デカ盛りの寿司が食べたくなりまして。
この欲望はいつだって突然で、平日に思いついても決行は次の休日ということになりますが、今回は平日に有休を取った日にたまたま周期が重なったので、気の向くままに食べに行きました。
お邪魔するお店は、当ブログではお馴染みの東京都三鷹にある『わかさ鮨』です。
最初の訪問は2018年夏。
去年の夏は暑かったですよね。学生さんたちの夏休みが終わろうとしている8月下旬に地獄のような炎天下の中、思い付きで食べに行ったのを今でも鮮明に覚えています。
最初は上握り(2,200円)を注文し、その圧倒的ボリュームと大満足の味に心も満たされて、再度の訪問を誓ったのでした。
そして2回目は2018年も終わろうとしている年の瀬の訪問。
今度は特上(3,000円)ですよ。
大トロ中トロ当たり前。穴子もいくら軍艦も後押し。蒸しエビは甘えびにランクアップし、うに軍艦やズワイガニといった高級食材も目白押しの握りの集大成でした。
もちろん大満足。ここの寿司に慣れてしまうと色々な面で普通の寿司が物足りなくなってしまいます。
また暖かくなる頃に訪問しようと誓い、今回の平日ランチを決行することに至ったので、その様子をお伝えしていこうと思います。
レギュレーション遵守
今回狙うは平日ランチ。
わかさ鮨さんの握りのメニューは先にも書いたように、特上3,000円、上2,200円、中2,000円、並1,350円である(詳細は8月の記事を参照)。
ランチはこの中の「並」に相当し、平日に限って1,150円になるというものだ。
特上、上はすでに体験済みなので並を食べてみたいと思っていたが、せっかく平日のお休みを利用して訪問するのだから、お得に食べてやろうじゃないか。
それにしても「中」と「上」の間には200円の差しかないのだが、どう違うのだろう。
これから先もわかさ鮨に行くだろうが、「中」を注文する日が来るのか非常に気になるところである。
ここはいつもわかさ鮨に行くときに使うルートで、回転寿司の銚子丸の青い上り旗が左上に映っているのが分かる。
今の時期の特選メニューは生しらすか。季節を感じる上品かつ溌溂さを感じる食材。
↑最近生しらすを運よく手に入れて感動した記事。
『下連雀つぼみ児童公園』は今日も平和だ。
桜の木はもう6割くらい葉っぱになってしまっているけれど、2週間くらい前ならばきっと満開の桜を見ることができただろう。
それにしても本当に人がいないよね。夏の暑い時期は分かる。寒い時期もまぁ分かる。春でも、平日は流石にいないの、かな?
『下連雀しらかば児童公園』。
中央のシンボルツリーは冬の頃に比べて随分青々としてきた様子。これが夏にはアフロ状になるとは感慨深いものがある。
ここまでくれば目的地はもうすぐ。目印は豆腐屋の角を左に。3回目ともなると足が自然に動くので、体感的には徒歩10分くらいである。
はるばる来たぜ、わかさ鮨(3回目)
再会を喜び、ランチを注文
お店の開店時間は11時から。
平日の12時近くは流石に混むと思ったので、11時15分くらいを目安に歩いてきたがほぼ予定通りであった。
普通に営業時間なのだが、中を覗いてみると誰もいない。手動で開ける自動ドア(長らく壊れていてそのままらしい)は開いたままで、いつもの大将とおじさんも厨房に引っ込んでしまっているようだ。
「こんにちはー。もうやってますか?」
「いらっしゃい」
威勢のいい声が聞こえてきた。やっているようだねぇ。このゆるさが好きだ。
僕が入店するときはいつも僕が最初の客なので、いつもの定位置である右端の席に座る。
辺りを見回してみても、メニューが見当たらない。まぁ、ランチを食べに来たんだけどさ。
程なくして、奥から注文番のおじさんが出てきた。
「ランチでいいかな?」
友達の家に遊びに来たみたいだ。
つまみやアルコールも昼から注文できるようだが、この時間のボリューム層はランチメニューなわけで、手っ取り早く「ランチだよね?」と聞くのがこのお店のスタンダードなのだろう。
しばし待つ。ゆっくり時間が過ぎていくのが心地いい。
この『わかさ鮨』、JR三鷹駅から歩いて20分ほどの距離にあるのだが、主な客層はどんな属性なのだろうか。
駅からは近くないし、周囲に大学や大きな会社はないようだ。オフィス街でもないし、近隣の奥様方がランチで使うにはボリューミー過ぎるし。
意外と夜に寿司をつまみながら一杯という人が多いのかもしれないな。出前にも力を入れているみたいだし。
お茶が出てきた。普通に飲み口が欠けたり割れていたりするけど、それがいい。
何度も言うけど、このゆるさが売りなのだ。
相変わらずのわかさ鮨クオリティ
相変わらずのボリューム。
左上から中トロ、ハマチ、赤身、蒸しエビ、ネギトロ巻きが点在し、玉子、イカ、蒸しタコ。
