うたかたラジオ

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【都心から電車で1時間半】新緑の奥多摩・大人の社会科見学へ出かけよう。①【澤乃井園で利き酒と軽食】

「久しぶりに奥多摩に行きたいな」

そう考えながら面白くもない仕事をこなして、待ちに待った土曜日に日帰りの奥多摩探訪を楽しんできました。

都内に住んでいても奥多摩には行ったことがないという方も多いのではないかと思います。

僕も数年前に奥多摩を開拓する前は「車で行かないとどこも回れないのでは?」「行くとしても泊りがけの旅行になるんでしょ?」と考えていましたが、実はそんなことないんですよね。

確かに車があった方が利便性が高いですし、宿泊をすれば日帰りよりも何倍も楽しめるとは思います。

ただ、「実は気軽に行ける」というのが奥多摩の強みでもあると思うので、「興味はあるんだけど、どこ行ったらいいの?」という方向けに色々奥多摩の良さをアピールしていこうと思うのです。

ちなみに今回の探訪のメインテーマは、

①澤乃井園で利き酒、湯葉蕎麦を食べる

②小澤酒造で酒蔵見学

③御岳駅付近「隼」で山葵丼を食べる

この3つです。

新宿から電車で1時間半のアクセス

ホリデー快速奥多摩の存在

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上の画像の1番が当日利用した実際の電車の出発・到着時刻である。

ちなみに今回の奥多摩探訪でメインになるのは、東京の老舗酒蔵・小澤酒造のある「沢井駅」なので、「新宿駅から沢井駅間」の所要時間になる。

そして、沢井駅から奥多摩駅までは大体20分程度。

1時間38分(新宿ー沢井間)+20分(沢井ー奥多摩間)で2時間じゃないかと思われるかもしれないが、実は新宿駅から奥多摩駅までも1時間半なのだ。

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むしろ早いくらい。

これはどうなっているのかというと、土日祝限定で中央線快速の臨時列車「ホリデー快速おくたま」が出ており、乗り換えなしで奥多摩に直行できる。

そして、今回目的地の「沢井駅」は快速の停車駅ではないので、青梅駅で各駅停車に乗り換えなければならない。

この日もそうだったが、接続が悪くて20分待った。上手く乗り換えられれば1時間半は切るだろう。

 

突き抜ける青

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乗り換えのために青梅駅に降り立つ。

突き抜けるような青空。そして、東京都は思えない周囲の山々。ワクワクが止まらない。
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あえて人がいない部分を撮っているが、実際は登山客と思われる団体で視線の反対側は大混雑である。

新宿から乗っていると、大体立川辺りからリュックサックに登山帽の重装備の方が増え始め、乗り換えが多い拝島でピークとなる。
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年季の入った看板だ。左に進んでいくと人だかり。

あの列に並んで20分待つのかと思うと気が重くなるが、空が青くて風が気持ちいいから多少の気休めになる。
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普段なんとなく生活していると綺麗な空を見上げたり、足元の可憐な花々に気づかなかったりするけれど、それは勿体ない。

ちょっと疲れてしまった週末に自分を取り戻すと言ったら大げさだが、自然に囲まれて美味しいものでも食べて心身共にリフレッシュしたいものだ。

青梅駅に奥多摩行きの電車が到着すると、車内は瞬時に超満員。多くの人が荷物を抱えているので、平日の通勤電車とはまた違った窮屈さがある。

ほぼ登山客なので、大体は御岳山のある御岳駅(沢井駅の次)で降りるのだろうと予想していたら、なんと沢井駅の前の軍畑(いくさばた)駅で乗客の9割程が降りて行った。

軍畑から多摩川沿いに青梅街道を御岳駅まで歩いて登山というコースなのだろうか。

確かにその道は真っ直ぐ平坦で非常に歩きやすい、僕も大好きな道だ。

 

最初の目的地は沢井駅にある小澤酒造

ここが、東京・・・?

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看板が新しくなっている。

「酒造」「地酒」と書いてあればちょっくら寄ってみっかという人も出てくるかもしれないな。

背景の葉っぱは山葵だ。水がきれいな奥多摩の名産物。新鮮な山葵を使った山葵丼と呼ばれるものを是非食べてみたい。楽しみだ。
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ここが、大都会東京・・・?

