時々無性に読みたくなる漫画、『金色のガッシュ!!』を紹介したいと思います。
アニメにもなっているので、ご存知の方も多いと思います。
漫画の方は完全版も出ているようですが、装丁の丁寧さや読みやすさ、表紙を彩る魔物の子たちの活き活きした表情が可愛らしい文庫版がオススメです。
『金色のガッシュ!!』を知らないという方に、Wikipediaからあらすじを抜粋。
モチノキ第二中学校の中学2年生・高嶺清麿は、MIT(マサチューセッツ工科大学)の論文さえもたやすく理解するほどの頭脳の持ち主だった。
しかし、その頭脳が周囲からの嫉妬を生んでクラスに馴染めず、不登校を繰り返す鬱屈した日々を送っていた。
そんなある日、清麿のもとに謎の少年・ガッシュ・ベルが現れた。
彼はイギリスで清麿の父・清太郎に助けられ、恩返しとして日本までやってきた。
ガッシュは過去の記憶を失っており、唯一の所持品は謎の言語で記された赤い本だけだった。
本に記された呪文を読むと電撃を発する力を持つガッシュを危険視する清磨だが、協力して銀行強盗を撃退したことで打ち解ける。
このことを切っ掛けに清磨とクラスメートの関係も改善されるなど、ガッシュの来訪によって清磨の生活は変わり始めた。
やがて清麿とガッシュの前に、ガッシュの赤い本と似た本を携えた敵が次々と現れる。
実はガッシュは、千年に一度行われる魔界の王を決める戦いに参加させられた100人の魔物の子の1人だった。
戦いが激化する中、ガッシュは、戦いを強要されていた魔物の少女・コルルとの出会いを機に、「やさしい王様」になることを決意。
清麿とともに、王の座を目指していく。
さてさて、早く語りたくて仕方がない。
昔ながらの王道ストーリーを貫く大好きな作品です。
この漫画は記憶に残る名言・名場面が多すぎるのですが、本記事では厳選したベスト8を紹介していきたいと思いますよ。
個人的名言・名場面ランキング
第8位「若造(ボーイ)がついてねえじゃねえか」
「若造(ボーイ)がついてねえじゃねえか」
「あたりまえじゃ・・・今のおまえをだれが若造(ボーイ)と呼ぶか・・・」
「わからねぇ・・・わからねぇな・・・なんで涙が止まらねんだよ・・・王にもなれなかったのによ・・・なんでこんなに嬉しいんだよ・・・」
美術品護衛の仕事に対して何のプライドもなく反抗的な態度を取り続けるダニーを半人前であるとして「若造(ボーイ)」と呼んでいたゴルドー。
しかし、ダニーは初めて護衛対象の美術品“シェミラ像”を身を呈して守り抜き、その代償として魔物の子を現界にとどめるためのアイテムである魔本を燃やしてしまう。
ゴルドーは、王になる夢を捨ててまで自己に与えられた仕事を全うしたダニーを称え、彼を「我が息子ダニー」と呼ぶ。
「若造(ボーイ)がついてねえじゃねえか」
この言葉が全てを物語っている。
ダニーにとってゴルドーとの出会いは、王になることよりも大切なことだったのではないだろうか。
第7位「清麿が変わったんじゃない!!!清麿を見る友達の目が変わったんだ!!!」
「あいつなんか・・・永遠に学校なんか来なくていいんだよ!!!来てほしいと思ってる奴なんか誰もいねんだよ!!!」
「だまれ!!!お前に清麿の何がわかる!?清麿は悪くない!!!だから私は清麿を助けに来たんだ!!!
清麿は、好きで天才になったわけじゃないんだぞ!!!
清麿の父上が言ってたぞ!小学校までは普通に友達と遊んでたって!!
中学になって、だんだん友達が清麿の頭の良さをねたみ始めたって!
清麿が変わったんじゃない!!!
清麿を見る友達の目が変わったんだ!!!
清麿が実際何をした!!?
今日、学校に来た清麿が何をした!!?
おまえのように誰かを傷つけたか!?
おまえみたいに弱い者から金を奪ったか!!?
学校に来なくていいのはおまえの方だ!!でくの坊!!!
これ以上私の友達を侮辱してみろ!!!