上や特上に比べればかなりおとなしめのメンツである。
また比較対象がなくて大きさが分かりづらいのが恐縮だが、一般的な寿司の2.5倍くらいの大きさと思ってもらえばいい。
再会を祝して、いただきまーす。
お腹も空いていたので、わっしわしと食べ進んでいく。
開店から間もないため、シャリに若干の温かさが残っている。「寿司のシャリはしっかり熱が取れていないとダメ!」という方もいると思うが、僕は割とほんのり温かいくらいのシャリも好きである。
そういえば、このお店でイカとタコを食べるのは初めてだ。
このタコ一貫で何個のたこ焼きが作れるのだろう。厚さ・大きさ共に規格外。とてもひと口ではいけないが、しっとり蒸しあげられていて身は非常に柔らかい。
半分くらい食べ終えてイカに取り掛かる。
こんなサイズのイカの寿司は見たことがない。2分の1杯くらい使っているのではないだろうか。
食感コリッコリ。噛みしめるとイカの甘みがねっとりじわっと染み出てくる。
どうやって1,150円で利益を出しているのだろう。
鮪もでかすぎィ。
後ろで中トロが控えており、これも赤身と同じくらいの大きさだが、とても一貫の寿司とは思えないほどの重量をしている。
もちろんひと口では食べられないので、お上品に分割していただきますことよ。
美味しいのだけれど、穴子やイクラが入っていない分、❝力のある魚感❞に押されて途中何の魚を食べているのか分からなくなってしまうので、適度にガリや味噌汁でリセットしていく。
完食。並といってもボリュームは特上。本当にどうやって利益を出しているのか。
御馳走様でした。
わかさ鮨ビギナーはどの握りから注文するべきか
ここで並、上、特上を食べた僕が、これからわかさ鮨を訪れる方におすすめしたい握りを書いておこうと思う。
そもそも採算度外視で豪快なネタが売りのわかさ鮨だが、その中でも一番お得で程よくわかさ鮨を味わうことができる握り。
それは上握りで異論はないだろう。
並が1,350円(平日ランチに限り1,150円)、中が2,000円、上が2,200円、特上が3,000円。
ネタで見ると、
【並】
中トロ1貫、ハマチ1貫、鮪赤身1貫、蒸しエビ1貫、蒸しタコ1貫、イカ1貫、玉子1貫、ネギトロ巻き6個
【上】
中トロ2貫、大トロ1貫、ハマチ1貫、蒸しエビ1貫、いくら軍艦1貫、穴子1貫、玉子1貫、ネギトロ巻き2個、鉄火巻き4個
【特上】
中トロ1貫、大トロ1貫、ハマチ1貫、甘えび1貫、いくら軍艦1貫、うに軍艦1貫、蒸しズワイガニ1貫、穴子1貫、玉子1貫、ネギトロ巻き6個
という構成になっている。
もちろん仕入れの状況等で若干の変化はあると思うが、ここに来たら是非大トロと穴子を味わってほしいというのが1点。
そして、美味しい美味しい軍艦を挟んで魚ばかりの食感を一度断ち切ってほしいので、これも入れたいのが1点。
特上のうにやズワイガニは唯一の存在だが、3,000円にまで上がってしまうのはハードルが高いというのが1点。
これらを加味すると、最もパフォーマンスに優れ、わかさ鮨の実力を十分に推し量ることができるのは上握り(2,200円)との結論に至った。
「中」は注文していないので未知数だが、予想では上握りからいくら軍艦を抜いて、何らかの高級魚が入るのではないかという見立てである。恐らく上握りの評価が覆ることは無いだろう。
ちなみに平日ランチの位置づけだが、確かに1,150円という価格は魅力的であり、「いつでも食べに来れるよー」という方であれば最初にランチから導入していくのもいいかもしれない。
しかしながら、平日ランチではなく1,350円の並を選ぶのであれば少し上乗せして上握りを注文することで全く違った世界を見ることができる。
僕も上→特上→並と食べてきたが、最初に食べたのが最もパフォーマンスに優れていたというのはよくある話である。
次来るのは、夏かな?秋かな?
ちなみに帰り道にとある店に寄って買い物をしたのだが、これについては別記事で書きたいと思う。
まとめ
当ブログではすっかり常連となった三鷹のデカ盛り寿司のお店『わかさ鮨』。
三鷹駅から随分と離れていて、何かの用事のついでにというにも少しハードルが高い。とはいえ、一度行ってしまえばその居心地の良さから再訪したくなる魅力あるお店である。そして、普通の大きさの寿司では満足できなくなるというおまけなのかなんなのか分からないオプション付き。
美味しいのはもちろんだけれど、「居心地がいい」という要素は非常に大きいもので、どんなに立派な店構えや名のあるシェフを揃えても簡単に再現できるものではないのである。
わかさ鮨の益々のご発展をお祈り申し上げ、今回の締めとさせていただこうと思う。
↓美味しいものを求めて旅をしております。