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【隠れた神ゲー?】『もんすたあ☆レース』の魅力を語る

突然ですが、『もんすたあ☆レース』というゲームを知っていますか?

各地に棲息するモンスターと競争をして、勝てば仲間にできるゲーム。

モンスターには得意不得意があって、これを補うために最大6匹のパーティを組んで交代を駆使して勝利を目指すというゲームシステムです。

 

「あれ?その設定、どこかで見たような・・・」

 

『もんすたあ☆レース』が発売したのは1998年3月6日。

今や世界規模で展開している大人気ゲームの初代に当たる『ポケットモンスター赤・緑』の発売が1996年2月27日。

いわゆる「二匹目のドジョウ」を追って、群雄割拠、粗悪乱造、玉石混淆でポケモンに類似した様々なRPGが世に放たれていた時期です。

ポケモンに端を発した2バージョン商法こそしていませんが、『もんすたあ☆レース』には随所にポケモンリスペクトの要素が盛り込まれておりました。

 

「どうせあの時期に色々出ていたパチモンゲームなんでしょ?」

そういった評価も一部ではあるでしょうし、少なからずポケモンを意識して、そこに寄せている点は否定しません。

しかし、『もんすたあ☆レース』には独自の画期的なシステムが数多く取り入れられ、初プレイから20年近く経つ僕の記憶に深く深く刻み込まれている名作ゲームであると自信を持って言えます。

 

そこで今回はマイナーで「隠れた神ゲー」というに相応しい『もんすたあ☆レース』について書いていこうと思います。

 

『もんすたあ☆レース』とは?

シリーズ一覧

  • もんすたあ☆レース(1998年3月6日 GB)
  • もんすたあ☆レースおかわり(1998年10月2日 GB)
  • もんすたあ☆レース(1998年12月17日 PS)
  • もんすたあ☆レース2(1999年3月12日 GB・GBC対応)

『もんすたあ☆レース』の初代作は上述のとおり1998年3月6日に発売しており、続編にあたる『もんすたあ☆レースおかわり』は1998年10月2日。

随分近接して発売しているじゃないかと思われるだろうが、『おかわり』は純粋な続編というよりも『初代もんすたあ☆レース』の主人公レニーのライバルポジションであるバッチという男の子目線で物語が進むマイナーチェンジともいえる作品である。

その後、上記2つの作品を同時収録した『もんすたあ☆レース』がPlayStationで1998年12月17日に発売している。

そして、待望の続編である『もんすたあ☆レース2』が1999年3月12日に発売している。

ものの1年の間に4つの作品が次々とリリースされている。当時は目新しいシステムの導入はスピード命だったのだろう。

ちなみに2009年1月22日には任天堂DSから『モンスター☆レーサー』というゲームが発売しているが、『もんすたあ☆レース』のゲームシステムや世界観とは異なる別物である。

しかしながら、タイトルの「☆」や『もんすたー☆レース』に登場したモンスターと同一若しくは類似したキャラクターも一部登場するなど、完全に無関係でないことが伺われる。

 

あらすじ

『もんすたあ☆レース』『もんすたあ☆レースおかわり』

人より早いモンスターを持っている人が偉い。争いごとが生じたらとりあえずモンスターレースで勝負を決めるというような世界観。

ひょんなことから主人公のレニー(バッチ)はモンスターレーサーとなり、一年に一度開かれ、世界一のモンスターレーサーを決める「ベリーベストカップ」で優勝するべく各地を旅してモンスターを集めることになる。

主人公は目指すベリーベストカップはこの年ちょうど節目の第100回である。

『もんすたあ☆レース2』

2の舞台は初代の100年前の世界である。つまり、第1回ベリーベストカップ開催の年。

これまたひょんなことからベリーベストカップを目指すことになった主人公サミーの物語。

 

ゲームを彩る可愛らしいモンスターたち

ゲームシステムを語る前に『もんすたあ☆レース』に登場する可愛らしいモンスターを何匹か紹介しておこう。

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↑上の画像はこの記事を書いている2019年1月14日に我が家で発掘された『もんすたあ☆レース2』のロムである。

左下の弥生時代的な茶色い子が「ハニワンテ」。真ん中のもこもこしているのが「プチワ」。

右回りで「ポニーラ」、「ピーペン」「サボテンテ」「ハネムチャ」「ウリラン」、そして真ん中の「シーズン」である。

意外と覚えているものだ。この中で「サボテンテ」と「ウリラン」を除く6匹が最初に貰えるモンスターである。あれ?その設定どこかで・・・。

この子たちもレベルが上がれば進化してカッコよくなったりゴツくなったりする。あれ?その設定どこかで・・・。

初代は約100種類、そして2は約200種類のモンスターが登場する。

初代は明確な互換関係にあるモンスターが多く、実践投入されるモンスターが固定化されていたが、2で相当なテコ入れがあったのかモンスター同士の格差は少なくなって楽しみやすくなっている。

 

ゲームシステム

勝敗

レースの勝敗は単純明快である。

『もんすたあ☆レース』には野良モンスターとのレースと対人のレースの2種類がある。

前者は遭遇したモンスターと駆けっこをして大差をつけて引き離せば勝ち。勝てば負けたモンスターを仲間に加えることができる。

後者はそれぞれに用意されたコースのゴールテープを先に切った方が勝ちである。

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対人レースには「通常のレース」と「賭けレース」があり、賭けレースで勝利すると相手が持っているモンスターを一匹選択してもらうことができる。

 

