うたかたラジオ

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新明解国語辞典で遊ぼう①<滑らかな流行に乗って10人の言葉に耳を傾けつつ三日月剣法、相手は死ぬ。>

辞典にロマンを感じませんか?

僕は子供の頃から辞典や図鑑が好きで、今も何となく手元に置いて手持ち無沙汰な時にめくります。

なぜ好きなのか?それはコンパクトな書物の中に特定のジャンルの全てが詰まっているというところにロマンを感じるからなのでしょう。

しかしながら、図鑑はまだしも辞典は基本的に通読するものではないため、持っていながらも出会うことがない言葉が多いのが気になります。

そこで今回思いついたのが、僕の一番好きな国語辞典である『新明解国語辞典』からランダムに言葉を検索して、その言葉にまつわるエピソードを語るという企画です。

僕が持っている新明解国語辞典は第6版のものだったので、これを機に第7版を買ってみました。

「新明解国語辞典で遊ぼう」のルール

言葉との出会いは一期一会だと思うので、言葉の検索をランダム性が高いものにしたいのです。

ただ、「偶然開いたページの最初に目についた場所」というような決め方だと開く場所は特に意識しなければ開きやすい中央部に集中するでしょうし、目についた場所もぶれが生じてしまうことがあります。

そこで!

①新明解国語辞典の「あ」で始まる1ページから「ん」で終わる1,642ぺージの中から頭に浮かんだものでページを特定。

②新明解国語辞典のページの構成は語句が3列に分けられて掲載されているので、1から3の数字を提示して列を特定。

③そして1列に並んでいる語句は18個程度なので、1から18の数字を提示して語句の場所を特定(右から左にカウント)。なお、例えば語句が15個しかない列で数字を18と提示した場合には最初の語句に戻って+3の語句になります。

 

新明解国語辞典で遊ぼう

「せぶし」

適当に数字を思い浮かべて、「833の2の14」であれば、833ページの上から2列目の右から14番目の語句ということになります。

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833ページの2列目は語句が12個しかないので、一番右に戻ってプラス2。

つまり、「せぶし」になるわけですね。

そして、語彙力を鍛えるために「せぶし」について思い出なり感想を語る、と。

せぶし・・・【背節】背中の肉で作ったかつおぶし。

いきなり耳なじみのない言葉に出会いましたが、実は最近読んだ本の中に「背節」が出てきてました。

背節があるということは腹節もあるわけで、もちろんお腹側の方が内臓を守るため脂肪が多く蓄えられているんですよね。

脂肪が多い腹節は削るとポロポロと粉状になることが多く、垂れ幕のような長い削り節を使いたければ背節ということになるのでしょう。

鰹節といえば皆さんは何を思い浮かべるでしょう。僕はアンパンマンに出てくる「かつぶしマン」ですね。

最初に見たとき白い頭巾を被っていてイカにしか見えなかったので、かつぶしマンよりいかめしマンの方がしっくりきます。恐らくモデルは1970年頃に放映されていた時代劇「白頭巾参上」に出てくる隠密剣士なのでしょう。

うろ覚えですが、かつぶしマンは❝かつぶし三日月剣法❞だったかの使い手でしたよね。

かつぶし三日月剣法!相手は死ぬ!

と、まぁこんな感じで思考の垂れ流しをしていく誰得企画ですが、僕はこういうの大好きですよ。

さてさて、どんどん行きましょう。

 

「つるつる」

頭に思い浮かぶのは・・・、1,013の1の7。

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つるつる・・・㊀表面がきわめて滑らかですべりのよい状態にある様子。「ワックスをかけて表面をーにする/温泉で肌がーだ/ーの〔=毛が一本もない〕頭」㊁何の抵抗も無く、滑らかに滑る様子。「-すべる凍った斜面/うどんをーとすすり込む」

確かに「つるつる」を説明する際には❝滑らか❞という表現を使うのが適切だと思います。❝抵抗がない❞というのもキーワードですね。

ちょっと興味深いのが、❝毛が一本もない❞のが「つるつる」というところです。

ということは、スキンヘッド以外で頭髪が寂しい人は「つるつる」と表現しないことになります。

これ、朗報なのでは?

毛母細胞を開発する前に「つるつる」の定義を見直すこと。そうか、世の中には僕が思っているほどつるつるの頭は存在していなかったのか。

そうなると、明確に「つるつる」と言えるのはお坊さんくらいのもので、徳を積んだ高尚な人というイメージがあります。

つるつる=高尚

つるつる予備軍は、高尚予備軍でもあることになります。むしろ職業人でもないのに高尚の世界を志向するとは見上げた根性というほかありません。

これは9回裏2死満塁3点ビハインド2ストライクからの逆転ホームランですよ。

 

「あすかじだい」 

次行きましょう。23の3の9。

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あすかじだい・・・都がおもに奈良の飛鳥地方にあった時代。六世紀後半から七世紀。 

肝にして要を得た定義ですね。そうそう、飛鳥時代はそんな時代なのですよ、はい、つg・・

いやいや、企画倒れしちゃうから。

飛鳥時代といえば誰もが知っている歴史上の偉人、❝聖徳太子❞でしょうか。

馬小屋で産まれただとか、一度に10人の言葉を聞き分けることができただとか只者ではない人物です。

この歴史上の偉人に対し、最近になって❝そもそも聖徳太子という人物は存在していなかったのでは?❞❝それらしい人は実在したようだが、紙幣や書物に描かれている聖徳太子とは別の人物だった❞というような新説が登場しているようです。

史実は過去の記録などから推測しなければならないことから、後になってやっぱり違うかも・・・となるのは仕方のないことですが、これだけ日本人の記憶に定着した知識をひっくり返すのは革命的なことですし、歴史を学ぶという行為自体を見直してみる必要が出てきそうです。

まぁ、聖徳太子が実在していようといまいと、日常生活で聖徳太子を引き合いに出す場面は、

「(同時に10人の言葉を聞き分けられる友人に対して)聖徳太子かよ!

とツッコみを入れるときくらいなので大した影響はないと思います。いえ、皆無です。

 

「インフルエンザ」

今回は次で最後にしましょう。112の1の3。

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インフルエンザ・・・流行性感冒。 

これからの時期流行するインフルエンザ。ずいぶん簡単な説明ですね。

❝流行性❞は字の通り、一時的に拡散するような性質をもったもので、❝感冒❞は同辞典によれば体の免疫力が低下しているときにウイルスに感染することで起こる風邪をいうとしています。

風邪もインフルエンザもウイルスによって引き起こされる点で共通し、大きい括りで❝感冒=風邪❞なのですが、毎年毎年あまりにも猛威を振るい死者も出すようなインフルエンザは風邪とはまったくの別物という意識がありましたね。

僕は中学生くらいの時を最後にインフルエンザにはかかっていませんが、あの感染力をもってすればいつなってもおかしくないので、予防は欠かせないです。

心配な方は今の段階からマスクを着用されるといいと思いますよ。ウイルスを持った人がマスクをして拡散を少しでもとどめてくれたらいいですけど、世の中には❝絶対にマスクつけないマン❞が存在することもまた事実です。

自分の不摂生で風邪をひき、マスクを付けずに拡散するって本当に迷惑でしかないです。

 

まとめ

普段生活していて後の厳密な定義を意識することはあまりないので、今回の試みは非常に新鮮でしたし、引いた言葉に付随する経験や知識を文章にすることは文章力の向上に繋がりそうです。

個人的に頻度高めで続けていきたいと思いますので、近いうちにまたこの企画でお会いしましょう。