不気味な雰囲気に包まれたアマデウスを踏破したものの、探し出した鍵は偽物だった。
失意に包まれながらも地上に戻ると、恐れていた魔女の軍勢がルフラン市を包囲し、フルネラが直々にドロニア様とルカのところへ訪問する。
彼女から告げられた❝ドロニア型❞❝フルネラ型❞という耳なじみのない言葉が非常に気になるところ。どうやらルカは全てを知っているようだ。
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急転直下の展開を見せるルフランの迷宮と魔女ノ旅団。ここからクライマックスに向けて駆け抜けていこうと思います。
罪人の魂が集う死者の都・ルフラン市
“罪”とは何ですか?
フルネラが立ち去るのと入れ替わりにペトローネ領主代行が現れる。
彼が投げ捨てたのは亡骸になったバルティーニ三世だった。
なんてこった・・・。あまり目立たないキャラだったけど、なんてこった・・・。
以前から疑いの目を向けられていたのは否定できないが、ドロニア様がバーバ・ヤーガ出ないことが明るみに出てしまう。
魔女の軍勢は押し寄せ、ルフラン市の人間にも自分の正体がバレてしまったドロニア様は、ペトローネに食いかかる。
ルフラン市は“罪人”の街・・・?
ペトローネ曰く、ルフラン市は生前に重罪を犯した人間の魂が集い、終わることのない毎日を過ごすことになる地上の煉獄だそうだ。
死者の魂と繰り返される今日。アマデウスのようなものなのかな。
こちらもバレてしまっては仕方がないと今まで伏せられていた事実が次々と明かされていく。
確かに罪を犯さない人間などいないだろう。
富を得るために他人を出し抜き、突き落とす。
正当な経済活動の結果なのだから当然罪にはならないが、客観的に見れば自分の幸福のために他人の人生を滅茶苦茶にしていることになる。
これは受験でも同じ。恋愛でも同じ。
煉獄をさまよう魂を救済する存在・穢レ人
穢レ人はルフラン市という名の煉獄から死者の魂を真の死へ導く神聖な存在らしい。
なるほど、穢レ人がルカやドロニア様に興味を示さなかったのはそのためか。
誰かが消えると、誰かの性格が変わる。
「この人と出会えたから更生できた!」だとか、逆に「この人と出会わなかったら幸せだったのに…」というような話はよく聞く。
人の人生は他者との関わり方で如何様にも変じ得るものだ。
確かにユリエッテが変貌したのはメイリィが穢レ人に連れていかれてからだ。
誰かが誰かのストッパーになって、ルフラン市で歪ながらも安定した生活を送っていたのだろう。
そのストッパーが無くなれば、そこに待つのは崩壊。
なるほど。最初の頃のゆるふわ系お嬢様だったユリエッテは、過去の一時期のユリエッテだったわけだ。
そして、ペトローネもストッパーのクラウスが消えたことで彼は本来の姿を取り戻したということか。
嘘つきは大嫌いなんですな
ここでペトローネの独白。
「私は嘘をつく人間が嫌いだしてね」
→わかる。
「嘘をつく人間が許せないのです」
→まぁ、わかる。
「嘘をついたから妻を12人殺した」
→??????????
こいつはクレイジーだぜ。ルフラン市に投獄相当だと思うよ。
自身をバーバ・ヤーガであると偽り、ペトローネを欺き続けてきたドロニア様が許せなかったことだろう。
今思い出して見れば、最初にドロニア様に対して「本当にバーバ・ヤーガ様なのですかな?」と聞いたときのペトローネは声は優しいものの表情は冷酷だった気がする。
お付きの兵士を使ってドロニア様殺害しようとする。
そこにいいタイミングでネルドが臨場。一瞬にして兵士達を組み伏せる。
ルカはすっかり体が回復したことをネルドに報告。
“ドロニア様が”治療してくれたんです!“ドロニア様が”!
守りたい、この笑顔。
いつもツンケンしているネルドがドロニア様にお礼をしている・・・。
愛するルカさんのためなら男ネルド、宿敵に頭を下げるのも厭わないというのか。
満身創痍のはずなドロニア様もどこで覚えたのか、華麗な護身術で兵士を抹殺。ワザマエ!
