うたかたラジオ

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【変わり種かも?】全国のおでんの具と出汁の特徴をざっくりまとめてみた。

今から遡ること10日。

自炊 おでん

我が家ではおでんを大量に作っておりました。

お決まりの練り物、大根、玉子等々。

その際、冷蔵庫の中にあった長芋と豚ロースを入れてみたのですが、これが大正解。

おでん 小鍋

うーん、しみっしみ。もう一度年末に戻ってぐだぐだライフを楽しみたいものです。

おでん 長芋

↑特に長芋が抜群に美味しかったですね。

おでんにじゃがいもや里芋を入れることがあるのは知っていたので、そう不味くはならないだろうと考えていました。

長芋は荷崩れせず、煮込んでもシャキシャキとホクホクが上手い具合に配分し合って良い塩梅。

おでん 長芋

↑これで見ると手前の方がシャキシャキ感が強く残っていて、奥の方はホクホクしています。

おでんくらいのあっさり出汁で煮上げると、上品な味に仕上がるんですね。

長芋にフォーカスしてしまいましたが、豚ロースも出汁に旨味を与え、自身もほろほろになって大変味わい深いものでした。

個人的には挑戦的な具だったのですが、ここでふと思ったのです。

 

全国には知られざるおでんの世界があるのだろう、と。

 

そのようなわけで、今回は全国の特徴的なおでんを紹介していこうと思います。

※全面的に紀文さんのホームページ(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)を参照させていただきました。

47都道府県全部というわけにはいかなかったので、抜粋してお送りします。

 

 

全国おでん博覧会

北海道ブロック

北海道

北海道のおでん

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

白子とホタテが目を惹く。海の幸を盛り込んだ贅沢なおでんである。

昆布ベースの出汁に魚介の旨味が溶け出すのだから、その深い味わいたるや想像に難くない。

そしてもう一つ特徴的なのが蕗(ふき)である。北海道といえば、人の身長を超えるほどの大きな蕗が育つという話を聞いたことがある。

子供の頃、親に食べさせられて苦かったり筋張ったりしてあまり美味しくないイメージを持ちながら大人になってしまったが、今食べたらきっと違う味わい方ができる気がする。

あく抜きや下処理が手間だから、なかなか自分で調理することがないので、興味はありながらも近づけない存在である。

 

東北ブロック

青森

おでん 青森

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

やはり海が近い地方はおでんにも魚介を盛り込む傾向があるのだろうか。

こちらにはつぶ貝が入っている。つぶ貝もなかなか調理に手間がかかるので、自分で調理することはしないが(主にテトラミン)、居酒屋のメニューにあればすかさず注文するくらいには好きである。

右下にあるのは、津軽味噌を使った生姜味噌ダレだそうだ。おでんを辛子以外で食べたことがないので、非常に興味があるところ。

生姜味噌・・・体が温まるだろうな。極寒の冬を乗り切るための知恵を感じた。

 

関東ブロック

東京

東京 おでん

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

昆布と鰹節からとった出汁に濃口醤油。先の2つのおでんに比べると全体的に色が濃い。

特徴的な具は「ちくわぶ」なのだろうか。「ちくわぶ」とは小麦粉をちくわ状に形成したものだが、関西方面ではあまりなじみのない食材らしい。

ちなみに僕はあまりちくわぶが好きではない。もっと餅っぽかったらいいのにと思うところである。

 

中部ブロック

静岡

静岡 おでん

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

関東のおでんのように濃口醤油を使った濃いめのおでん。

やはり特徴的なのは「黒はんぺん」だろう。青魚を原料にしており、白いふわふわのはんぺんに比べて凝縮感というか、力強さがある。

多くの具に串が刺さっており、これを「だし粉(魚粉と青のり)」をかけて食べる。

ナルトが半切りされたものが入っているのだろうか。あまりこういう形状のナルトを見ることがないので新鮮だ。

 

