグマ語を習得しよう
買ってもらうならこのアナグマしかいないけれど、言葉がわからないことには商売もできないだろう。
酒場の主人からアナグマ語を教えてもらうことに。最初見たときはスポンジか何かだと思ったけど、アルティマニアによれば『パズル人』という人種らしい。
ぐま!→あいさつ、肯定の意を表す。
まっ!→否定、別れの挨拶。
あなたは「ぐ~」で「ま~」は私。「ぐ~ ま~ ぐまぐまま」であなたと私は友達。
んぐんま→ランプ。これは重要そうだ。
「んぐんま ぐまー ま?」→ランプはいかがですか?
CAN YOU SPEAK ANAGUMAGO?
早速実践してみよう。
「ぼくはアナグマ。きみもアナグマ?」
「ううん、違うよ」
「ぼくは夜だよ!きみも夜なの?」
「ううん、違うよ」
「ぼくは友達たくさん。きみも友達たくさんなの?」
「そう。友達たくさんだよ!」
「それなら、きみとぼくは友達だね!」
「友情の証に素敵なランプはいかが?」
おお、買ってくれた。
「ありがとう!」
いや、こちらこそありがとう。
この調子で2つ目のランプを売り、
報告します。愛のために。
最後のランプも売り終えた。ギルバートに報告だ。
やっぱり詩人の言うことは違うんだなぁ。どう反応してほしいんだ、それは。
リュミヌーは町から出ていくことを思いとどまった。ギルバート、よくやった。
畳み掛けるギルバート節。リュミヌーはクールに「ランプづくりで6日間も引きこもっていたから外の空気が吸いたい」とギルバートに連れられて外へ。
刻め、愛のメロディー
ふたりの夢のカタチ
星屑のシャワーを浴びながら、セイレーンリュミヌーの歌声を添えてふたりの夢が語られる。
今回のアナグマのようにリュミヌーのランプを買ってくれる人はいるけれど、彼女一人ではランプの魅力を人々に伝えることは難しい。人に声をかけて販路を拡大すればいい。
私のランプはたくさん売れなくてもいいの。自分のランプを気に入ってくれた人が時々買いに来てくれればそれでいいの。
リュミヌー一人でランプを作るのには限界がある。人の手を借りて効率的に作れば彼女も楽できる。
手間がかかるのがいいの。没頭しちゃう。
都会からデザイナーを呼んで洗練されたデザインの購入者向けのランプを量産しよう。
ガラクタを寄せ集めた変な形のランプをたくさん作りたいな。
そうすれば僕たち楽して大金持ちさ。
お金はなくても毎日楽しい。まるで夢を見ているみたい。
君には夢がないのかい?夢がない君と話していると寂しくなってしまうよ。
私は毎日楽しい夢を見ているわ。あなたと話すと自分が否定されているような気持になってしまう。
私の見る素敵な夢が、あなたには見えないの?私の夢が嘘だというの?
大きな夢と小さな夢
聞けば聞くほどに二人の夢は乖離している。ギルバートはリュミヌーを諦め、自分の愛を受け入れてくれる新しい愛を探す旅に出ることを決意。潔い。
リュミヌーも自分の考えがギルバートのものと相容れないことを悟り、別れを受け入れる。
どちらも間違っていないんだよね。ギルバートが追い求めるのは地位や名誉というような大きな夢、リュミヌーが求めるのはささやかで質素だけど自分が自分でいられるという小さな夢。
大きいから正しいというわけではないし、小さいから間違いというものではない。自分の幸せの比重をどこに置くか、それが価値観であって、人それぞれである。
子供の頃にプレイした時は、軟派な男ギルバートがリュミヌーに猛烈にアタックしたけれど、リュミヌーは彼の考えに賛同できないから明確な拒絶の意を表明し、ギルバートは町を去る。ギルバート振られたんだーと単純に考えていた。
今、この一幕を見ていると、彼らはお互い惹かれ合っていたのだけれど、どうしても譲れない根っこの部分の価値観が相違していたため、「別れ」という選択肢を取らざるを得なくなっていると気づかされる。どちらかが歩み寄ってもそれが正しいとは限らない。
小さな夢を追い求める意味
リュミヌーが沈んでいると、アナグマが店に大挙してくる。何やら興奮している模様。
いえええええええええええええい!!!あんたのランプ最高だぜえええええ!!(意訳)
リュミヌー最高!!リュミヌー最高!!(意訳)
めでたしめでたし。
このイベントが「ギルバート編」の始点になる。愛の詩人ギルバートの今後の活躍に乞うご期待。
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