↓前回の記事の続きになります。
前編で根津神社を紹介したので、後編は周辺散策が中心になります。面白いスポットも探したい一方で、確実にエンプティに迫るお腹。
このギリギリの攻防をお届けしたいと思います(大袈裟)。
昼食を求めて彷徨う
しばらく住宅街を進んでいく。こういう人々の生活が息づいている場所に面白いものがあったりするのが散歩の醍醐味だ。
蓬莱は何度でも蘇る
大きな道路に出て、なにやら各敷高そうなお寺を見つけたので参拝しておく。
新しい観音堂だと思ったが、一度空襲で焼失していたものを再建したそうだ。そして、観音堂と運命を共にした梅の古木も同時に再現したとのこと。
「蓬莱梅」。古来中国で不老不死の仙人が住んでいたという伝説上の山・蓬莱山にあやかってつけたといわれる駒込の旧町名❝蓬莱町❞に咲く梅だから蓬莱梅。
あと数カ月もしたら満開の梅が見られるのだろう。
悔いの残るどら焼き屋
ずいずい歩いていくと、どら焼き屋さんを発見。
下町で愛される手作りのこだわり 菓子工房 福どら / WEB店
↑あとでホームページを見てみたら、どら焼きに並々ならぬ拘りを持っているお店のようで、お土産に買ってこなかったことを後悔している。
どれも美味しそうだけど、気になるのは「うめ抹茶」と「はっさく生どら」かなぁ。
こういう焼き印は贈答品に喜ばれるやつだ。
❝寿❞には伸びて長生きする餅を入れたくなるけど、田舎で一人暮らししてるおじいちゃんおばあちゃんに贈るのはいかんぞ。
団子もあるのか。何故寄らなかった・・・。
近くに公園反応
大きな道から一本横に入ってみる。
・・・!
この感じ。わかる、近くに公園がある気がする。
あるよねー。わかるよー。公園マイスターだもの。
住宅街になんとか公園を作ってみましたという心意気は素敵だが、中央部のブロックは子供が遊ぶにしては危ないし、手狭に感じてしまう一つの要因になっている気がする。
石畳と地面の部分の段差があるのも気になるな。
大通りに戻ってくる。根津神社のイチョウは紅葉していたけれど、街路樹はまだ青々と茂っている。緑のアーチがある歩道っていいよね。
時刻は一時過ぎ。そうだ、昼食を食べるところを探しにこっちに歩いてきたんだった。
快晴で日差しは温かいけれど、風は冷たい12月初旬。何か温かいものが食べたい。
辿り着く理想郷
老舗の店構えと気になるメニュー
老舗っぽい蕎麦屋さんがあったので、ここでお昼にしよう。
鯨うどんとは珍しい。白エビのかき揚げ天ざるは絶対旨い。辛口カレー蕎麦も捨てがたいし、すだち蕎麦・にゅうめんも外すことはないだろう。蛤うどんに蜆蕎麦、冷えた体に染み渡りそうだ。
ちなみにこの6種のどれかを注文するので、ここで予告しておく。
引きで撮ってみた。夜は居酒屋もやっているんだな。
店内は入ってすぐの掘りごたつに12,3人は座れそうで、奥には4人のテーブルが2つ。詰めればもっと座れそうだ。
夜の居酒屋メニューが壁一面に貼られていて壮観だったので是非写真に残したかったが、昼のピークを過ぎて客は僕一人。店員さんのおじさんとおばさんにガン見されていたので、写真は控えめである。
今日の昼食は世にも珍しい『鯨うどん』
表の貼り紙を見て、瞬時に心を決めていた。『鯨うどん』。鯨を食べる機会自体が少ないが、鯨うどんは初めてである。
上に載っているのは水菜とえのきと鯨と柚子だ。鯨は黒い輪郭に半透明の肉がついている。
つゆを啜って感じるのは、鯨の甘みと脂、そして海の動物を感じさせる野性味。鴨南蛮蕎麦を食べているときのように、つゆの表面に脂の皮膜ができて熱が密封されているのが分かる。
