うたかたラジオ

お代は“ラヴ”で結構です。

【ネタバレなし】ジャッキー・チェンの新たな伝説の始まり。『ポリス・ストーリーREBORN』を観てきました。

僕は昔からジャッキー・チェンの映画が大好きで、何度も繰り返し観てきました。

彼が何度も引退宣言を出しつつもアクション映画に出演をし続けるのは、好意的に捉えると「根っからのアクションスターである」「生ける伝説である」ということになるのでしょう。

f:id:marurinmaru:20181125090625j:plain

そもそも彼の言う「引退」は、ひとたび失敗したら命にかかわるような危険なスタントはしないということであり、普通のアクションはまだまだ続けるつもりとのこと。

そして、あの名作『ポリス・ストーリー』の最新作である『ポリス・ストーリーREBORN』が劇場公開されるという情報を聞きつけ、公開初日である2018年11月23日(金)に馳せ参じたというわけです。

ポリス・ストーリーにネタバレも何もない気がしますが、今回はネタバレなしで書いていきたいと思います。

・・・香港映画ってカテゴリーで言うところの「洋画」なんですかね?

f:id:marurinmaru:20181125084807j:image

(出典:映画『ポリス・ストーリー REBORN』公式サイト)

 

 

ポリス・ストーリーREBORNあらすじ

 国際捜査官リン(ジャッキー・チェン)は危篤に陥った幼い娘を病院に残したまま、証人警護作戦に急遽駆り出されるが、ある陰謀に巻き込まれ、瀕死の重傷を負ってしまう

—そして13年後、かつての事件を元ネタにした小説「ブリーディング・スチール」の出版をきっかけに、黒ずくめの犯罪組織&謎のハッカーなど、過去に因縁のある者達が次々に姿を現わし、正体を隠して暮らしていたリンも、事件の鍵を握る最愛の娘を守る為、再び立ち上がる! 

(映画『ポリス・ストーリー REBORN』公式サイト)

このあらすじを見ただけでジャッキーファンは「ああ、ポリス・ストーリーなんだな」とホッとすると思うが、残念ながら本作は従来のポリス・ストーリーシリーズとは色々な意味でかけ離れている。

f:id:marurinmaru:20181125090127j:plain

ジャッキーのアクションの最大の持ち味であるダイナミックさやシリアスとコミカルの多重奏は健在であるが、内容としては完全に別物と言っても差し支えない。

そのため、往年のファンは戸惑うし、初見の人はさらに戸惑う。

ネタバレになってしまうので詳細は避けるが、ポリスストーリーの世界観をぶち壊すような要素がいきなり放り込まれるので、混乱は一層増すことになるだろう。

全編通して舌足らずというか、視聴者置いてけぼりの感はあるが、大ファンの僕でもラストシーン近くでは「おいおいおい」と突っ込みを入れたくなってしまった。

 

ファンディスク的なポジション

繰り返すが、本作は『ポリス・ストーリー』の続編ととらえずに鑑賞してほしい。

まったくの別物として、❝ジャッキー・チェンのアクションを見るために鑑賞するファンディスク的なポジションにある作品❞として楽しむのが得策である。

ジャッキーも御年64であり、昔のようなトンデモアクションを期待するのは酷であろう。

スタント無しのガチアクションはいったん終幕して、次の時代の生ける伝説としてのジャッキーのアクションが生まれ変わったという意味でREBORNなのだと考えたら妙に納得する。

f:id:marurinmaru:20181125090311j:plain

 昔のジャッキーは「頭おかしい」が最大の賛辞になるくらいの人間離れしたアクションを生み出し続けていた。

 ポリス・ストーリー3のビニール傘で走行中のバスにぶら下がり、横を高速で走り抜ける車を次々とかわすシーンは今でも目に焼き付いている。

f:id:marurinmaru:20181124154033p:plain

(出典:ジョジョの奇妙な冒険)

ポルナレフじゃなくても何を言っているのかわからねぇくらいのとち狂ったアクションである。まさに命がけ。

 

ポリス・ストーリー香港警察のデパートの最上階からポールを伝って滑る落ちるシーンも伝説である。

滑り落ちる途中、千切れた電飾に感電したり、ガラスのショーケースを突き破って地面にたたきつけられたり。

当然無傷では済まず、腕や背中に大怪我を負いながらも頑なにスタントを使おうとはしなかったそうだ。あくまで自分の体で演技する。

言葉や画像では説明できない、「とにかく見てくれ!」と言うことしかできない不甲斐なさを感じながらも、彼のアクションを理解するためにはこれ以上の近道はない。

ジャッキーのアクションは、『ジャッキー・チェン』というカテゴリーであって唯一無二である。彼がアクションするから興奮するし、魅了されるのだ。

 

総括

かなり擁護気味に書いてはいるが、名作『ポリス・ストーリー』の正統後継策と考えるから酷評せざるを得ないのであって、全く別物として等身大のジャッキーのアクションを見ることができる貴重な機会として本作をとらえれば十分に楽しめる作品であると思う。

どうやらREBORNは続いていくらしいが、そのときはポリス・ストーリーの冠をいったん外して純粋なアクション映画として出会いたいものである。