崩壊してゆくルフラン市の行く末
ルカさんのためなら、たとえ火の中、水の中
ルフラン市がめちゃくちゃになっている。死者の街としてはこちらの方が自然な姿なのかもしれない。
ここでドロニア様の義足がこのタイミングで壊れてしまう。日頃の行いが悪いかr…いや、なんでもないです。
そこに通りかかるはルフラン市の聖人ニムト親方。
ニムト親方に任せておけば大丈夫!
このときはそう思っていた。
勘違いしないでよね///
ルカさんの為なんだからね/////
ネルドは本当にルカのことしか見えてないみたいだ。ロ◯コンと馬鹿にしていたけど、純愛なのかもしれないな。ごめんネルド。
くんかくんかハァハァ・・・。ルカたん・・・ルカたん・・・。
ロ◯コン、根絶すべし!
幼女の匂いをくんくんはまずいですよ、ネルド氏。
ニムト親方が1人なのは珍しいと思ったらフリッツとはぐれていたのか。
さぁ、一緒に逃げよう。
フリッツ・・・。
人と人とは繋がって
メイリィが消えて、ユリエッテがおかしくなった。
クラウスが消えて、ペトローネがおかしくなった。
フリッツが消えて…これはまずいぞ。
目から生気が抜けているユリエッテが街を彷徨っている。
お嬢様どころか物乞いにまで堕ちてしまったのか。そしてこれがユリエッテの本来の姿・・・。
完全に腫れ物。侮蔑の対象だ。
ユリエッテの美貌なら引く手数多だろうが、彼女がここまで堕ちてしまったのにはどのような理由があるのだろうか。
この男、危険につき
フリッツを助けることはできなかったが、ひとまず安全な修道院に逃げ込むことができたルカとネルド。
ねっとりとご機嫌な男の声が聞こえてくる。
それと同時にドロニア様の悲痛な声が辺りに響く。
ルカを安全なところに避難させ、単身不気味な声の主に近づくネルド。
ニムト親方・・・。
フリッツが消えたことでリミッターが外れてしまったのか。
部屋の中には狂ったニムトと手足を引き千切られた無残なドロニア様の姿。
こいつ、完全にイかれてるよ。
そして、もうひとつの衝撃的な事実。
ドロニア様の引き千切られた腕は魔力を失った人形素体のようなものになっている。
なるほど、フルネラが言っていた“ドロニア型”の意味がわかったよ。
ドロニア様は人間じゃない。ただの人形だったんだ。
こんな状況だが、今までニムトがドロニア様に向けていた好意の意味がわかった。
でかい図体で人形いじりが好きというのは生前の名残で、ドロニア様に強く惹かれていたのは、彼女が類い稀な美貌を持つニムトの理想の人形だったからだ。
壊してしまいたいくらいに愛している。狂ってる。完全に狂ってるよ・・・。
ネルドが背後に近づいても夢中でドロニア様をバラバラに引き千切っているニムト。
騒ぎを聞きつけたルカが部屋に入ってくる。
普段の可愛らしい「ギャーーーー!!」じゃない。半狂乱の叫び声。
ネルドが斬りかかるもリミッターの外れたニムトの圧倒的な暴力で息絶えてしまう。
絶望。ルフラン市で唯一のまともな人間だと思っていたニムトが1番狂っていたよ。
1人の人間が消えることで、ドミノ倒しのように他の人間のリミッターが外れておかしくなっていく。
穢レ人がメイリィを連れ去った時点で既に取り返しがつかないくらいにルフラン市は崩壊していたのかもしれない。
街の外部からやって来た自分たちが煉獄の住民に干渉したがためにバランスが崩れてしまった。
最初から間違っていたのかもしれない。こんなところに来るべきじゃなかったんだ。
絶望が全てを支配し、3度目の偽デッドエンド。
このあとしっかり物語は再生すると分かっていても、明かされた真実が重すぎてダメージが大きい。
まとめ
人と人とは繋がって、なんとかこの世界はバランスを保って回っている。
誰からも必要とされてない人なんていなくて、きっと何処かで誰かの心の支えになっているはず。
最悪のデッドエンド(3回目)を迎えたルフランがこの後どう展開されていくのか見ものである。
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