鯨の身はコリコリサクサクしていて、それでいてじわっと味が染み出る独特の食感だ。うどんのふわふわに野菜と鯨のサクサク感がなんともいい塩梅である。
柚子とすだちが脂を浄化して最後までくどさを感じさせず、熱々のまま完食。
寄り道しつつ神田方面へ
東大で紅葉狩りはいかが
いつのまにか本郷の方まで歩いてきたので、東大に寄っていこう。根津神社からぐるっと反時計回りに回ってきたわけだ。
キャンパス内は観光客でいっぱい。来るものを拒まない(入試はその限りではないけど)懐の深さを感じさせる。
根津神社に負けないくらいのイチョウが見事だった。
期待、からの
そのまま湯島方面に歩みを進める。せっかくだから東京十社のひとつ『神田神社』も参拝してしまおうという考えだ。
と、気になる建物発見。
おりがみ会館。これはいいものだ。
そうそう、こういうところにふらっと寄れるのも散歩の醍醐m・・・
☆休・館・日☆
はい、また日を改めて来ます。
神田神社
神田神社の裏参道。
なかなか急な階段を登っていく。
本当にこの先に神社があるのか不安になる。いや、あるんだけど。
オフィス街に溶け込む貫禄のある本殿。30人くらい参拝待ちしているようだ。
大黒天の後ろに『文化交流館』という出来たばかりの立派な建物があり、地下にはショーや講演を行う「文化の間」「演武の間」、1階神札所や昇殿参拝受付や土産物販売スペース、喫茶スペースがある。2階、3階は多目的ホールになっていて、屋上は庭園だそうだ。
活気があるのはいいけど、溢れかえるビジネス臭があまり得意じゃないなぁ。
心がぴょんぴょんしそうなコラボもしているのか。
神社がテーマパーク化して華美なものに人が集まる反面、神様が端っこに追いやられている印象も受ける。
実は1階で御朱印をいただこうと思ったのだが、受付で「書置きしかないですけど・・・」と言われて萎えてしまったので、「あ、やっぱり大丈夫です・・・」と諦めた。
世知辛い世の中、神社と言えどビジネスとは切り離せない関係にはあるけれど、❝効率❞を超えたところに意味とか価値があるんだと思うんだよね。
そういうものと割り切ってまた来ることになるんだろうな。
神田のイメージの転換期
お茶の水付近まで歩いてきたので、達磨でたい焼きを買って帰ることにしよう。
自分の中で神田=達磨くらいのイメージでいるのだが、実際にここでたい焼きを買うのは数年ぶり。
当時メニューになかったか見逃していた「かりんとう饅頭」が気になる。
と、まさに王道のつぶあんたい焼きを買うことにしよう。
ニューヨーカースタイル。
たい焼き特有のあまーい香りに包まれながら、表面パリパリ中もっちりの皮のさらに内側のあんこの優しい甘みを味わう。
さて、新御茶ノ水駅から帰ることにするか。
ちなみに帰宅後、かりんとう饅頭を食べてみた。上が芋あんで下がつぶあん。
表面はカリッと揚げられ、中はしっとりしている。油とあんこが妙にマッチして、たい焼きとは違った味わい。
持ち帰ってきたのですっかり冷え切ってしまっているが、先ほど食べた熱々のたい焼きを軽く凌駕する旨さ。これは大発明だ。
神田=達磨のたい焼きが、神田=達磨のかりんとう饅頭になった瞬間である。
まとめ
谷根千を主にめぐるつもりがかなり広域にわたって歩いたようだ。
歴史、文化、最先端のニーズを取り入れつつ融和させている複合的な地域は非常に魅力的で、散歩をしていて退屈なところがなかった。
さらに探索を重ねて、谷根千の魅力を深く掘り下げてみたい。