うたかたラジオ

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予算を決めて駄菓子でコスパ対決~2022春の陣~

ここ数年、街で駄菓子屋を見つけてはひそかに楽しみにしながら実践していることがあります。それは、

予算を設けてコスパ対決

予算の制限内でいかに「〇〇円でこんなに駄菓子が買えるなんて!」と思わせるような商品ラインナップを揃えるかというゲームです。

ルールは簡単。

  1. 予算をあらかじめ設定しておく
  2. 税抜き価格で予算内に収めるように駄菓子を買う
  3. 自分の組み立てで一品ずつ商品を紹介する
  4. 参加者の合議にてコスパの高い買い物をした人が優勝

これだけです。ポイントは「予算を低くしすぎないこと」と「あくまで税抜き価格で予算を達成することができれば良しとするゆるさを持つこと」ですね。

子供が駄菓子を買う時の予算はなんとなく100円というイメージがありますが、100円でコスパを競うとなるとチョイスがワンパターンになりがちなのです。10円の者で固めて、たまに20円とか30円のものが入って・・・とか。

税抜きで勝負すべきなのは、上の一つ目の予算の話にも関連するのですが、単純に計算が面倒なのが主な要因です。今どきの駄菓子は税込みにしてしまうと32円だとか56円だとかで、これを厳格に適用すれば「200円の予算を1円オーバーしてしまうから諦める」というようなしょうもない縛りが発生してしまうのです。大体でええねん、大体で。

そして、最近話題になった「うまい棒値上げ」も厳密にはうまい棒1本10円ではなく税抜き価格で12円でカウントしなくてはならなくなりますが、さすがにそこは10円でいいのではというゆるさも大事だと思います。

あ、駄菓子のことになると熱く語りだしてしまいます。この辺で切り上げて、本編へどうぞ。

二木の菓子

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今回の舞台は東京上野のアメ横にあります『二木の菓子』さん。やはりお菓子専門店で品揃えもお値段も安心安全でございます。

最近街で駄菓子屋さんを見かけなくなったと聞きますが、駄菓子自体はスーパーでもコンビニでも買えます。しかしながら、定価で買えるのは今や駄菓子屋さんくらいのものです。

「予算を設けてコスパ対決」をするに当たって、定価で買えるというのは非常にありがたく戦いに彩を添えてくれる頼もしい強さでもあります。

二木の菓子さんはお菓子の専門店であり、駄菓子をメインにはしていないのですが、それでもなお十分な種類の駄菓子を揃えていますので、戦いの舞台に相応しいと感じます。

さて、今回の予算は250円にしましょうか。

先にも書いた通り100円だとパターンが限られてきますので、200円~くらいが商品数を確保でき、大物を買いつつ小物で固めるという戦法や中堅どころで揃えてみるといった戦法を採用するなど幅が出ますからね。

 

戦利品をご紹介

それでは、吟味に吟味を重ねた我が愛しきナイト達を紹介させていただきます。

①テキサスコーン

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テキサスコーン 20円(税抜)

いきなり知らない子が来ましたね。20円の球体スナックといえば「キャベツ太郎」が代表格かと思いますが、あえての変化球を選んでみました。
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まだ食べていないので味はわからないですが、たこ焼きにテキサス要素があるとは新たな気づきを与えてくれそうです。

商品パッケージのタコの頬がやつれ具合も商品開発の苦労を感じさせます。

 

②フルーツの森

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フルーツの森 30円(税抜)

安定のカラフルさとボリューム。30円ゾーンの駄菓子ではなかなかの高級感を感じさせる商品ではないでしょうか。

付属の楊枝で一粒ずつ食べるもよし、何粒かを重ねて花見団子の様にしてもよし。
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もちもち甘い餅飴と完食後に器の最中も食べられるというホスピタリティ。これからも末永く販売してほしいものです。

 

③餅太郎

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餅太郎 10円(税抜)

はい、レジェンド。この対決において餅太郎を選外にすることは一種の縛りプレイといえます。

パッケージの賑やかさ、袋はツルっとした高級感、揚げ餅とピーナッツでボリューム十分。これが10円。どうなっているのか。
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唐突な犬、猿、雉。花咲じいさんの世界だと思っていたら、桃太郎だった・・・。いつからそう勘違いしていた?