わざと人が写らないように撮っているが、そもそも沢井駅で降りたのは5,6人であったので寂しいものだ。
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雲ひとつない快晴とはまさにこのこと。天気予報では30℃を軽く超える真夏日になるとのことだったが、午前10時時点では爽やかだ。

ビルが密集しているわけでもないし、大自然を風が抜けてくるので、都心とは暑さの度合いが違うだろう。
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駅改札に向けて階段を上る。ちなみに無人駅だ。
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電子改札機がなんとも座りが悪そうにしているけれど、沢井駅の治安を守るのはこの子だけだもんな。応援してあげなくては。

 

風情ある坂を越えて

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駅を出ると、すぐ目の前に案内板が現れる。
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この坂を道なりに下っていけば小澤酒造の酒蔵があり、そこから道を隔てて反対側が利き酒や軽食を楽しむことができる澤乃井園だ。
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なかなかの急坂。
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青紅葉と青空。この時点で来てよかったな、今日はいい日になるなと思えてくる。
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高い石垣の上に群生している樹木は柚子であり、秋口から冬頃に来ると鮮やかな黄色が目に眩しい柚子を観察することができる。

柚子も奥多摩の名産品の1つであり、お土産売り場や道端の無人販売所で手に入る。
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下ってきた坂を見上げてみる。風情があるなぁ。
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後の酒蔵見学で説明を受けるが、このタンクは井戸から水を汲み上げる受水槽だ。
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沢蟹がトレードマークの小澤酒造株式会社。本日はお世話になります。
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こちらで酒蔵見学をすることになるが、最初の回は11時からなのでしばらく澤乃井園をぶらぶらすることにしよう。
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ちなみに今まで何回か秋の蔵開きに参加したことがあるが、その際簡単な説明を受けながら利き酒をしたのもここだ。

 

澤乃井園清流ガーデンを満喫する

眼科を流れる清流と溌剌とした新緑

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道路を隔てて反対側の澤乃井園清流ガーデン。いつ来ても綺麗に整備されていて感心する。

春は桜。夏は新緑。秋は紅葉が楽しめる。

四季折々の植物と眼下に流れる多摩川の清流を眺めながら、ゆったりと思い思いの時間を過ごすのに最適の場所である。
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清流ガーデンでは軽食やお土産を購入することができるが、こちらの「豆らく」では主に豆腐や豆乳を使ったヘルシーな御膳をいただくことができる。
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清流ガーデンの軽食は10時開始であり、まだまだ人は少ない。
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時間もあるし小腹も空いているので、何か食べることにしよう。

左上の湯葉蕎麦が絶品で、訪れたら是非召し上がってほしい。麺類の販売は11時からなので要注意だ。

もつ煮、おでん、味噌こんにゃく・・・。いきなり飲みたくなるメニューばかり。
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ガーデン内には先ほどのパラソルが敷設されている休憩スペースやベンチの他に立派な東屋があり、僕は決まってここで食事を楽しむようにしている。
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多摩川の清流を身近に感じるダイナミズム。
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絶景かな、絶景かな。 

 

新感覚!『豆腐ナゲット』

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年季の入った券売機で食券を買おう。ちらっと見たメニュー表に見慣れないものがあった。

『豆腐ナゲット』

これは検証しなくては・・・!
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見た目は完全にナゲット。左がプレーンで右が磯部揚げ風だ。
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接写。美味しそう・・・。
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サクッとした食感の後、豆腐のもっちり感。

揚げ出汁豆腐よりも密度が高く、弾力もある。そして、大豆本来の甘みを邪魔しない程度に(それでいてしっかりと)味付けされた塩味や旨味が心地いい。

つまみとしての適性は高いと思うが、普通にご飯のおかずとしても欲しいくらいの味わい深い一品。

磯部揚げの方も香り高く、こちらもご飯と一緒に食べたい。家でも作ってみるかなぁ。
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川を眺めてナゲットをかじり、爽やかな風に当たりながらナゲットを噛みしめる。

朝8時というそこまで早くない時間に出発して、10時にはこうして穏やかな時間を過ごせるというのは非常に魅力的である。

 

夏はもうすぐそこ

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先ほども書いた通り、酒造見学は11時から。そして、清流ガーデン内にある『利き酒処』は10時半開始なので、それまで少し周囲を歩くことにしよう。

