先日、当ブログでドラゴンクエストⅤの目玉システムのひとつ「仲間モンスター」についての記事を上げたところ、想定以上に多くの方に読んでいただけたようで、非常に嬉しく思います。
↓こちらの記事です。
ドラクエⅤは思い入れのある作品なので、仲間モンスター以外の要素についても機会があればブログで取り上げたいと思います。
さて、今回の記事は、タイトルにあるようにドラクエシリーズの看板モンスターとして異論は出ないであろう『スライム』の位置づけについて考察してみることにします。
ドラクエのマスコット的存在『スライム』
『スライム』とは?
ドラクエシリーズをプレイしたことがある方はもちろん、未プレイでも「『スライム』は知ってるよ!青くてプルプルしてるやつ!」と表現する方は多いのではないだろうか。
そう、『スライム』はドラクエに登場する青くてプルプルしてる弱っちぃモンスターなのだ。
ドラクエを代表するモンスターの一体であり、現在発売されているナンバリングタイトルⅪまで堂々の皆勤賞。
実はスライム以外にも皆勤賞がもう一体だけ存在する。
ゲームのタイトルにもなっているドラゴン?
それともドラキー?ゴーレム?
正解は『メタルスライム』。
普通のスライムと全く同じフォルムだが、体は眩いばかりの銀色に包まれ、全ての攻撃魔法を無効化する完全耐性。
HPは非常に低いが逃げ足が素早く、倒すのもひと苦労。
その対価として莫大な経験値を入手することができるボーナスモンスターである。
皆勤賞の2人目はメタルスライムなのだ。
さすがスライム。スライムはドラクエの代名詞と称するにふさわしい知名度と実力を兼ね備えたモンスターといえる。
ドラクエシリーズでのスライムの取り扱い
とっても弱い雑魚モンスター
スライムは先述の通りシリーズ皆勤賞のモンスターであるが、敵として登場するスライムは一貫して「最も弱い雑魚敵」として認識されている。
物語の最序盤に現れ、初期レベルの初期装備でもタイマンを張って負けることはほぼないという雑魚っぷりである。
経験値は1、落とすゴールドも1。お手本のような雑魚キャラで安心だ。
ちなみにドラクエⅥでは、最序盤に『ぶちスライム』というスライムの亜種が登場し、スライムはある程度ゲームを進めなければ会うことはできないが、このスライムも経験値は5の雑魚である。
仲間になると覚醒する
敵として現れるスライムは体力も防御力も低く、あちらからの攻撃もただの体当たりなので苦戦する要素はひとつもない。
しかし、特定のシリーズではスライムを仲間にすることができ、仲間にした途端に覚醒したように呪文や各種特技を習得して器用な立ち回りをし始めるのだ。
例としてドラクエⅤ及びⅥで仲間になったスライムが習得する呪文・特技を書き出してみることにしよう。
【ドラクエⅤ】
二フラム(Lv.7)、スクルト(Lv.10)、ルカナン(Lv.15)、リレミト(Lv.18)、メダパニ(Lv.22)、ザオラル(Lv.30)、ぶきみなひかり(Lv.45)、めいそう(Lv.77)、しゃくねつほのお(Lv.99)
【ドラクエⅥ】
しゃくねつ(Lv.99)
Ⅴのスライムは補助呪文や回復の特技、『しゃくねつほのお』という強力な攻撃手段を手に入れる。
Ⅵでは技の多彩さこそないものの、Ⅴのときと同様『しゃくねつ』を覚える。
もうひとつ見ておきたいのが、ドラクエシリーズの外伝に当たる『ドラゴンクエストモンスターズ』である。
この作品は主人公の魔物使いが様々なモンスターを仲間にして、配合し、さらに強力なモンスターを生み出して迷宮を攻略していくというもの。
「仲間モンスター」というシステムをこよなく愛する僕にとっては天国のようなゲームであった。
もちろんモンスターズにもスライムは登場し、仲間に加えることができる。
覚える特技・呪文は以下である。
【モンスターズ】
ギラ、まぶしいひかり、マダンテ
モンスターズはステータスによって呪文や特技を習得するレベルが変わってくるため、習得レベルが表記されていない。
目につくのはやはり『マダンテ』である。
スライムが覚える『しゃくねつほのお』『しゃくねつ』『マダンテ』について、項を改めて考察していこうと思う。
『しゃくねつほのお』『しゃくねつ』『マダンテ』が語る大物感
シリーズを代表する強力な特技『しゃくねつほのお』『しゃくねつ』
本当は『しゃくねつのほのお』にしたかった?
まず最初に断っておかなければならないのは、『しゃくねつほのお』と『しゃくねつ』は名称が若干違うだけで、内容としては全く同じ特技である。
『しゃくねつほのお』はドラクエⅤ特有の呼称であり、Ⅵでは『しゃくねつ』に短縮されている。続くⅦでも『しゃくねつ』である。
ドラクエⅤでも当初は『しゃくねつ❝の❞ほのお』と表記するつもりだったが、ドラクエⅤで戦闘中に使用される呪文・特技の名称としては8文字が限界であったため、やむなく『しゃくねつほのお』に落ち着いたということだ。
Ⅵ・Ⅶでは攻撃呪文・特技に8文字を想定しておらず、『しゃくねつ』に短縮。
その証拠にⅦで登場した『マジャスティス』の上位呪文である『ギガジャティス』は、どう考えても『ギガジャ❝ス❞ティス』にしたかったのに、文字数制限で泣く泣く7文字に収まったという経緯がある。
それから時は流れる。
ドラクエⅧで『ディバインスペル』という8文字呪文が解禁されたので、『しゃくねつのほのお』をお目にかかることができると思いきや、Ⅷ以降味方の特技からブレスが没収されたため謎は謎のままであった。
ところが、ドラクエⅩ(残念ながら未プレイ)において仲間モンスターシステムが久々に復活し、ブレス系の特技も返り咲く。
『しゃくねつのほのお』、ついに実現である。
ちなみに僕は、『しゃくねつ』『しゃくねつほのお』『しゃくねつのほのお』の中では、『しゃくねつのほのお』の呼称が一番好きだ。
「の」が入らないことによって間延び感がなく、「ほのお」が付くことによって最も威力が高そうに感じる。
ま、全部同じなんだけどね。
と長すぎる前置きはこれくらいにして、本題であるスライムが覚えるこの『しゃくねつ』(←あえてこの表記にしてみる)の特別感について語ることにしよう。
『しゃくねつ』は最上位ブレス?
