うたかたラジオ

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吹き抜ける沖縄の風。島らっきょうの塩漬けを作ってみた。

島らっきょうの塩漬け作るぞ!

最寄りのスーパーの品揃えが独特でして、普通のスーパーではなかなか見かけない食材を仕入れてはお安く提供してくれます。

店舗自体が狭いのと、そういった珍しい商品で棚を圧迫しているので、逆に一般的なものがなかったりします。一長一短ですね。

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そんなスーパーで購入したブツはこちら。

『島らっきょう』

島らっきょうといえば、塩漬けが有名ですよね。沖縄の居酒屋さんならどこでも置いてあるのではないでしょうか。

島らっきょうと焼酎。抜群の組み合わせです。

今回は島らっきょうの特徴について簡単にまとめた後、自身初の自家製塩漬けを作る様子をお届けしていきます。

『島らっきょう』とは?

「らっきょう」といえば、白くてぷくっと膨れた形で甘酢漬けとしてカレーライスの傍に鎮座している姿がまず目に浮かびます。

原産は中国やヒマラヤ地方だそうですね。

これに対して「島らっきょう」は沖縄独自の品種であり、普通のらっきょうに比べて小ぶりで葱に似た辛味や香味を持っています。旬は12月から4月頃まで。

火を通すと葱や玉ねぎ同様に辛味が和らぎ癖がなくなるため、天ぷらにすることもあるそうですが、生で食べることが多い食材です。

 

島らっきょうの塩漬けを作る

下処理編

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まずは島らっきょうの薄皮を剥きます。葱一族ということで、どこまで剥くか難しいところですが、ツルッと白い地肌が見えるまでとしておきましょう。
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土や汚れが付いているので水でよく洗い、葉の部分とひげ根を切り落とします。

一体どこまでが葉なのか、そして根のうちの切り落とすべきひげ根なのか・・・。

島らっきょうを仕込んでいると様々な疑問にぶつかりますね。

これを大らかに「そんなの大体でいいサァー!」と進めることが琉球イズムに近づく秘訣かもしれません。

 

天日干し編

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水気を拭き取ってからキッチンペーパーの上に取り、ここからは乾燥タイム。
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この日はちょうど晴れていて、空気もカラリと気持ちがいい。絶好の乾燥日和となりました。

風通しの良い場所に2時間ほど放置。

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乾燥が進むと島らっきょうの風味が風に乗って部屋に流れ込みます。

これは絶対に旨くなる、そんな確信が込み上げてきます。

ちなみに香りが強くなってきたというのは気のせいではなくて、ネギ科の植物の独特のツーンとした香りは「硫化アリル」という成分が由来しており、一定時間空気に触れることで硫化アリルの量が何十倍にも増幅するそうです。

また、乾燥させるもうひとつの理由が、島らっきょうは保管時に余計な水分があると痛みが早くなってしまうということが挙げられます。

天日干しにする合理的な理由があるのです。

 

熟成編

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十分に乾燥したら、ジップロックに投入。塩を振りかけ、軽く数十回揉み込みます。

塩の分量は、島らっきょう可食部の2パーセント程がいいと思います。後から塩を出すことは出来ても引くことは出来ないですからね。

ちなみにこのとき使った塩は、沖縄の「シママース」という商品。

別にこのためだけに用意したのではないですが、この前スーパーで見かけたときに珍しいと思って購入しました。

ザラザラとした粗塩で使い勝手がいいですね。

はて?この塩はどのスーパーで買ったんだっけ?

島らっきょうのスーパーだ!

やはりレアものを揃える優良店。仕入担当の方がそういう珍しい食材が好きなのかもしれませんね。

島らっきょうの表皮が乾燥しているので揉み込むことにどれだけの意味があるか考えてしまいますが、そこを考えないのが沖縄イズムへの近道です。
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あとは冷蔵庫で一晩寝かせるだけ。

 

実食

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日本酒と合わせていただきます!

本当は泡盛があるとよかったのですが、いかんせん酒屋でお酒を仕入れた後に島らっきょうと出会ったので、巡り合わせなかったのです。

日本酒は『上喜元』。

早速晩酌といたしまして、島らっきょうをかじってみると・・・

沖縄旅行の時に食べた島らっきょうだ!

沖縄で食べた島らっきょうは食感、塩味がちょうどよく、口に入れたときの独特の香りがあるもののスッと消えていくあと引くものでした。

東京に戻ってきてから島らっきょうが恋しくなって沖縄料理の店に行ったりもしましたが、「味はいいけど辛味が強く、翌日残るような強烈な匂い」というような印象で、ちょっと違うなと感じていたところです。

それがこんなに簡単に家で作れるとは。しっかり天日干ししたのがよかったのかもしれません。

サクサク…グイグイ…サクサク…グイグイ…。

日本酒とも合うじゃないか。途中で味変用に鰹節を用意していましたが、素の島らっきょうで十分すぎて、のんびりゆったりと琉球の風を楽しませていただきました。

 

まとめ

泡盛だけでなく、お酒のお供にぴったりな島らっきょうの塩漬け。心地いい食感と普通のらっきょうにはない野性味を楽しめますのでおすすめです。

島らっきょうを入手する機会は少ないかもしれませんが、こんなに簡単に本場沖縄の味を楽しむことができますので、ご紹介させていただきました。