変わらないもの
奥華子さん的なタイトルから始まりました。
早速ネタバレします。今回の主題は『カップヌードル』です。繰り返します。『カップヌードル』です。
『時をかける少女』は好きな作品のひとつです。背景監督をされている山本二三氏の画展に行くくらいに思い入れがあります。
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普段あまりDVDだとかBlu-rayを買うことは少ないのですが、お気に入りの作品は手元に置いておきたくなりますね。
初夏とカップヌードル
7月15日(日)晴れ。外気およそ30度。時計の針は8時30分を指している。朝から冷房を全開にし、僕は戸棚の奥で見つけたカップヌードルを啜っていた。
普段あまりカップラーメンを口にすることはない。でも、カップヌードルを無性に食べたくなった。こんなに暑い日の。しかも早朝に。
不思議なものだ。最近のカップラーメンは昔に比べて格段に美味しくなったが、ここ数年でカップラーメンを食べたのは数えるほどであるし、その内訳を考えれば、カップヌードル5割、どん兵衛3割、麺職人1割、その他1割程度であると思われる。
定期的に無性に食べたくなる。それがカップヌードルだ。そして、次点のどん兵衛。買い置きをしているのも大体カップヌードルとどん兵衛だ。
僕がまだ小学生低学年の頃。
僕の生まれた海沿いの小さな町は、コンビニが2軒、書店が1軒、スーパーが2軒というようなド田舎だ。
電車は一時間に1本だし、夜9時を回るころには辺りは真っ暗だ。
カラオケもゲームセンターもない。欲しいゲームがあって町唯一のおもちゃ屋で予約しても発売日には手に入れられないため、隣の大きな町まで買いに行く。
隣町へ買い出しに行ったときに食べられるマクドナルドのハンバーガーが妙に輝かしく思えた。
反面、土地はダダ余りしているため、町営の大きな運動場、グラウンド・プールは整備されていて、町民の憩いの場になっていた。
夏は友達と一緒にプールで遊ぶのが日課になっていたが、家からその運動施設に行くには山を登っていかなければならず(道路はなんとか通っているため自転車だ)、プールにつく頃には汗だく。シャワーを浴びてプールで何時間も遊んだものだった。
運動すれば小腹が空く。泳いだ後は体も重くだるい。
そんな時にいつも休憩する場所は決まっていて、そこにはカップラーメンの自動販売機が設置されている。お湯が出てくるタイプの自動販売機だ。
↑こんな感じ。商品は潔く、カップヌードルとどん兵衛。以上。
プールで冷え切って疲れ切った体に染み込む旨さ。細胞一つ一つが充足されていくような温かさ。
汗だくで来たばかりの時は見向きむせず、隣のコカ・コーラの自販機に飛びついていたのに、今この瞬間は神である。日神である。
日神のカップヌードルは今日も僕の胃袋を満たしてくれる。フライ麺が食感で生麺に勝つのは難しいし、ケミカルでジャンクな味は隠しようがない。
謎肉と謎海老と謎卵のレギュラー陣は安息の地をここに見出し、不動の地位を築いているが、所詮は謎の一派だ。
でも、どんなに行列のできるラーメン屋にも出せない魅力があるのだ。言葉にするのは難しく、これを回答することができれば世界の真理に近づける気がする。いや、きっとそうだ。
これほど贔屓にしてしまうのは、あの頃の恩義が今も染みついているのだろうか。
でも、それだけじゃないな。数十年変わらず美味しいものを提供し続けてきた企業努力が、今も僕の心を離さない理由だろう。