試行錯誤を繰り返し、激戦の末にバーバ・オオガラスに打ち勝った人形兵一行。
魂移しという奥の手を使っていないというのはありますが、レベルカンスト間際まで鍛えても苦戦するという正統派ボスには正直ワクワクしました。
↓前回の記事はこちらから。
長い長い旅もこれで一旦終わりです。プレイ日記を最初からお付き合いしていただいた方も、途中から読んでるよという方も、これが初めてだよという方にもエンドロールの感動をお届けしたいと思います。
お前が馬鹿にした斬撃に散れ
バーバが肉体を変えて時代を渡り歩いてきたことを考えると、「死=肉体と魂の分離」なのかと思えてくる。
人は生まれてから心臓が脈動する回数が決まっているというし、人間の肉体など長くても100年ほどしか持たない。
翻って、魂は年老いることはあっても単体で朽ちゆくものではなく、不可分一体であった肉体と分離することで死んでしまうのかな、と。
だからこそバーバは生き続けたのだが、やはり宿主を何回も変えるというのは魂に対する影響も甚大で、旅を始めた頃の「フーラ」と現在の「バーバ」では人格も旅の目的も違うのだろう。
バーバが生き延びるには強大な魔力を持つ人物に乗り移るしかない。
この斬撃は・・・。
ネルドくん!
君、いつもベストタイミングで登場するね。だけど、道中で何回も助けられているからここは華を持たせてあげよう。
生に執着した憐れなバーバ。さようなら。
もう自分が捨てたものが何だったのか、そして自分が何者だったのかも分かっていないのかもしれない。
ここにあるのが本物の3本の鍵か。こんなものあってはいけなかったんだ。
お前を信じる俺を信じろ理論か。
未だかつて誰も成し遂げたことのない試練
ルカが迎えに来ましたよ、ドロニア様。
ルカが迎えに来ましたよ。
なんだろう、この言葉を聞くためにこのゲームを進めていたような不思議な感覚。
ルカが迎えに来なくちゃ意味がないんだ。だってルカはあの大魔女ドロニア様の一番弟子なんだから。
自分の後ばかり追いかけていたルカがこんなにも立派になって、地獄の底にいる自分に手を差し伸べてくれる。
さぁさぁ、こんな辛気臭いところからはすぐに脱出してしまおう。
ルカがドロニア様を先導して階段を登ろうとすると、
いつものドロニア様だ。師匠である自分が先に行くのが当然だろう。調子に乗るなルカ。
この掛け合いが懐かしいなぁ。
この言葉を覚えておいてほしい。
お前が階段から転げ落ちる幻聴が聞こえても、絶対に振り向かないからな。死ぬなら1人で死ね、と。
いやー、ドロニア様にとってルカは・・・(ニヤニヤ)。
そんな幻聴、一番キツイやつですやん。
この階段を登りきることができれば、死者は再び生を受けることができる。
しかし、未だかつて階段を登りきった死者は存在せず、ドロニア様が人間に戻れる可能性は極めて低いどころか期待するだけ酷というものだ。
でもね、大事な大事なルカが迎えに来てくれたんだもの。行かないわけにはいかないよね。
覚悟の背中
弟子ひとり、師匠ひとり
ここで影絵風のエンディングロールが流れ始める。
ゲーム開始直後のプロローグと対応する形で演出されるのがニクイ。BGMと相まって達成感と喪失感とラストに向けての期待と走馬灯のように巡る思い出が入り乱れて、なんとも言えない感動を覚える。
しきりにルカを心配するドロニア様。
杖をつきながら一歩一歩階段を踏みしめる大きな影と、それを見守る小さな影。
ルカを見守る3つの愛
ワタシにはちっとも似ていない“らしい”ワタシの子だ。
この頃既にイサラの視力は完全に失われ、自分の子供の顔すら見ることができない。
このイタズラっぽい笑い方がイサラらしい。
バーバが支配するルーラー魔法学校以外の場所でこの2人が出会っていたら、人並みの幸せを手に入れながらずっと手を取り合っていくんだろうな。
ヴェルニアおばちゃんは概念。
自分の信念を曲げず、突き進むツンデレ魔女は勇者様でもあったようだ。
境遇や運命に立ち向かう勇気を持っているのはイサラだけじゃない。ヴェルニアもだよ。
現状を克服しろとイサラ。
おうおう、煽る煽る。
イサラは自分がここから出られないことを何となく悟っていたのだろう。
そして仮に抜け出せたとしても、自由を噛みしめる時間がそれほど残されていないことも・・・。
死ぬ瞬間に誰を思い浮かべるか。
人生の集大成で、「ああ、この人が自分の人生に一番寄り添ってくれていたのか」と気づかされる。
理屈じゃない、心がそう決めている。
イサラは自分が死ぬときは大好きな白薔薇に囲まれていたいと言う。
確かにその願いは叶ったけど、もっとたくさん思い出を作りたかったよ。
あかん・・・、あかんて・・・。
重ねた日々が残した信頼
階段を登り切った者がいないのは、階段の下に残された亡霊たちがあの手この手で裏切り者を引き込もうとするから。
生半可な精神力ではその力に抗えず、後ろを振り返ってしまう。
しかし、ドロニア様には背中を任せられるルカがいる。
大丈夫。大丈夫だよドロニア様。
