気持ちいい秋晴れ。こんな日はどこかに放浪したくなります。
気分は何だか都営新宿線。停車駅を見てみても全般的によくわからないので、非常に良い予感がしております。森下、菊川、住吉・・・どこも捨てがたいですね。
前回の刹那的放浪の教訓からすると、「迷ったら方角がつく地名を選べ」なので、『西大島』か『東大島』の二択でしょう。
2秒の逡巡の結果、行先は『西大島』に決定しました。
↓前回の刹那的放浪はこちらから。
西大島で待ち受けるもの
都営新宿線西大島駅に到着。全くもって謎に包まれた土地である。一体何が起こるというのだ。
猫アンチの仕業
駅前は交通量が多いので、早速路地に逃げ込むことにする。
すると、猫除けに全力投球なお宅を発見。どうしてもこの場所に猫を侵入させたくないのだという強い意志を感じる。この大五郎のペットボトルを集めるのもそれなりに大変だったろうに。
秋風に吹かれて散歩
さらに先に進むと有刺鉄線に囲まれたススキ。何とも風情のない生え方をしているな。
この日は久々に天候に恵まれ、日差しは少々強めであるものの、涼しく爽やかな風が吹き抜けている。散歩日和だね。
そのままぐいぐい路地を進んでいくと、崎陽軒の直売店じゃないか。刹那的放浪はまだまだ始まったばかりなのでシウマイ弁当を買わなかったが、終わり際だったら間違いなく購入していただろう。
↓当ブログでは崎陽軒のシウマイ弁当に対する愛を2つの記事を割いて叫んでいるので、興味がある方はこちらからどうぞ。
庚申塚って何だろう
『庚申塚(こうしんづか)』はいろいろな場所で見られるが、どういった思いを込めて建立されているのか知らなかったため、調べてみた。
庚申とは?
古代中国の考えに❝五行❞というものがある。これは世の中は木・火・土・金・水の5つの元素で構成されているとするもので、自然現象を寒・暑、湿・乾、陰・陽で説明する陰陽説との親和性から陰陽五行説として人々の間に浸透していった。
この5大元素を兄(え)と弟(と)に分けて、甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸とし、これを十干という。
そして十干を十二支と組み合わせて干支とし、年月日を表すものになった。この干支60組のうちの57番目の庚申(かのえさる)のことを指している。
庚申塚が作られた理由
中国の教えでは、庚申の日の夜、人々が寝静まると人中に潜んでいると言われている三尸(さんし)の虫が天に昇って天帝にその者の行いを報告し、その内容に従って寿命が決定されると考えられていた。そのため、人々は庚申の日には眠らずに過ごしていたという。これを「守庚申」という。
時代の流れとともに次第に「守庚申」を礼拝化し、信仰の対象にすることに変化し、庚申塚という石碑が作られるようになったそうだ。
にゃーん。
再び大通りへ
大通りに戻ってきた。大きな建物が見えてくる。アリオか。イトーヨーカドーやLOFTまで併設されている。ここまで大きなショッピングモールがあれば、一か所で大体のものは賄えるね。
恐怖のブドウ連弾
廃屋に野生のブドウ生ってるー。怖すぎィ!どう見ても人に手が加わっている様子がないのに、こんなに繁茂することあるんだ。結実率高すぎでしょ。
ガチブドウのガチホラーじゃないか。「ただでどうぞ」と言われても食べる勇気はない。
闇ブドウ通りには居酒屋やバーが多い。駅からさほど遠くないので、この辺に住んでいるお父さんは仕事帰りにふらーっと立ち寄るのだろうか。いい環境だ。
自転車アンチの仕業
先ほどは「猫の侵入絶対に禁じるマン」だったが、今度は「自転車絶対止めさせたくないマン」か。
こんなに置かなくてもいいとは思うけど、「横断禁止」と書かれている片側二車線の道路を平気で横断する老人とかいるからなぁ。これだけ置けば見えなかったの言い訳は封じることができそうだ。
メジャーどころ砂町銀座商店街
しばらく真っ直ぐ進んでいくと、『砂町銀座』のアーケードが見えてきた。これ、有名な商店街じゃないか。寄っていこう。
入ってすぐ焼き鳥屋さん。いいねいいね、雰囲気出てる。
こういう揚げ物も生活密着感が出ていて好きだ。
鯛焼き屋さんで何思う
小腹が空いたので、途中見つけた鯛焼き屋に入ることに。お目当ては期間限定の焼き芋鯛焼きだ。
店員さんはお兄さんひとり。道行く人が店内を覗くと、「ご注文を受けてから焼き始めますので、5、6分お時間いただきます」とにこやかにアナウンスをしている。
そうかそうか。5、6分待つかと店内の椅子に座ってぼーっとする。
外には定期的に店内を覗く人がおり、最初は
「美味しそうだねー買って行こうか」
と店に近づくけれど、
お兄さん「ご注文を受けてから焼き始めますので5、6分お時間いただきます」
「あ、やっぱりいいです(落胆)」
となるパターンが僕の待っている間だけでも3回はあった。
「焼き置きしている鯛焼き」と「焼きたての鯛焼き」のどちらかを選べと言われたら迷わず後者を選ぶけれど、この経営方針が大きな機会損失を生み出していることは間違いない。
いつ焼いたか分からないような鯛焼きを出されるのも嫌だが、「それほどのクオリティは求めないからサッと買って食べたい」という需要も確かにあるわけで、商売の難しさを感じた。
最大の武器が最大の弱点になっているような気がして。
旨い。焼きたての鯛焼きのなんと香ばしいことよ。ほんのり甘い皮の中に熱々で秋の風味を全身にまとった焼き芋あんがぎっしり。これはいいものだ。
鯛焼きを食べたら食欲が刺激された。時刻は丁度昼時。さて、何を食べよう。
後半に続く。