結論から言えば、『しゃくねつ』は最上位ブレスではない。
ドラクエⅦで攻撃における『しゃくねつ』の上位に属するブレスとして『れんごく火炎』という特技が登場している。
しかしながら、『れんごく火炎』はMPを20消費する特技であることから、個人的には『しゃくねつ』の完全上位互換とは言い難いと思うし、何より「ブレス=MP消費無しで連発できる」とイメージが強いため、炎系ブレスの最上位は『しゃくねつ』であると断言したい。
ここで引っかかるのが「炎系のブレスの最上位」という点である。
『しゃくねつ』のライバル、『かがやくいき』
炎系ブレスの対極に位置するものとして、冷気系ブレスが存在する。
『しゃくねつ』の初登場はⅣであり、ラスボスのデスピサロが使用する。
そして、先述のⅤにおいて初めて味方の特技として『しゃくねつほのお』が採用される。
威力は敵全体に150~170ダメージ。最強の特技として異論のない威力であった。
このとき、同じくして冷気系ブレス最上位の『かがやくいき』も味方特技として存在していたが、威力は敵全体に120~140ダメージというもの。
完全に『しゃくねつほのお』の優位。炎>冷気、この構図は崩れないものと思われた・・・。
が、続編のⅥにおいて、『しゃくねつ』は最強の座を剥奪されることになる。
従前、炎系ブレスは『ひのいき』→『かえんのいき』→『はげしいほのお』→『しゃくねつ』と4段階の最上位にあった。
そして、冷気系ブレスは『つめたいいき』→『こごえるふぶき』→『かがやくいき』の3段階。
なんとⅥでは、『こごえるふぶき』の下位として『こおりのいき』が登場し、これに押し出される形で、『こごえるふぶき』が『かがやくいき』レベルに。
そして、冷気系ブレス最上位であった『かがやくいき』がさらに威力を増して、超絶強力な特技として敵全体に210~230のダメージを与えるものに進化した。
ちなみに『かがやくいき』の上位に『絶対零度』という特技があるが、『れんごく火炎』同様、ここでは考慮しない。
「なんだ、『しゃくねつ』って大したことないな」と思われるだろう。
ちょっと待ってほしい。ドラクエⅤの時点では『しゃくねつほのお』は間違いなくブレス系特技最上位として君臨しており、この最強の特技を一番弱いモンスターであるスライムが習得するのだ。
こんなドラマティックなことがあるだろうか。
単純な威力では比較できない、制作陣のスライムに対する並々ならぬ愛を感じないだろうか。
最強魔法『マダンテ』
言わずと知れたドラクエにおける究極の攻撃呪文である『マダンテ』。
作品によって威力計算は様々だが、基本的に使用者の消費MPに比例してダメージが増加する。
初登場時は消費MPの3倍、すなわち理論上は2997ダメージを叩き出すことが可能。
しかし、この倍率は作品を経るに従い下降傾向である。
初登場はドラクエⅥで、主人公の一人であるバーバラが習得する。
魔法都市『カルベローナ』に代々伝わる究極の呪文であって、ラスボスの『デスタムーア』がそのあまりの脅威に都市ごと封印したといわれている。
カルベローナにかつて存在した大魔女『カルベローナ』の血を引く者のみ使用することができるこの呪文を、主人公の一人である『バーバラ』が自身の力に目覚めて習得する場面は感動的である。
まぁ、ぶっちゃけてしまえば仲間モンスターの『はぐれメタル』が自力習得するんだけどね。
はぐれメタルがバーバレラの血を引いていてもいいじゃないか。
ドラクエにおける究極魔法である『マダンテ』を、ただのスライムが自力習得するのだ。
スラリンは すべてのまりょくを ときはなった!
ぼうそうした まりょくが ばくはつを おこす!
スライムちゃん、凄いぞ!
ドラクエモンスターズでは、牧場でモンスターを管理しているプリオという少年が手違いでモンスターたちを逃がしてしまったが、一匹だけ残ったモンスターがいた。
それがスライムの❝スラぼう❞であり、主人公テリーに託された最初の相棒である。そして、テリーが旅を続けている途中にスラぼうの孫である❝スラお❞も仲間に加わる。
このスラお、上限レベルが40前後なのだが、ステータスの上がり方如何によってはマダンテを習得する。
ドラクエモンスターズはモンスター同士を配合することに楽しさがあるのだが(配合を繰り返すことによってレベル上限を99にできる)、混じりっけナシのただのスライムが最強呪文を自力で体得するというのも熱い展開だと思わないだろうか。
まとめ
スライムは青くてプルプルして弱っちいモンスターだけど、凄いモンスターだよ!!
ドラクエシリーズとスライムの益々の発展を祈りまして、今回の記事は終わりにしましょう。