駄菓子としても優秀で、つまみとしても優秀。重量6グラムにここまでロマンが詰め込めるとは、まさに傑作。

 

④チョコ太郎

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チョコ太郎 20円(税込)

この子も実は初見の子ですが、チョコ群で20円の商品もなかなかないので、貴重な伏兵として採用。

似た系統の駄菓子として、やおきんのスーパービッグチョコが挙げられます。あちらはインパクトやボリューム、美味しさにおいて他の追随を許さないオンリーワン性能を持っていますが、50円という価格がネック。

チョコでサクサクした触感のものが欲しいとなったら、チョコ太郎が代打を務める日がもう来ているのかもしれません。
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製造者、株式会社菓道。ひとつ前に紹介した餅太郎の会社じゃないか。こいつは覇権を握るかもしれないな・・・。

 

⑤ポテトフライ

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ポテトフライ 30円(税込)

実はこの子も初見ですが、あまりのコスパの良さに一目惚れしました。とにかくでかい。そして、ポテロングを思わせる圧倒的ポテト感。

駄菓子のポテトフライといえば、同名で先日生産中止の訃報が流れたあのポテトフライを思い出しますが、今後はこの子がスタンダードになるかもしれません。
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原材料のマッシュポテト。絶対美味しい奴や、これ。

 

⑥どーん太郎

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どーん太郎 10円(税抜)

初見の子。10円のヌードル系スナックといえば、パッケージのボクサーが印象的な「ラーメン屋さん太郎」やくじ付きというサプライズ性を兼ねた「ジャックヤッターめん」が想起されますが、ここにきつねうどんを持ってくるとは天才か。

「キツネなし!」

その心意気や、よし。でも、何笑とんねん。

袋の大きさはラーメン屋さん太郎より一回り大きいか。あちらは神メーカー『菓道』様の商品だが、
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こっちも菓道やないか。

そうか、太郎がつく魅力的な駄菓子は大体「菓道」様のお子でしたか・・・。

 

⑦うまい棒

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うまい棒 12円(税抜)

もはや説明の必要もない駄菓子界のレジェンドオブレジェンド。最近断腸の想いで値上げに踏み切りましたが、今まで10円でうまい棒が食べられたことが奇跡だったのです。

味、ボリューム、知名度、そのどれをとっても一級品。うまい棒を食べたことがないという人がこの日本にどれだけいることか。

フレーバーが多彩なのも魅力の一つです。たこ焼き、明太子、コーンポタージュ、甘いものではチョコやシュガーラスク。ご当地グルメに対応したうまい棒も数知れず。
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輝かしき「やおきん」様。パッケージのド〇えもんのパチモンみたいなキャラクターをずっと「やおきんくん」だと思っていましたが、まさかの「うまえもん」でした。

むしろ寄せてる・・・?

 

⑧星座チョコ

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星座チョコ 12円(税抜)

この子も初見。チョコとビスケットで10円の価格帯は脅威です。以前はチロルチョコが10円チョコ界の金字塔として君臨していましたが、諸事情により20円チロルが繁茂しだしてから10円のチロルチョコを見かけなくなりました。

モロッコヨーグルやヤッターめんはくじ付きで非常にサプライズ性のある優秀な駄菓子になりますが、この星座チョコのように「中に入っているお菓子のデザインが複数種類ある」というのも駄菓子ポイントの高まりを感じます。

駄菓子ポイントとは一体。

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やおきん様。良い商品を世に出されましたな。

 

⑨ココアシガレット

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ココアシガレット 30円(税抜)

