無性に寿司が食べたい気分。どうせ食べるならお腹いっぱい食べたい。
そうなると行く場所はひとつです。
三鷹の『わかさ鮨』
前回訪れたのは、夏の盛り。4カ月も前のことになりますね。
外気35℃を超える灼熱の中をひたすら歩いて辿り着いた桃源郷で飲んだ、キンキンに冷えたウーロン茶が染みわたりました。
そして、出てきた上握りの圧倒的ボリュームと繊細な味に大満足で帰ってきたのを覚えています。帰りもまた地獄のような暑さでしたけどね。
そんな思い出の寿司屋である『わかさ鮨』で特上握りを食べてやろう、強い意志のもと今回の再訪を実現したのです。
4か月前と同じルートで向かう
詳しくは上にリンクを貼った前回の記事を参照願いたいが、今回も8月のときとほぼ同じルートでお店に向かうことにした。
駅前こそ人が多かったが、三鷹駅南口を出て回転寿司の『銚子丸』を過ぎる頃には人通りはまばら。でも、誰も歩いていないわけではない。前回来たときは世界中に一人だけ取り残されたような感覚だった。
下連雀つぼみ児童公園
君の名前は憶えているよ、『下連雀つぼみ児童公園』でしょ。
夏の頃の青々とした緑はなりを潜め、暖かい春をじっと待っているようだ。ゴミ一つ落ちておらず、冬の花がしっかりと植え替えられている様子から整備が行き届いていることが伺える。
相変わらずいい公園だ。中央の談話スペースは、周囲が低い壁に囲まれていて造りに安心感が生まれている。
子供が遊ぶというよりも散歩していてふらっと通りかかったときの休憩所として機能することが多そうだ。
うんうん、足元の葉牡丹が可愛らしくて素敵だね。
下連雀しらかば児童公園
前回は暑すぎたのでじっくり観察することができなくて残念だったが、少し公園内を歩いてみよう。
夏のときは天を衝くような勢いで茂っていたシンボルツリーの緑もすっかり無くなっている。冬の公園は寂しげだけれど、これはこれで好きなんだよなぁ。
前回とほぼ同じ構図で撮っているので、お時間ある方は2窓で開いて見比べていただきたい。
これはなかなかモダンな乗り物だ。4人で同時に乗ったら息を合わせないとうまいこと進まないだろう。
1人で乗ったらシュールだし、2人で隣り合って乗ってもシュールだし、3人で乗って1つ開いているのもシュールだし、4人で乗っていても窮屈そうでシュールだ。
そして、誰も乗っていない状態はモダンオブジェとして景色に映えるという。
やっぱり味わい深いな、下連雀しらかば児童公園は。シンボルツリーはイチョウだったんだね。来年もきっと来るから、そのときも元気な姿を見せてほしいな。
前回遠くからしか見てなかったので、「プールかも」などと言っていたが、普通に考えたら砂場以外考えられない。
暑さは思考力を低下させる。
でも、海の生物らしきものが描かれている。蛸壺とか渋すぎるチョイス。誰が描いたんだ。
そうそう、ここを右だ。そして豆腐屋が見えたらその角を左。
夏に来たときは体力の消耗が激しかったからか、駅から30分近く歩いたような錯覚に陥っていたが、道がわかっているのもあって今回は15分程度でつくことができた。
これは気軽に来れるぞ。朗報である。
この花の充実具合よ。季節関係ないというか、むしろ冬の方が品目が多いくらいだ。
再訪、わかさ鮨
いやー、来たかったよ、わかさ鮨。
ここ以外の回らない寿司屋さんで何回も握りを注文したけれど、ここで食べた握りのインパクトにはどこの寿司屋さんも遠く及ばなかった。
安心の手動ドア。
お店には猫がいっぱい
カウンター席の端に座る。
前回詳しく紹介していなかったが、わかさ鮨には猫グッズが至る所に配置されている。
この猫の密集率よ。カレンダーにキティちゃんを抜擢するという徹底っぷりである。
右の剣道している人があまりにもミスマッチだけれど、ご主人の趣味なのかな。
趣味といえば、テレビからは関西ローカルの漫才番組が流れている。
