うたかたラジオ

扱う記事は、日々の雑多な記録や書籍の紹介、ゲームの感想等の趣味に関するものが多くなると思います。お暇なときに、ふと思い出して読んだいただけるようなブログを目指しています。

【冷凍食品のススメ・加ト吉の日本そば】茹でない蕎麦は蕎麦なのか?

最近の冷凍食品は軒並みレベルが高いですね。冷凍食品のみならず、コンビニ弁当、カップラーメン、インスタントカレー等々は飲食店で食べるのとさほど遜色ないところまで進化しています。

ひと昔前なら『なんだ、冷凍食品か』『まぁコンビニ弁当でも仕方ないか』とマイナスイメージで捉えられていた食品がまさかの成り上がり。

今日はその中から冒頭に挙げた冷凍食品、さらに限定して『加ト吉の冷凍麺』にスポットを当ててみようと思います。

 

 

今から十数年前だろうか、『おそく起きた朝は...』というトークバラエティ番組があった。その後『おそく起きた昼は...』、『早く起きた朝は...』と番組名と放送時間帯を変え、現在も放映中とのこと。

 

おそく起きた朝は…:毎週日曜9:30 - 10:00(1994年4月3日 - 2003年3月30日)
おそく起きた昼は…:毎週日曜13:30 - 14:00(2003年4月6日 - 2005年3月27日)
はやく起きた朝は…:毎週日曜6:30 - 7:00(2005年4月3日 - )

 

来年の春で25年という長寿番組である。軽快なぶっちゃけトークが売りであり、よく視聴者を飽きさせずに続いているものと思う。

さて、前置きが長くなりそうなのでこの辺で方向修正すると、冷凍食品がその真価を発揮するのは「心身が疲労しているとき」や「ただただ面倒臭い」ときである。

つまり『おそく帰った夜は...』冷凍食品の出番なのである。

 

そんな遅く帰った今宵の夕御飯は冷凍食品にしよう。遂にあの冷凍食品に手を着けるときが来たのだ。ふらっと寄ったスーパーの冷凍食品コーナーにひっそりと佇むひとつの影。

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(出典:テーブルマーク株式会社)

『日本そば』、こんな商品があったなんて・・・。

「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」と表現されたりするが、こんなに狭い日本でも知らないことは沢山あるのだ。テーブルマークの日本そばが大切なことを教えてくれた。ありがとう、テーブルマーク。ありがとう、日本そば。

加ト吉といえばテーブルマーク、テーブルマークといえば冷凍うどん。うどん一筋かと思いきや、蕎麦にも裾野を広げていたのだ。抜け目ない。抜け目ないね、君は。たこ焼きだって美味しいんだから。

#578725 カトキチ 冷凍 さぬきうどん 200g×10袋入り

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↑ちなみに下手なうどん屋のうどんより美味しいと思う。

 

ハッ!うどんとたこ焼きが美味しいからって、蕎麦が美味しいとは限らんぞ。テーブルマークは小麦粉に滅法強い反面、蕎麦粉の素人かもしれんぞ。既知のバイアスに騙されるところだった。

 

自己との決着をつけるために採り得る最良かつ実践的な手法、実食である。

外袋を開けて包みの一つを取り出してみる。

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可もなく不可もない見た目である。早速茹でてみる。時間は1分。レシピ通りに茹でてこそフェアというものだ。

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茹で上がりはこんな感じ。ツルツルしっとりして、見るからに美味しそうだ。

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あえてネギは散らさずに、月見かけ蕎麦にしてみる。一味がポイントだ。

突然だが、一味に対してこの場を借りて謝罪したいことがある。これまでそこそこな年齢を重ねて来たが、一味を七味の下位互換だと思っていたのだ。

「一味は唐辛子しか入っていないけれど、七味には陳皮や山椒、胡麻などがミックスされている。一味よ、なんという手抜き。なんという傲慢なのだ。唐辛子は七味にも入っているんだぞ。」と。

あの頃の自分を殴ってやりたい。一味の潔さ、覚悟に僕は気づいていなかった。ひたすらに唐辛子を追求し続けた一味の生き様を笑うなんて誰ができよう。

うどんには一味だろう。蕎麦にも一味だろう。なんなら親子丼も牛丼も焼きとんも一味だろう。七味に比べて食材本来の味がずっと引き立つぞ。

すまない。すまない、一味。君を誤解していたよ。真実一路、唐辛子一本で頑張って来た君を、僕は・・・、僕は・・・。

 

一味「私は、香辛料に勝ち負けはない...と思うよ!私に得意分野があるように、七味さんにも得意分野があるの。だから、七味さんを貶めるのはやめてほしいの。みんな、料理を素敵に彩る香辛料だもん!」

 

一味ちゃん、君ってやつは。そうだね、いつぞやの殴ってやりたい僕に、また懲りもせずになってしまうところだった。一味も七味もそれぞれ良さがあって、君たちを必要としている料理、そして人がいる。わかった!一味最高!七味も最高!

 

優しみ。優しみである。こうして世界の至る所に花が咲き、小鳥が囀り、愛らしい蝶が舞う理想郷になればいい。

 

この一杯のかけ蕎麦は、誓いのかけ蕎麦。もはやテーブルマークがどうのこうのはどうでもいいのである。いやいやいや、そうもいくまい。

 

茹で上がった蕎麦はつるりとした喉越しと程よいエッジ感、食べていて非常に心地がいい。冷凍うどんほどではないが、パツッとした歯応えが口に嬉しく、次々に啜りたくなる訴求力がある。蕎麦の中心まで瑞々しく、冷凍食品でこの味が楽しめるのならば、わざわざ外食しなくてもいいだろう。

 

流石のテーブルマークであった。あなたは冷凍蕎麦も一流だ。

 

さてさて、蕎麦一杯ではお腹いっぱいにならないな。ちょっと軽くつまめるものを作るか。

 

ん?

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茹でない蕎麦・・・だと・・・。一陣の風が吹き抜けるのを感じた。可能性の塊に直面したのだ。

レンジで3分10秒。この10秒はこだわりの10秒だ。全身全霊をかけて死守しなければ申し訳が立たない。

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へい、お待ち。

なんだか少し元気がないような。やはり蕎麦を茹でないというのは物理法則に反することなのか。テーブルマークさん、あなたの思いはやはり・・・。

 

この鼻腔をくすぐる蕎麦の香りは!?

 

やったと思ったとき、僕はやられていたのだ。可能性という名の弾丸に。探究心という空刃に。

 

不味いはずがない。早急に麺つゆを!卵準備よーし!一味軍、応援頼む!

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蕎麦と水分の出会い。蒸しあげられた野生も、やはり蕎麦なのだ。居場所をここに見つけたり。心なしか千と千尋の神隠しに出てくる『お腐れ様』の「よきかなぁ〜」という声が聴こえてくる。

早速食べてみる。あぁ、やってくれる。茹で上げたものよりももちもちで際立つエッジが蕎麦の存在感をこれでもかと押し上げてくる。麺を噛み切った瞬間の香りの立ち方は茹での比ではない。もちっプツッふわっ。多重的な五感への働きかけ。

茹でない蕎麦。有り寄りの有りである。冷静と情熱のあいだの情熱に極めて近似した激情であり、愛しさと切なさと心強さが確かに感じられる誠実な蕎麦である。

茹でない蕎麦に情熱を傾けたテーブルマークさんに惜しみない拍手と敬意を表したい。