フルネラを作り出したのはルカ。魂の魔女の血は確かに娘に引き継がれているよ、イサラ。
ちゃんと大きくなってたよ(親戚のおじさん感)。
かなり尊敬する人物の影響を受けていたみたいだけどね。
メディニラ7のイサラ3くらいかな。
メディニラが出て来た頃は、彼が政略結婚のためにイサラを縛り付けた張本人であり、ドロニア様も敵視していた。
でも、彼はしっかり夫として、そして父としての務めを果たしているじゃないか。
死ぬのが怖いと自分の弱さを曝け出してヴェルニアにルカのことをお願いしますと懇願したメディニラ。記憶を失って転生してまでルカのそばに寄り添いたいと願ったメディニラ。
イサラに会いたいのはヴェルニアも同じ。しかし、会ってしまうとお互い不幸になるかもしれない。この世にバーバがいる限り、その願いは叶えられないだろう。
あなたはいつも反対のことを言う
病弱な父と母はルカを遺して逝ってしまった。
政略結婚の間に生まれたルカがここまで真っ直ぐ育ったのは、しっかりとした愛情を受けたからだろう。
メディニラの株があがるんだよなぁ。
誰にも知られていないイサラとの思い出の場所に連れて来たということは、ドロニア様の中で意思が固まったということだろう。
大嫌いは大好きの裏返し。
素直になれずに周りから誤解されがちだけど、定められた過酷な運命や逆境にも負けない強い女性。ルカの自慢のヴェルニアおばちゃんだ。
幻聴や幻覚とわかっていても、背中が燃えたり獣が覆いかぶさったり、大事な人が後ろから助けを求めていたら振り返りたくもなるだろう。
ドロニア様の精神力凄すぎる・・・。
ヴェルニアがドロニア様として転生する瞬間だ。
死んだ魂を現世に留めて新たな生を歩ませるというのは自然の理に反している。それ相応のペナルティはある。
ヴェルニア時代の記憶は消え、ここからがドロニア様としての始まりだ。
記憶を失ったヴェルニアはルカのことがわからない様子。
ルカが名付け親だったんだね。
こんなの辛すぎるよ・・・。
ルカの中ではヴェルニアを事故で亡くしてしまったことに対する懺悔の気持ちは強かったのだろうが、母イサラとのルカの勇者様であるヴェルニアと純粋に一緒に過ごしたいという気持ちが優っていることが伺われる。
ここ、バーバの入れ知恵。ここのババアは悪いババア。
光
ルカ、そしてドロニア様が描いた夢
終わりの見えなかった階段にも光が差し込む。
もう少しで、ドロニア様は生き返る・・・!!
ここ、謎ボイス。
誰も成し遂げたことのない偉業を達成し、これからルカと穏やかな暮らしが待っている、と思いきや突如後ろを振り返るドロニア様。
生き返るとヴェルニア時代の記憶が蘇り、そこから続きの人生が始まるはず。
一方で人形になってからの記憶は失われてしまう。そう、ルカと家族になった瞬間からの記憶が。
これはルカもわかっていたんだろうね。でも、どのような形であれルカは大好きなおばちゃんと一緒にいたい。
ドロニア様も死者が再び生を得ることは間違いだと分かっている。イサラの件で目が覚めたのだろう。
ルカだって辛かったよね。旅の行く末がどこになろうと、ヴェルニアおばちゃんの記憶とドロニア様の記憶が重なることはないんだ。
ドロニア様はいつも天邪鬼で、思ってもいないことを言うんだもの。
偽らざる本当の言葉
「ありがとう、ルカ。お前は、私の大切な家族だ。」
偽りのない言葉が溢れ出してくる。
ここでドロニア様の目が夕闇色に染まっているのは、ルカに瞳術をかけたから。
死んだ人間は生き返らない。死者を思い出し、悼むことはできるけれど、決してそれを取り戻そうなどと考えてはならない。
振り返らず前を見て進めルカ、いや、魂の魔女マズルカ。
ドロニア様の瞳術は相手の真名を知らないとかけることができない。
たぶんドロニア様がルカの真名を口に出したのはこれが初めてなのだろう。
後悔はない。お前の娘に全て託したからな。
ドロニア様と最後のお別れをして地上に戻るルカとレキテー。
バーバを打ち滅ぼしたことでレキテーの魔力は失われ、鍵を集めるという理由も失われた。
バラバラに霧散していくレキテー。今までお疲れ様。
あ!レキテー=プレイヤーか。
お疲れ、自分。そしてこのプレイ日記にお付き合い頂いた全ての方にありがとう。
前の記事でも書いた通り、こちらがノーマルエンドで、実はもう1つトゥルーエンドが残っています。
もう少しだけ続くんじゃ!
ドロニア様との別れは悲しいけど、ルカはこれで未来に生きられるね。
しっかりドロニアスマイルを受け継いで。
本当に本当に素晴らしいゲームをありがとう。
まとめ
丁寧に散りばめた伏線を、それを上回る丁寧な手つきで回収していく様が見事だった。
記憶に残り、心に刻まれる作品。ほんの気まぐれで始めたゲームだけど、出会えてよかった。
恐らくプレイ日記を精読していただいている方は既プレイなのだと思うが、未プレイの方にも是非是非オススメしたい。
繰り返すけれど、もう少しだけルフランは続くんじゃ。
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