前回は、並み居る変態どもをバッサバッサとなぎ倒し、ゾンネトゥルムの領主“大公女”との壮絶なる面会(?)を果たしました。
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地上に戻ってメインストーリーを進めていきたいと思います。
ヴェルニアとイサラ
ドロニア様の“真名”は?
ここで魔女報告。回想シーンが流れ始める。
校舎の廊下らしき場所だ。
“ヴェルニア”?
(短めだけど)流れるような黒髪、白い肌、少し鋭めの大きな瞳。
ヴェルニアと呼ばれた少女は“ドロニア様”の子供時代ということで間違いないだろう。
いつだったかドロニア様がルカの「真名(まな)」を使ってルカをカエルにすると脅すシーンがあった。
真名は魔女の世界では重要な意味を持っているのだろうから、この“ヴェルニア”という名前も真名かどうかはわからない。
これは、イジメの予感・・・!
青ざめるヴェルニア。
誰かに唆されて、それを信じたヴェルニアは周囲に笑われる。
完全にイジメだ、これ。
今度はヴェルニアの写本(教科書)が行方不明になってしまう。
最近観た映画でもこれくらいの年齢の女の子が酷いイジメを受けていたシーンがあったが、どんな組織でも“必要悪”を設定して団結を深めていくのだ。
仕事ができない人や性格の悪い人や突出した特徴を持つ人物、飛び抜けた才能を持つ者への妬みなどなど。
ターゲットに帰責性がなくても組織が存続するために不合理な選択がされる。
社会の構造がそうだといっても、ターゲットにされた側はたまったものではない。
虐める方が悪い・虐められる方が悪い論争は昔からされているところである。
この点につき議論の余地はまだまだあるけれど、組織の構造的瑕疵であること、そして問題の噴出が不可避であることは強く認識しなければならない。
気丈なヴェルニアはイジメっ子を睨みつける。
身体の欠損を指摘してイジメの対象にするなんて最低だ。
ドロニア様はこの頃から義足で生活することを強いられていたのか・・・。
こうやって異質の者を排除して歪な団結力が形成されていく。
ヴェルニアが何をしたと言うのだ。
失った脚は戻ってこない。
本人自身がコンプレックスで不可逆な事実を指摘して追い詰める周囲の人間が許せない。
イサラとの出会い
場面が変わり、いかにもチャラそうな男が銀髪の美女に話しかけるシーン。
クラウス君!?
あの執事のクラウス?
確かに面影はあるけれど、現在の穏やかで礼儀正しいクラウスとは完全に別人格じゃないか。
彼に無理やり(女の子の腹部を殴って気絶させるドクズな男である)イサラの部屋に連れてこられたヴェルニアは、お得意の瞳術でイサラを操ろうとしたが敢えなく返り討ち。
ヴェルニアよりも強い魔力を持っているようだ。
普段瞳術で人の心を操っている側しか見ていないけれど、操られる側は心底嫌だろうなぁ。
当然反抗心剥き出しのヴェルニアだったが、イサラから「キミが苛められているのは脚のせいではない」と諭される。
部屋から立ち去ろうとするヴェルニアにイサラが呼びかける。
「友達になろう!」
突然の言葉に驚きと喜びを隠せないヴェルニアだったが、「冗談さ」とバッサリ切り捨てられる。
ここの人たち性格悪すぎんよー。
次の日学校ではヴェルニアがみんなの憧れのイサラとお茶会をしていたという噂で持ちきり。
バーバ・ヤーガから可愛がられているというなら逆らう者はいないはずだよね。
お前のことが気に入ったぞ!
イサラはいつも突然だ。
夜中にヴェルニアの部屋に現れ、イサラに忠誠を違えば子分にしてやる。そうすればもう苛められないだろうと提案。
しかし、ヴェルニアは断固拒否。部屋に置いてある壺でイサラの頭を殴りつける。
当たりどころ悪かったら死んじゃうよ、それ。
“してやったり”と高笑いするヴェルニア。勝気な性格はこの頃からだったんスね。
頭から血を流しながら、ヴェルニアの大胆な行為に賞賛を送るイサラ。
ヴェルニアの方が心から好きになったから、友達になってほしいとのこと。今度は本気だ。
時は移り変わり、イサラの身の上話が始まる。
イサラは強力な魔力の持ち主だが、魔法を使用するたびに体に負担がかかっているらしい。
病室のような離れで休養していたのはそのためか。
2人の進路の話も聞くことができる。
魔法学校ルーラーの生徒たちは卒業後はどこかに売られていくらしい。
魔力が強ければ政治や軍事の面で利用されるだろうし、そうでない場合は・・・想像に難くない。
バーバ・ヤーガは人身売買を行うことによって勢力を拡大しているのだ。
嗚呼、倫理が欠如したこの世界よ!
ドロニア様!起きてください!
どこかから聞こえてくる幼い声。この声は、ルカ?
夢オチだったのさ!
この言葉だけでヴェルニアことドロニア様と親友イサラが数奇な運命を辿ったことが伺われる。
ドロニア様が必死になって“鍵”を探している理由はまだ明かされていないが、きっとこの夢と深く関係していることだろう。
まとめ
今回はヴェルニアことドロニア様の回想シーンのみをお届けした。
想像するにドロニア様が良い意味でも悪い意味でも囚われている、重要な過去の一幕なのだろう。
物語が佳境に差し掛かる、それを予感させる出来事だった。
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