未来のルカであるマズルカは、滅びゆく世界で完全体となったオオガラスとの最終決戦を控えていました。
しかし、現状の戦力で奴を倒すのは恐らく不可能であり、状況は絶望的。
そのような逆境の中でマズルカは過去の自分に向けて逆転の一打となる3つの魂を送り出すことに成功しました。
1つはネルド、もう1つは大賢者ヌッタマッタ、そして最後の1つが妖路歴程こと「レキテー」。
この作戦が成功したところでマズルカの住む世界が救われることはなく、救われる世界と救われない世界というパラレルワールドができるだけ。
分かっていても自分にできることはやり切りたい。そんなマズルカの強い思いの一助になるべく、レキテーは奮闘します。
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黄昏のテネス
オオガラスが待つ『黄昏のテネス』へ
ストーリーではルフラン市を能動的に散策することはできなかったが、街全体が迷宮になっているため、ここで初めてルフラン市の全容を知ることになる。
迷宮内は複雑に入り組んでいる。フィールドがそもそも広いというのもあるが、空間が歪んでいるということもあり、階段が2箇所の交互通行ではなく3箇所をループする構造になっているからだ。
通路の至る所で“強い思念”と“罪の心”が封印となり、通行できない場所がある。
なるほど、その思念を生み出している者を探し出して解放してやれば良いのか。
ペトローネの罪
ペトローネ領主代行を発見。顔が黒いモヤのようなもので隠されているのが不気味だ。
生前も富豪だったというペトローネ。何1つ不自由のない暮らしに思えたが、問題があった。
以前彼が漏らしていた通り、生前の罪は“妻殺し”。
人を本当に愛しきれないことが引き金になったそうだ。
12人の妻というのはあまりに多すぎるけれど、富豪のペトローネは引く手数多だったのだろう。
それだけに自分の財産に目が眩んで“愛”という夫婦の本質を見ていないことに悲観して、「こいつは違う」「この人こそは…!」と罪を重ねていったに違いない。
ペトローネの本質を理解し、愛してくれるのが1人の男だった。
それがクラウス。彼と爛れた関係を続けて自我を保っていたというわけか。
思念体の懺悔を聞き届けることでレキテーのカルマが一気に上限に達する。
カルマ値をチャラにしに戻ってもいいが、これから懺悔を聞き続けることになるだろうから、突き進むことにする。
フリッツの罪
次に出会ったのはフリッツの思念体。
フリッツは一緒に住むおじいちゃんに構ってもらえず、気を引くためにおじいちゃんの発作を抑える薬を隠した。
ほんの出来心だったのだが、おじいちゃんはそのまま苦しんで亡くなってしまう。
フリッツとしてはおじいちゃんに怒られたとしても、それすら嬉しかったのだろうけど、二度とおじいちゃんの声を聞くことはできなかった。
ペトローネに比べれば故意に欠ける突発的な事故のようなものなので、煉獄に囚われるほどではない気もするが、彼の罪の意識が異常に根深く色濃いものだったのかもしれない。
メイリィの罪
続いてメイリィ。
ストーリー中でもしきりに自分の外見にコンプレックスを抱いていると発言していた。
自分が幸せじゃないから、人の幸せを壊して引き摺り下ろす。
こうなってしまうと、彼女の周りの人間は彼女含めて不幸にしかならない。
この美しい娘というのは、ユリエッテのこと。
全然似てない。骨格から違う。でも、一度こうだと決めたら妄信的に突き進む思い込みの激しさは似ているかもしれない。
類稀なる美貌を持ったユリエッテは貴族に養子に貰われ、何の苦労もない生活が確約された。
やっぱり外見のいいやつは得をする。自分は見てくれが悪いから朝から夜まで労働の日々だ。
外見に対するコンプレックスは日に日に深まっていったのだろう。
ユリエッテの罪
そしてユリエッテ。
貴族に貰われて自分の価値が上がった錯覚から、働きもせずに遊び呆ける生活。そもそも働く必要もないしね。
ユリエッテは遠い地で真面目に働くメイリィを思い浮かべては心の平穏を保っていたらしい。
これはどう解釈すべきだろうか。
「一生懸命働いている人もいれば、私みたいに遊び呆ける人もいる。世の中バランス取れてんじゃーん!」
ということ?