お前のその口、切りさいてくれるぞ!!!」
天才が故に孤立し、不登校を続けていた清麿が意を決して学校に行くことになったが、それを見ていたクラスの不良は清麿を馬鹿にしてからかっていた。
それを見たガッシュが言い放つ。
「清麿が変わったんじゃない!!!清麿を見る友達の目が変わったんだ!!!」
清麿に出会って間もないガッシュがここまでのことを言えたのは、清麿の父親から息子の苦悩や孤独の辛さを聞いていたからだろう。
そして清麿を友として守りたいという気持ちが強かったからに違いない。
このとき清麿はガッシュのすぐ近くにはいたが、遮蔽物の陰になって姿は見えていない状況だ。
ここからもガッシュの強い意志が伺える。
清麿は最初ガッシュを厄介者扱いしていたが、この出来事を機に少しずつクラスメートとも打ち解け始め、自分の居場所を見つけていく。
1巻からこの熱い展開というのが、もはやズルい。
その後ずっと熱いのがもっとズルい。
第6位「魔界にやさしい王様がいてくれたら・・・こんな・・・つらい戦いはしなくてよかったのかな・・・?」
「魔界にやさしい王様がいてくれたら・・・こんな・・・つらい戦いはしなくてよかったのかな・・・?」
「う・・・(やさしい・・・王様・・・)ウヌ、ウヌ、そのとおりだ!コルル、そのとおりだぞ!」
「・・・・・お願いね・・・ガッシュ・・・」
人間界に送り込まれた魔物の子が全て好戦的なわけではなく、コルルのような争いを望まない子もいる。
しかし、そのような子も王の座を取り合う戦いに参加させるべく、意識操作という非道な手段が用いられている。
「やさしい王様がいてくれたら・・・」
コルルが最後に残した言葉。
いや、託したのだ。
これこそコルルと同じく争いを好まないガッシュが王を目指すきっかけである。
やさしい王様になって、こんな悲しい連鎖を断ち切ってみせる。
物語を語る上で最重要と考えられるシーンである。
第5位「僕の王様は・・・ナゾナゾ博士なんだ!!」
「僕は成長したかな?今のこの姿を博士は喜んでくれるかな?
僕は・・・博士のようになれたかな? だとしたら嬉しいな・・・
僕は王様になれたんだ。
いつも僕と遊んでくれた博士、いつも僕を笑わせてくれた博士
博士と一緒にいるだけで楽しかった・・・
僕の王様は・・・ナゾナゾ博士なんだ!!!
今までありがとう・・・大好きなナゾナゾ博士!!!さようなら・・・」
孫を手術で死なせてしまった元医師のナゾナゾ博士は無気力に余生を過ごしていたが、キッドと出会い、彼を本当の孫のように溺愛していた。
そして、ナゾナゾ博士の夢はキッドの晴れ舞台を祝うこと。キッドを王にするという夢だ。
しかし、道半ばで強大な敵に重傷を負わされ、立ち上がることもできないナゾナゾ博士。
絶体絶命の事態でも思い浮かべるのはキッドとの思い出。
自身を鼓舞するが、ダメージが大きすぎる。
もはやこれまでかという瞬間に魔本が光り輝き、ナゾナゾ博士とキッドは最後の呪文を繰り出す。
「僕の王様は・・・ナゾナゾ博士なんだ!!!」
ずっと博士に頼りきりだった弱虫キッドの大一番。しかとその目に刻め。
第4位「おまえがパートナーで・・・オレは幸せだった。」
「よくやった・・・シェリー。よくぞここまで戦ってくれた・・・よく・・・このオレについてきてくれた・・・。お前がパートナーでなければ、オレはここまで戦えなかった。」
「お前がパートナーで・・・オレは幸せだった。」
ガッシュとブラゴの王座争奪戦。
かつての泣き虫のガッシュはここにはいない。
ブラゴは強大なガッシュの力に押されていた。
自身が王になることにしか興味を示さなかったブラゴがシェリーの才覚や努力に気づき、変わっていく。
戦い以外で激情を出さなかったブラゴの口から素直な感謝の言葉が紡ぎ出される。
「お前がパートナーで・・・オレは幸せだった。」
心が通じ合った瞬間である。
シェリーは自分が足手まといだと思っていたが、ブラゴはそう考えていなかっただろう。
確かな信頼関係がそこにはできていた。王を目指す戦いを支えるベストパートナーだ。
第3位「チェーーーーーーーリーーーーーーーーッシュ!!!」
「な・・・何!?お前・・・まさか、ワザと最後の術を撃たなかったのか!? なぜだ!? なぜそんなことを!? おまえのそのダメージ、もう助からんぞ。
なぜそんな自殺行為を!? それにお前、私が憎くないのか!? 私を倒したくなかったのか!?」
「悪いなぁ・・・お前・・・ハナっからオレの眼中にねえんだよ・・・オレが・・・!!ずっと・・・見てんのは・・・よ・・・」
「まさか・・・お前、この腹を狙ってたのか!?ゼオン様の雷がうめこんである腹を・・・チェリッシュの心を砕こうとしてる雷の元を・・・」
「チェーーーーーーーリーーーーーーーーッシュ!!!」
『金色のガッシュ!!』の登場人物の中で一番好きなのがテッド。
全てのセリフがカッコ良すぎる。だから贔屓しちゃうよ!
