気になっていた映画の一つである『MEG ザ・モンスター』を観てきました。
タイトルからしてB級の匂いがしてきますが、個人的に古代生物メガロドンに惹かれたんですよね。
今回は作品のネタバレを含んだ記事を書きますので、視聴予定の方はご注意ください。
ネタバレありなしの選考基準
当ブログではいくつかの映画のレビューを記事にしているが、そのほとんどがネタバレを含んでいる。
僕が映画のネタバレをする基準は以下に記す通りだ。
①公開後一定の期間が経過し、ネタバレを書いた記事を偶然読んでしまってもダメージが少ないと思われるとき。
②上の条件を満たさない場合でも、多くの方に特にオススメしたいと感じたとき。
③人にオススメはしないため、個人的な感想をぶちまけるとき
これを要約すると、
・人にぜひ紹介したいほどの名作あるいは不満が大きかったもの
→ネタバレ記事を書く
・良作、人に見てほしい
→ネタバレなしの記事を書く
といった具合。
ちなみに今回の『MEG ザ・モンスター』は基準の③に該当する。残念ながら個人的に心を打つものではなかった。
最初に言っておくと、主人公がとにかく最強のタフネスとラックの持ち主で、彼に任せておけばなんでも好転する。台詞回しもカッコよく、彼を見るためだけの映画である。
あらすじと総評
大陸から200キロ離れた海洋研究施設から、潜水した探査船が未知の海溝を発見。しかし、喜びもつかの間、船は未知の海域で消息を絶った。潜水レスキューのプロ、ジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)は、救助に向かった先で、生物学の常識を超えた“モンスター”=MEGと遭遇。しかし、その恐怖は単なる始まりに過ぎなかった。
公式ページからあらすじを抜粋してみた。
物語冒頭のドキドキ感
迫られる選択肢
冒頭でジェイソン・ステイサム演じる主人公のジョナスが潜水レスキューとして救助活動を行うシーン。
あと一人救い出せば任務完了というときに謎の巨大生物の襲撃を受けてしまうのだ。ジョナスはこのまま救助活動を続ければ、レスキュー隊及びすでに救助した人間が助からないことを察し、最後の遭難者を置き去りにしてしまう。
英雄・・・のはずなのに。
結果として被害者は一名で大多数の人間の命が救われた。
しかし、現在生存する者の中で巨大生物の襲撃を目撃したのはジョナスひとりであることから、「彼は嘘つきである」、「仲間を見殺しにした罪人である」と弾圧され、レスキューの職を離れてしまう。
血塗られた英雄
それから数年後、深海探索中の潜水艦が巨大生物による襲撃を受け、消息を絶った。
この窮地を打開するには、かつての潜水レスキューのプロであるジョナスの力が必要だ。
その頃ジョナスはタイで飲んだくれの生活を送っていた。
協力要請に対して、「人命救助はこりごりだ、絶対にやらない」と端から拒否しており意思は固かったが、船内に閉じ込められているのは彼の元妻であることを知り、ジョナスは立ち上がる。
彼は立ち向かう敵が数千年前に絶滅したはずの“メガロドン”という名の巨大ザメであることを知っており、彼が数年前に見たことが真実だと証明された。
メガロドンの熾烈な襲撃をかわし、なんとか救出は成功。・・・一人犠牲者は出てしまったけれど。
シリアスはどこへ行った
ここから蛇足になります
ここまではよかった。シリアスで、自然の脅威と人間の無力さをまざまざと見せつけられる絶望感があった。人類未踏の地で未知の生物に触れ合うシーンは本当にワクワクしたのに。
問題は冒頭の導入シーン(30分程度)が終わった後の続きである。
ちなみに公式のあらすじは、こう続いている。
船を破壊し、研究施設を壊滅させたMEGは、陽光まばゆいビーチをも恐怖に陥れようとしている。ジョナス率いる海洋エキスパート・チームは、この危機をどう乗り切るのか?人類は、果たしてこの脅威から逃げ切ることができるのか⁉
ここからが安っぽいのなんのって。安っぽいだけなら笑えるが、ただただストーリーが単調なのである。
オデ、ニンゲン、クウ・・・
メガロドンが深海から人間を追いかけやってくる。
ヤらなければヤられる。人間たちが武器を用意してメガロドンに立ち向かう。
何人かの犠牲が出るが、なんとか退治。
しかし、彼らは一匹ではなく、複数いた(ヤらなければヤられるに戻る)。
ひたすらこれの繰り返しである。メガロドンもわざわざフカヒレ漁船や人の多いビーチを狙ったりとなんとも作為的である。船は必ず転覆し、ピンチになる。
もう、このおじさん一人で世界が救えるよ
やったか!?→やってないのパターンを完璧おじさんことジョナスが一人で解決していく。
メガロドンに対して『人智を超えた力を持つ生命体だから人間が敵うはずもない』で終わっておけばいいものの、「あ、普通に倒せちゃうんだ」という呆気なさがある。
最後はジョナスがメガロドンの腹を引き裂き、目をピック状のものでグサーッと刺して完全勝利。素手で勝てるんかい。
この万能さは以前記事にもした『ジュラシックワールド炎の王国』のオーウェンによく似ている。
最初の30分だけを切り取れば、ネタバレなしの記事になっただろうに。なかなか惜しい作品であった。