駄菓子界の重鎮と言えましょう。子供の頃は早く大人になりたいと願い、大人になると子供の頃はよかったと懐かしむ。

そうなんだよね、子供は夢をたくさん持ってるけれどお金がないからたくさんの駄菓子が買えず、大人はお金を持っているからたくさん駄菓子を買えるけれど、あの頃のキラキラを忘れかけている。

両方を兼ね揃えるタイミングが人によって長短があるけれど、いつまでもキラキラを感じていられる大人もいるわけで。そんな年の取り方をしたいものだね。

と、商品の紹介の前に語ってしまいましたが、大人ぶりたい子供にぴったりなのがココアシガレットです。単なる砂糖菓子ではなくて、ココアフレーバーというのが大人と子供の架け橋的な役割を果たしているようでグッとくるわけです。
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開け口の星さん可愛い。パッケージと原材料は発売当時からほぼ変わっていないそうで。企業努力やで。

 

⑩ヤングドーナツ

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ヤングドーナツ 30円(税抜)

すべてのドーナツを過去にする。

ミスドのドーナツも美味しいですよ。クリスピークリームドーナツも食べ応えがあって色鮮やかで素晴らしいものです。

でも、死ぬ前に食べるドーナツを選べと言われたら、どんな高級なドーナツよりも、どんなに繁盛店のドーナツよりも、ヤングドーナツがいいという自信がある。

甘さ、食感、しっとり感、どれも絶妙。個人的に原点であり頂点のドーナツ。始原の祖であります。
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コンビニではしれっと54円とかで売られているから気をつけたまえ。

 

⑪カレーあられ

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カレーあられ 30円(税抜)

カレーが嫌いな人は滅多にいないと思いますし、このカレーあられを複数枚でなく1枚食べて我慢できる人は鋼の意志の持ち主だと思います。

クレヨンで描いたような「なつかしカレー味」。ノスタルジーですねー。

味はご想像の通り。某グルメ漫画の主人公の言葉を借りれば、「この、わざとらしいカレー味」といったところでしょうか。
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格子状に切れ目を入れた黄色、魚を模した緑とオレンジ。わざとらしいカレー味。すべてが懐かしい。

や、やおきん様!?

 

⑫おやつカルパス

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おやつカルパス 10円(税抜)

こちらの商品で〆になります。「サラミが10円」。これだけの味わい、風味が10円で手に入るのだから日本は素晴らしい。

先ほどのカレーあられでノスタルジーを感じつつ、これが30円はいいなぁで終わると思いきや、「あんなに充実していたのに、さらにおやつカルパスまで買えるのか」と思わせるような構成で紹介するのもこの対決の醍醐味です。

250円の予算の中で100円級の大物を入れつつ、小物で固めることも頭をよぎったのですが、二木の菓子さんの商品ラインナップを見ると20円・30円の価格帯の層が厚かったのと10円の機動力が高い商品も充実していたので、そのラインで固める方向で舵取りをしました。
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おやつカルパスの「ジャギジャギ、じわっ」っとした食感、味の広がりと満足感は至高です。f:id:marurinmaru:20220410092514j:image

そんなこんなで250円(税抜)。

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うまい棒と星座チョコがそれぞれ12円(税抜)なので、厳密には254円ですが、なかなか良い買い物ができたと思います。

まだ見ぬ最適解がある。それが駄菓子の奥深さですね。

 

まとめ

今回お邪魔した二木の菓子さんは定価かつ豊富なラインナップで、非常に楽しい時間を過ごせました。ありがとうございます。

やはり予算設定は200円~くらいが見応えがあるものになりそうですね。

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ちなみに今回対戦していただいた方のチョイス。一人で秘かに楽しむのもいいですが、複数人で駄菓子の思い出を語りながらワイワイ楽しむのがおすすめですよ。

なるほど、たべっ子どうぶつで大ダメージを与えてからの蒲焼さん太郎、ラーメン屋さん太郎の太郎ムーブ、あのお好み焼きの左下「おいしさ合格」はどこかで見覚えがあるな。もぎもぎフルーツのラグジュアリー感はさすが。

各人のチョイスを分析するのも、いとをかし。