よお・・・チェリッシュ・・・お前、強かったのに・・・なんで泣かされてんだよ?
チェリッシュを泣かしてんのは・・・お前か!?
血は繋がっていないものの、家族と同じように共に歩んできたチェリッシュ。
テッドにとっては最も大切な人であり、彼の唯一の光だ。
「あいつが光っていたから、オレ達は上を向くことができた。他のガキ共もだ。
大人を恨みつづけて、真っ黒になっちまった目、飢えきって真っ赤に血走った目、そんな目にも、キラキラした輝きを与えてくれたんだ。
悪人に負けず、楽しそうな未来語ってくれてよ、オレ達を支えてくれたんだ・・・オレの目の奥にあの姿がある限り、てめえみてえな甘ちゃんにゃあ負けねえよ。」
彼女を救うためだったら、この体がバラバラになってしまっても構わない。
それが漢の生き様だ。
「チェーーーーーーーリーーーーーーーーッシュ!!!」
男が惚れる漢。それがテッド。世界一カッコいいリーゼントだぜ。
3位から上はもはや僅差なので、これを1位にしてもいいくらいだった。
第2位「私はいつだってカバさんだった。私の姿は、キャンチョメの目にはカッコ悪く映ってたかい?」
「僕は・・・僕は強くなりたかったんだ・・・こいつらを徹底的に倒せばきっと変われる!!!もう弱い自分には、戻りたくないんだーーー!!!」
「キャンチョメ・・・あの時は言わなかったが、カバさんは強いんだぜ・・・
子供を守る時は特に強い!!ライオンだって倒しちまうんだぜ!!!キャンチョメ・・・
私はいつだってカバさんだった。
私の姿は、キャンチョメの目にはカッコ悪く映ってたかい? 」
弱い弱いと馬鹿にされ続けていたキャンチョメには隠れた才能が秘められていた。
全てを凌駕するほどの強大な力。
今までの鬱憤を晴らすようにキャンチョメは自己の目覚めた力を顕示しようとする。
フォルゴレには分かっていた。
かつての自分が腕力にモノを言わせて気の向くままに周囲の人間を巻き込んでいたとき、自分は孤独だったと。
それを反省し、能力はあるのに牙を隠して、戯けたピエロに徹してきた。
「私はいつだってカバさんだった。」
しかし、隠した牙は大切な人を守るときに必要になる。
普段は小鳥さんの憩いの場になればいい。力の使いどころを見定めた者こそ真の男。
キャンチョメは真の男になりたいんだろ?
昔のオレみたいに力を誇示するだけのヤツはダサいだけだぜ?
カッコ良すぎるよ、フォルゴレ。鉄のフォルゴレ、無敵フォルゴレだよ。
第1位「お前は王にはなれなかった。だが・・・ お前は、『王をも殴れる男』になったぞ。」
「フン・・・ 今までの苦労を無駄にしおって・・・」
「ああ・・・スマ・・・ネェ・・・ 王には・・・なれなかったな・・・」
「ウム・・・お前は王にはなれなかった。だが・・・ お前は、「王をも殴れる男」になったぞ。」「いくら王といえど完璧ではない。
いつか間違いを起こすこともあろう。
その時にお前は王を殴ってやれ。
その鍛えた体で、強き目で、拳で、王を殴ってやれ。
王がどんな目をしていようと、ひるむことはない。
王を殴れるんだ。 でかく、いい男になったじゃねえか・・・。」「へ・・・へへ・・・なんだい、グスタフ?オレの心の中のよ・・・ 未練が・・・なくなっちまったじゃねぇか・・・」
バリーがガッシュと初めて対峙したとき、力では圧倒的に優っていたものの、彼の持つ真っ直ぐで強い意志に怯んで退却。
自分の心の弱さを見せつけられた。
彼は長い鍛錬の中で己を見つめ直し、本当の強さとは何なのかを追求し続けた結果、心身ともに飛躍的な成長を遂げる。
彼にとってはガッシュとの再戦が過酷な鍛錬の原動力になっていたが、ガッシュは仲間を助けるために敵陣の罠に囚われており、「自分の代わりにゼオン(本編におけるボス)を倒してほしい」と懇願される。
彼はガッシュを見捨てることができず自身が犠牲になることを選んだ。
ガッシュとの再戦、そして自身が王になるという夢を捨ててまで、可能性の灯火を守ると決めたのだ。
これを見ていたグスタフは、彼が王をも殴れる(過ちを犯しそうになった王を殴って正しい道に導くことができる)男になったと称え、バリーは魔界へと帰っていく。
「お前は、『王をも殴れる男』になったぞ。」
自分の心の成長を見守ってくれたパートナーであるグスタフの言葉に彼は何を思ったのか。
1人でも多くの方に読んでほしい作品である。
そしてガッシュについて熱く語り合いたい。