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自分でつくるプレミアムフライデー9月号(2019)【市川・手打ち蕎麦 安田】

タイトルに「(2019)」と追加したように、『自分でつくるプレミアムフライデー』シリーズもとうとう1周年を迎えることができました。

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↑2018年版はこちらから。

ここで今一度『自分でつくるプレミアムフライデー』の趣旨をまとめておきますと、

「世間的には完全に忘れ去られた失策・プレミアムフライデーを、いつも通りの時間に仕事を終えつつも、ちょっぴり贅沢だったり、以前から気になっていたお店を訪問して好き勝手に食べて飲む自由な時間を楽しもう」

というものです。

美味しい食べ物は精神を健全にしますし、月一と限定するからお店を厳選するし特別感も出るので個人的にはおすすめのイベントだと思います。

さて、1周年を迎えた今回は敢えて都内から少しだけ出まして、千葉県の市川にある蕎麦屋『手打ち蕎麦 安田』で美味しい料理に舌鼓を打ってきましたので、その様子をお伝えします。

『手打ち蕎麦 安田』

蕎麦前するのに不足なし!

JR市川駅の南口を出て徒歩三分ほど。なんとも趣深い構えのお店である。

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そうかそうか、「カラテだよ!全員集合」なのか。
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今回は「蕎麦屋飲み」なので一品料理のラインナップが豪華なのは非常に好感触。
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お店に入ると、6人掛けのカウンターとテーブル席で合わせて14人分。こじんまりとした作りで、調理スペースも2,3人で回すのにちょうどいい広さであった。

 

金曜日の蕎麦前

まずは日本酒から

さて、まずは飲み物を注文しよう。いつもならば瓶ビールからの導入になるが、蕎麦屋ではやはり日本酒を飲みたいもの。

このお店は❝地産地消❞を経営方針に掲げており、千葉県内の食材を使った料理が多いようだ。8種類の千葉県に地酒が強い意志を感じさせる。

どれにするか少し迷ったが、九十九里町の『梅一輪』をいただこうか。
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天ぷらは必須として、さっぱり部門として豆腐のサラダ、がっつり肉部門からは燻り鴨、蕎麦前の定番板わさをとりあえず注文しよう。

「そば屋のお好み焼き」も気になるところだが、メインの蕎麦を食べる前にお腹が膨れてしまいそうなので、今回はスルー。やはりそば粉を使っているのだろうか。

蕎麦がきもいいなぁ。美味しい蕎麦がきはもっちもちでいくらでも食べられそうな気がしてくる。
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じりじりと焼き付けるような暑さは終わったものの、まだまだ気温30度近くの日が続きそうな9月末。

ビールでも熱燗でもなく、冷酒が美味しく飲める時期を楽しんでおこう。なみなみと注がれた透明な徳利が眩しい。

『梅一輪』の飲み口は非常にすきっとしており、口に残るは微かな酸味と旨味。味の強くない淡白な料理と相性がよさそうだ。

 

豆腐サラダ

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豆腐サラダはまさに好相性。この豆腐も普段食べるようなものと違って、若干ねっとりしっとりした豆を感じさせる口当たり。

胡麻のドレッシングでたっぷりの野菜と豆腐。お酒を飲む罪悪感が一発で昇華していくような健康メニューである。

 

天ぷら盛り合わせ

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おおー、天ぷらが来た。綺麗に盛り付けられて、和食の良さを感じずにはいられない。

左に添えられているのは一瞬茗荷に見えたが、よく見るとネギだ。ネギ単体の天ぷらは初めて食べるかもしれない。

サクッとした衣のゾーンを抜けると、とろっと甘い自然の妙技。

ちなみに右上に映っているように、天ぷらは抹茶塩と共に供されたのだが、この繊細な甘みを存分に味わうのはこの選択がベストなのだろう。

もちろん他の季節の野菜たちも甘く溌溂さに富んでいて、天ぷらの王様・海老の堂々たる存在感や食べ応えは代替が効かないものと感じさせる。

 

鴨の燻し

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『鴨の燻し』も到着。

思ったよりもスモーキーな印象を受けず、厚みがあってボリューム感のある鴨肉をもきゅもきゅと噛みしめれば野生の旨味が染み出してくる。

適度な塩味とレモンの清涼。どんな種類のアルコールにも親和しそうな万能選手である。

 

板わさ

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ここで追加するは、定番の板わさ。なるほど、ワサビ漬けなのですな。

昔は「ただ蒲鉾を切っただけでしょ」と無粋かつ青臭い考えで敬遠していたものの、こういった誤魔化しの効かないメニューは素材に自信がなければ出せないし、気を抜いたらすぐに見透かされてしまう覚悟の料理だと気づいてからは尊ささえ感じざるを得ない。

パツン、と小気味よく噛み切られ、すり身のまろやかで広がりのある味がちょうど良い箸休めになり、さらなる食欲を刺激する。

 

もつ煮

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そして、もう一品追加したのは『もつ煮』。

味噌でこってり煮込んだものではなく、塩味の方か。昔はもつ独特の癖や触感が苦手だったが、本当に美味しいもつ煮に出会ってからは抵抗がなくなった。

そういう意味でも勉強として一度❝本物❞に触れてみるのは大事なのだろう。
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とろとろに煮込まれたもつとしっかり出汁を吸い込んだ根菜。余分なものなんて一つもなくて、それぞれがお互いを引き立て合って見事に調和している。

上品な塩味がホッとさせる。

ちなみに梅一輪を飲み終えたので、黒糖焼酎『朝日30度』を追加してみた。

聞き覚えがある銘柄だ。沖縄でこの酒造の泡盛を飲んだ気がするな。

普段焼酎を飲むときはもっぱら芋か麦なので黒糖を飲むのはずいぶん久しぶりだ。

やはりコクと重厚感がそれらと段違いである。「お酒は料理と合わせて飲むもの」と個人的には考えているのだが、焼酎に関してはつまみなしにゆっくりゆっくり飲むのもありかなと最近思い始めている。

 

もり蕎麦

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〆のもり蕎麦。

エッジの利いたツルツルでもっちり甘みの強い蕎麦である。香りは抑えめ。甘くて細身の蕎麦を飲んだ後に啜るのは至高の喜びだ。

 

まとめ

1周年を飾るに相応しい素敵なお店に今回も出会えた。というか、このシリーズで外れた試しがないのが誇らしく、探訪を続けて更なる名店探しの旅に出かけようと思う。

寿司、お好み焼き、カレー、イタリアン、鰻に焼き肉に蕎麦、中国料理、スペイン料理・・・。次は純和食とかいいかもしれない。

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↑前回8月号はこちらから。