勝敗を左右する要素

得意地形と苦手地形

地形の種類は様々で、草、石、水、氷、火、ジャンプ、バランスがメインになるが、平坦な土地ばかりではなくここに「下り坂の草むら」だとか「上り坂の沼」など複合的な要素が加わる。

また、たいまつ(ジャンプと火の複合地形)なども存在し、得意不得意は総合的に判断される。

野良モンスターとのレースでは地形の種類は基本的にひとつだが、対人レースでは地形が目まぐるしく変化していく。

モンスターにはそれぞれ得意な地形と苦手な地形が設定されており(例外として全ての地形が得意でも苦手でもないモンスターが存在する)、

(得意)☆>◎>〇>△(苦手)

の4段階である。当然得意な地形ほど速く走ることができ、苦手な地形はモンスターの力を存分に発揮できない。

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そのため、後述の❝交代❞により戦局を有利に進めていく必要がある。

 

交代

「さっきまで得意な地形で差をつけていたのに、苦手な地形に入ったら逆転されてしまった・・・」

このような状況を覆すのが❝モンスターの交代❞である。

主人公は同時に6匹のモンスターを連れていくことができ、レースにおいては交代が自由である。

そのため、得意地形と苦手地形を補完し合うような6匹を選抜することがレースに勝つ秘訣であるといえる。

もっとも如何なる場合でも地形に対応したモンスターに交代すべきかといえばそうではなく、ケースバイケースなのである。

交代にも時間がかかる。すぐにパッと交代できればいいが、モンスターによっては交代にもたついてしまうことがあるのだ。

交代の際に影響する要素として、ステータスの「おちつき」が挙げられる。

交代速度は交代時の進行速度と「おちつき」の値を加味して決定されるため、おちつきが低いモンスターでは交代に時間がかかってしまうため、「あえて交代しない」という選択肢をとることもときには大切である。

また、地形が石→水→火と変化する道があったとして、石☆→水☆→火☆のモンスターにそれぞれ交代するのが一番早いと思いきや、交代の時間を考えると石☆水〇火〇のモンスターを交代させずに走りぬいた方が早い状況もある。

要は地形とモンスターのステータスを見て臨機応変に対応していくのがレースの基本的な進め方である。

 

特技

モンスターにはそれぞれ固有の特技が存在しており、各モンスターがレース中に1回だけ使用することができる。

特技は大きく、①自身にかけて能力を上昇させるもの、②相手方の能力を低下させたり妨害するもの、2つに分けられる。

①の例として、

「かそく」・・・スピードを20%UP(長時間)

「ぼうそう」・・・スピード40%UP、パワー20%UP、おちつき30%ダウン、交代不可(中時間)

「ワープ」・・・スピード100%UP(長時間)

等が挙げられる。

それぞれ一長一短あるものの、「ワープ」は戦局を覆すのに十分すぎるほどの壊れ性能であるため、これを覚えるモンスターは優遇されるし、①に属するほとんどの特技の上位互換である。

 

②の例として、

「いあつ」・・・スピード60%DOWN(短時間)

「だつりょく」・・・パワー50%DOWN(中時間)

「ていし」・・・モンスターを強制交代

等が挙げられる。

上で書いたように、「ワープ」を始めとして自身の能力を上昇させる特技は強力である。

しかしながら、①で上がった能力を②で妨害して打ち消すことができるし、ワープも例外ではない。相手がワープしだしたら「いあつ」を使用すれば無効化することができるのだ。

②には他にも交代を不可能にしたり、特技を一時的に封印したりするものもあるので、使いどころによっては非常に強力である。

もっとも②も①で打ち消されることがあるので(いあつ→ワープ等)、結局は使用のタイミングということになる。

 

その他レースに影響する要素

既に説明した「おちつき」以外にも数値化される要素として、「スピード」「パワー」「スタミナ」があり、数値化されない要素(☆~△で表される)「ガッツ」について簡単にまとめておく。

【数値化される要素】

「スピード」・・・平坦な道や下り坂走る速度に影響。当然数値が高ければ早く走ることができる。

「パワー」・・・上り坂などの踏ん張りを要する場面で数値が高いほど早く走ることができる。

「スタミナ」・・・スタミナが切れても走ることはできるが、速度は激減する。

【数値化されない要素】

「ガッツ」・・・実は最も重要なステータス。上り坂や下り坂、特定の地形で効果を発揮するほか、レースで負けているときの追い上げ速度等に影響する。

※例えば、スピード・パワー・おちつきのパラメーターが全く同一の「草☆ガッツ△のモンスター」と「草〇ガッツ☆」のモンスターが並ぶことすらあるトンデモ補正を与えるのがガッツである。

 

ライトな遊び心地と作りこまれたシステム

ゲームとしては単純に「早く走った方が勝ち」というシステムであるし、何となくプレイしていてもストーリーで詰まることはほぼないだろう。

しかし、やり込んでみるとレースの勝敗がプレイヤーの舵取りに全てがかかっているといっていいほどに戦略的な要素を多分に含んでいるため、マイナーゲームと言えどもコアユーザーに今も愛されているゲームなのだと思う。

 

 まとめ

今回の記事ではゲームシステムの概略を説明するにとどまったが、ストーリーは非常に牧歌的で安心して多く方にお勧めできる作品であると考えている。

ハードの都合上、気軽にできるゲームではないし、VC等で配信されたりリメイクされる可能性もあまり高くないと思われる現状は残念だが、自分の思い入れのあるゲームとして強く推したいところだ。