多摩川にかかる桟橋からの眺めは最高。
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水が澄んでいて、いつまでも眺めていたくなる。東京に居ながら田舎に帰ってきたような感覚だ。
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橋を渡り、高台から撮影。今回は予定に組み込んでいないが、いつか清流で釣りをして、釣りあげた川魚を塩焼きにして食べてみたい。
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ちなみにこの高台は『寒山寺』というお寺の裏にある。
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なんて書いてあるかは分からないけれど、アレね。いわゆる霊験あらたかなアレ。うん、コレはアレに違いないね。
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この向かって左側が高台に繋がっている。右側は山に通じる順路らしいが、そろそろ利き酒処が開くので戻らないと。
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やっぱり綺麗だなぁ。
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絶対来るぞ!釣り!
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この連絡通路は、道路の反対側の酒造に抜けるためのもの。酒造見学は時間ぴったりに始まるので、「利き酒処でのんびりしすぎたー!」という人が急いでここを使ったりするのだろう。

そんな奴おる?おらんやろー?(フラグ)
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その通路のすぐ横には日本酒を作る際に使う天然水である仕込み水が湧いていた。

 

静かにお猪口を傾ける大人の嗜み

2杯目からは100円引きになります

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時刻10時30分ぴったり。少し前に開いていたらしく、先客のおじさんが利き酒を楽しんでいた。

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メニューはこちら。高いもので1杯500円。後は大体200円で楽しめる。

右上に「おちょこ付き」と書いてある通り、この金額はお猪口代込みであり持ち帰ることができる。

そして、下の「おかわり100円引き」は、飲み終えたお猪口を持っておかわりに行けば100円引きしてもらえるということだ。

つまり200円の銘柄は2杯目以降実質100円で飲める。これは良心的。

 

まずはお気に入りの『芳醸参拾伍』

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最初の1杯は500円の『芳醸参拾伍』。

以前この利き酒処で飲んで気に入り、個人的には小澤酒造の最高銘柄『凰』よりも好みで、市販されている銘柄では1番好きな銘柄かもしれない。

ぼやかした言い方をしたのは、数年前の蔵開きの時に数量限定で振舞われた『亀口酒』の何十年も熟成されたもを飲んだ時の感動が忘れられないからだ。
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窓際の特等席からは清流ガーデンを見下ろすことができる。これくらいの時間から混んでくるため、静かな清流を楽しみたければオープンと同時に行かれることをおすすめする。
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『芳醸参拾伍』はやはり旨い。

コクと甘みを強く感じ、普段日本酒を単品で飲むことはなく料理と合わせるのだが、この銘柄に関しては単品でいける気がする。

4合瓶で5,000円以上するので手が出ないが、普通に買えるようになったら危険だなと勝手に警戒している日本酒である。

ちなみにこのお猪口は5勺(約90ml)であり、2杯飲むと1合(約180ml)になるので、「たまにしか来れないからリストの上から下まで飲んでやるわー!」というのは危険だと思う。

1日の日本酒の適正量は2合であるし、あくまで利き酒なので、たしなむ程度にしましょう。
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時間も押しているので、2杯でやめておこう。そうなると、次の1杯を吟味しなくてはならない。

お猪口に描かれた青い蟹が見えると思う。お猪口についてはまた後で触れたい。

 

始まりの酒、蒼天

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『蒼天生酒』にしよう。

僕が初めて飲んだ澤乃井の日本酒は『蒼天』であり、本格的に日本酒に興味を持ち始めたのも『蒼天』である。

当時は通常の蒼天ばかりに注目していて、生酒の荒々しさや若々しい酸味の良さが分からなかったが、ようやくその魅力が分かってきた。

酸味があって、キリッと端麗。それでいてスッと消えていく水の様な飲み口。

やっぱり蒼天は旨い。

さて、のんびり飲んだなぁ。時計を見ると・・・、10時54分!急がねば!

 

まとめ

雄大な自然に囲まれて、川のせせらぎを聞きながら、揺れる緑に目を楽しませ、身体に薫風を感じる。手元には美味しい食事とお酒。

都心からものの1時間半。遅く起きた朝にふと出かけたいと思って出かけられる場所・奥多摩。

記事では引き続き奥多摩の魅力を可能な限り伝えていきたいと思う。次回、酒造見学編。