こういう世界観を大事にするお店は好きだ。一本真ん中に筋が通っている。
左端に見切れている金色の寿司桶が眩しい。金色だけにね。
安定のウーロン茶と特上握り
外は寒いので日本酒も一瞬考えたが、ここからまた歩いて帰ること、そしてアルコールを摂取した胃では寿司を食べきれるか怪しかったので、諦めて安定のウーロン茶。
前回は上握りだったので、今日は特上にするぞ。
程なくして特上握りが届く。
この下駄に乗り切れていないドでかい寿司。会いたかった。食べたかった。
でかすぎて逆に大きさがわかりづらいが、握り一貫が下にある割り箸の半分くらいの長さと説明すれば想像がつくだろうか。
圧倒的である。食べきれるのか。
上握りと特上握りの比較
上握りは穴子、蒸し海老、中トロ2貫、ネギトロ巻2つ、鉄火巻き4つ、いくら軍艦、ハマチ、玉子、大トロの構成。
特上握りは穴子、甘えび、中トロ1貫、ネギトロ巻き6つ、いくら軍艦、ハマチ、玉子、大トロ、うに軍艦、ズワイガニである。
変更点を太字にしてみた。
個別考察
食べた順番としては、ネギトロ巻き(以下随時挟んでいった)→ズワイガニ→中トロ→玉子→甘えび→ハマチ→穴子→いくら軍艦→うに軍艦→大トロである。
【ネギトロ巻き】
ネギトロ巻きは元々好きだが、ここのネギトロは絶品で何個も食べられる。いや、あまりに大きすぎるから6つで充分かも。
滑らかだけれど鮪の食感もあり、鉄分が感じられる。野性味溢れる逸品だ。
【ズワイガニ】
前回なかったズワイガニ。カウンターに並んでいて、入った時から「あれ、特上握りのネタだったらいいなぁと思っていたので嬉しい。
しっとり蒸しあがって、噛みしめると蟹のエキスがじわっと。なんてお上品なこと。カニカマとは違うのだよ、カニカマとは。
【中トロ】
中トロは相変わらず旨い。一口で食べきれないくらいに大きくて、幸せの一言である。
【玉子】
お次は玉子。中トロの脂をひと休みさせる。前回の教訓でガリの配分が最重要であると学んだため、舌リセットのタイミングを見計らって食べたつもりだ。
【なめこ汁】
なお、写真には収めていないがなめこの味噌汁が体に染み渡る美味しさだった。オーダーを受けてから一杯一杯作っているのがわかる。丁寧な味だ。こちらも脂をリセットするのに重宝する。
【甘えび】
甘えびは水色が目にも鮮やかな卵つきである。よく見かける女性の小指のような細さのものではなくて、しっかり太く歯応えがあり甘さも十分な上物である。
【ハマチ、穴子】
ハマチ、穴子も前回同様の高クオリティだ。昔は穴子があまり好きではなかったが、最近は穴子を楽しみに寿司を食べている感もある。
【いくら軍艦、うに軍艦】
いくら軍艦、うに軍艦。口いっぱいにいくらとうにを頬張れる幸せ。うにはミョウバン臭さが一切なく、新鮮で上等なうにをこれだけ惜しみなく使う豪快さに頭が上がらない。
上握り(2,200円)に800円を載せたのが特上握り(3,000円)だが、うに一貫で800円と言われても驚かない。
【大トロ】
そして、トリは大トロ(いや、脂のさし具合的にさっき食べたのが大トロで、こっちは中トロかも)。
大きさがよくわからなくなってしまっているが、全長は割りばしの三分の二といったところか。でかすぎて笑えるレベルである。
もちろん旨い。三口でペロリである。お腹はいっぱい、大満足。
また来るよ
前回は猛暑のせいか入店から退店まで客は僕一人だったが、僕が握りに舌鼓を打っている間に3名の入店があった。
「上握りにビール。あと、煮込み。あ、握りはシャリ小さめで」と通っぽい注文をしているおじさんもいた。
確かにビールを飲みながらつまむにはシャリが大きすぎるだろう。シャリだけで茶碗大盛り2杯くらいあるだろうから。
そう、つまみメニューも気になるところだ。あん肝や白子ポン酢といった間違いのないメニューは用意されているし、カウンターに大きな牡蠣も置いてあった。そこが知れない良い店だ。また来よう。