ここまでだと罪という罪はしていないように思えるが、ドロニア様を暗殺しようとしたときのように気に入らない人間を資力にものを言わせて消していたのかもしれないな。
ニムトの罪
「ふひっ♪おじさん」ことニムト親方。この人の罪は深そうだ。
ニムトにとって賑やかな女性は恋愛の対象外。
いつまでも綺麗な容姿で物言わぬ静かな女性がいい。
その理想型が人形。
ニムトの考えは、人間も死んでしまえば人形と同じであり、彼は理想の人形を探して人体実験していたのだろう。
ちなみにフリッツは女性の好み以外においてはまともなニムト親方に構ってもらえて、生前の無念は晴らせているようだ。
クラウスの罪
最後はクラウス。
過去の罪を清算してやり直したかった。
回想でヴェルニアに暴行を働くシーンがあったが、調べれば余罪がいくらでも出てきそうだ。
かつてただのチンピラだったクラウスもルフラン市では始終優しげな笑みを浮かべた穏やかな執事になっていた。
あれが彼にとっての理想形だったんだな。そして、その姿を愛してくれたのはペトローネだったと。
バーバの長い長いお話
ルフラン市の人々の苦痛な叫びを聞きながらテネス最奥部に到着。
ここにはオオガラスの力を取り込んだバーバがいる。
倒すなら今しかないからね。
説明口調キター!
ルフランの迷宮が卵で、外界を繋ぐ“カラザ”の井戸。ルフラン市はオオガラスの動力源になる罪人の魂がさまよう餌場な訳だ。
オオガラスは概念・・・?
マナが薄くなった現代において強力な力を持つ魔女の存在は稀少。
稀代の魔女はイサラだった。
イサラをオオガラスの媒体にしたかったが、彼女はあまりに病弱すぎた。
彼女に子を産ませて強大な魔力を受け継がせ、その身体をバーバが乗っ取った上でオオガラスの媒介にするという算段だったようだ。
ルカは元気一杯に育っているが、旦那をあの病弱なへっぽこ貴族にしたのはどういう考えだったのだろう。
マイナスかけるマイナスでプラスを狙ったのかな?何れにしても大博打だ。
おばあちゃんは何でも教えてくれる。
妖路歴程は言い伝えではルフランの迷宮から唯一生還した男が七晩寝ずに書き上げたもの、ということになっていた。
ここで明かされる真実。妖路歴程を書いたのはバーバだったのだ。
一体何のために?
バーバ、いやフルーラはもともと別の世界の住民だった。
わかりやすく言えば、今にも崩壊しそうなマズルカのいる世界から、今この幼体オオガラスがいる世界に来たというイメージか。
生き物じゃないから殺すこともできない。宿主を見つけて死なずに存在続けるオオガラス。
確かに。こんなにまどろっこしいことをしなくてもすぐに世界を支配できたろうに。
バーバ師匠も実はドジっ子なんですかね。
フェーヌムのミノムシ公と妖精王のことだね。
忌々しい賢者、ヌッタマッタだ。カンパニュラで大魔女と死闘を繰り広げたという賢者。
あのおっさん、そんなに凄い人だったのか。
鍵を隠してオオガラスの器になるべき媒体が現れるまで機会を伺っていたということか。
世界を巡り、その過程を記す。妖路歴程こそ“鍵”であり“地図”。
本来関係の無い世界が捻れてくっついて、それが住民たちの人格にも少なからず影響を与えたことだろう。
ヌッタマッタと戦っていたのはフルーラ。
何もこんな老いぼれの体を選ばなくても良かったんじゃないの?
なるほど、それでも最良の選択をしたつもりが次の宿主に移る力を蓄えることができなかったのだ。
世界樹の一族・・・。
世界樹の迷宮の新作、お待ちしております。
次回、最終決戦!
まとめ
ルフランの地下迷宮が果たす役割、ルフラン市の人々が煉獄にとらわれ続ける意味、レキテーが生まれた経緯。
今まで確たる情報がなくもやもやしていた視界が段階的に開き、全てが繋がっていく。
幼体のオオガラスを止めても未来のルカを助けることができないとわかっていても、バーバの計画を黙ってみているわけにはいかない。
待ってろよ、バーバ・オオガラス。
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