名古屋

名古屋 おでん

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

今まで色が濃いおでんだとか薄いおでんだとか言っていたのが馬鹿らしくなるくらいの濃厚おでんの登場である。

出汁というか、もはやタレに近く、材料は八丁味噌と三温糖と酒。これは味が濃い。間違いない。

味噌のパンチに負けないように豚もつ・牛すじ・焼き豆腐など強そうな具が揃っている。

「おでんと一緒にご飯を食べるor食べない論争」があるが、このおでんは単品では食べられないだろう。

個人的には真っ白なご飯を少しずつ侵食しながら味噌おでんを頬張りたい。 

 

関西ブロック

京都

京都 おでん

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

全体的に色が控えめで、大人数でワイワイ食べるというよりも小鍋でしっぽり食べたくなる見た目である。上品。

湯葉、聖護院大根、海老芋など京都ならではの具のチョイスだ。

出汁と薄口醤油でほんのり味をつけたという素材の味を楽しむおでんである。

 

大阪

大阪 おでん

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

大阪はタコの赤やじゃがいもの黄色が目に眩しい、賑やかなおでんである。みんなでワイワイ囲みたい。

京都の里芋・海老芋を入れる文化からも、芋入りおでんは関西発祥なのかもしれない。

出汁には昆布・鰹節の他にも鶏手羽を使ったりするらしい。

以前、何かの番組で「鯨」を使って出汁を取るおでん屋が大阪にあると聞いたことがある。昨今は鯨が採れなくて値段も上がっているが、「鯨使わんと、うちのおでんは作れんのです」という職人の言葉が印象的だった。

 

中国/四国ブロック

松江(島根)

松江 おでん

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

あご(トビウオ)と手羽先で出汁を取り、具にはバイ貝やつぶ貝、あごちくわなどを盛り込んだ海の幸溢れるおでんである。

トビウオの出汁は力強くて溌溂としていて好きだ。家にもあごだしは常備している。

春菊をいれるおでんというのは初めて見た。ところによってはセリを入れたりするらしい。魚介と合わせてサッパリいただけそうだ。

 

高松(香川)

高松 おでん

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

全部串に刺さっとる・・・。

玉子と大根に串は冒険じゃないだろうか。でも、食べやすそう。

白味噌と辛子、黒味噌と砂糖の二種類のたれにつけて食べることから、このようなスタイルが定着したのだろう。

やはり芋文化は関西より西側の地域で発展したものなのだろう。

 

九州/沖縄ブロック

長崎

長崎 おでん

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

THE・長崎とでも言うべき、名物の練り物を盛り込んだおでんである。

さつま揚げ、じゃこ天、蒲鉾・・・。焼酎でクイッといきたいものだ。

九州の醤油は甘いのが特徴だが、あごだしと練り物の甘みも相まってかなり甘い仕上がりになるそうだ。

甘いおでんは食べたことがないが、一度試してみたい。

 

鹿児島

鹿児島 おでん

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

出汁のベースが豚骨で、スペアリブも入れて、麦味噌で味付け。おでんに豚肉を入れる地方があって安心した。

おでんに大豆もやしが入っているというのも初めて見る光景だ。鍋料理というよりも汁ものに近いイメージなのかもしれない。遠目に見たら豚汁だ。

 

沖縄

沖縄 おでん

(地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品)

沖縄にもしっかりおでん文化が根付いている。おでんの発展自体は戦後まもなくらしい。

沖縄は海に囲まれているので、さぞ魚介類が充実しているのだろうと思っていると、肉料理の店が多いことに驚く。そして美味しいのだ。

豚足とソーセージというのがパンチがあってよろしい。南に下ってくると豚で出汁をとって、具にも豚を使うようだ。

菜ものが入っているのも珍しい。出汁が染みて美味しくなりそうだ。

 

まとめ

簡単にではあるが、全国のおでんの特徴をまとめてみた。紙面の都合上、紹介しきれなかった地域もあるのはお許しいただきたい。

どこの地域も三者三様、群雄割拠とでもいうべき独自性を前面に押し出した素敵なおでんばかりである。

おでんの包容力をもってすれば、大体何を入れても美味しくなるし、地域ごと家庭ごとの味というのは唯一無二である。

まだまだ寒さが続くので、もう1度くらいはおでんを作る機会があるだろう。さて、どこ風のおでんを作ろうか。