うたかたラジオ

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【東京都薬用植物園】世にも珍しい“青いケシの花”を見にいきませんか?

以前書いた蕎麦前の記事には続きがありまして、乙な1日を送るべく都内でも珍しい花を栽培しているという東京都薬用植物園(東大和市)に足を伸ばしてみました。

↓蕎麦を食べ日本酒を飲むだけの記事はこちらから。

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その時の様子を写真に簡単なコメントを添えつつ振り返ってみようと思います。

 

東京都薬用植物園

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時間は遡り、長かったゴールデンウィークにも終りが見えた頃、ふと思い立って東大和市にあるという植物園を訪ねてみた。
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駅至近の『東京都薬用植物園』。歩いて3分くらいの位置にある。
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この植物園の1番の目玉は、『ケシ』。

全国規模で見てもケシを栽培研究している施設は少なく、東京都薬用植物園は都内で唯一の当該施設となる。

とりわけ“青いケシ”は珍しいらしく、案内表示にも「青いケシはこちら」と表示されている。
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この矢印の先にあるのが小さくて青い花。

ご老人の集団が「はえ〜、これがケシの花かい!貴重なもの見たな〜」と痛く関心されていたようだが、僕にはネモフィラに見える。
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園内は非常に広く、各エリアごとに多種多様な薬用植物が栽培されている。
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春先になると決まって「庭に生えていたスイセンをニラと間違えて食べて食中毒」というニュースが流れる気がするが、薬用植物園では食用の植物と間違えやすい有毒植物との見分け方が丁寧に解説されている。
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アーティチョークはまだまだ馴染みがなく、調理したこともないが、スーパーでもちらほら見かける食材になってきた。

ふきのとうのような見た目をしており、調理すると百合根のようなホクホクに仕上がるようだ。

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今度はノビルとスイセンの違い。明らかに形状が違う気がするが、これも毎年何件か誤食が発生しているのだろうか。

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立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。

牡丹も芍薬もボタン科の植物なので、花の形状はよく似ている。

ボタンは冬になると葉を落とし、枝と幹だけになるが、これらが太く成長して来年に備える。

一方で芍薬は地上に見える部分は全て枯れてしまうが、年々根が強く太く地面に張って勢力を拡大していくそうだ。
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消臭、消毒、アロマに食用。幅広い用途で活躍中のハッカ。

香りを嗅げばなんとなく殺菌効果があるんだろうな、消毒もできるんだろうなと想像できるが、初めてハッカを使った人は「ここまで効きそうなやつは逆に怪しいんじゃ…」と思ったりしたんだろうか。
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長芋はおろして食べるのもいいけど、火を通すとサクサクホクホクになって滋味深くなることを最近知った。
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梅の木。
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2月、3月くらいに来れば満開の梅の花が観察できただろう。
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フキに類似した見た目をしておりフキの仲間ではあるが、厳密には別種。

調理法としてはフキ同様に煮物やお浸しにすることが多い。
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メグスリノキ。その名の通り、かすみ目や老眼、近視に効果があるとのこと。

お茶にして飲むことが多い。気になるところだ。
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オオアザミ。

うっ血除去や抗炎症作用、去痰など幅広い効能を有する植物。
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そうそう、鋭い棘が生えているんだ。子供の頃は家の近所でよく見かけたけど、最近見ていないかもしれない。

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クコ。

鮮やかな赤色の可愛らしい実をつける。実は滋養強壮、高血圧等に効果があり薬膳料理に使われる。

これは知らなかったことだが、若芽はお浸しにしたりして食べられるそうだ。
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アシタバ。

ほうれん草以上のβカロチンを保有しており、ガン抑制、動脈硬化予防の効果あり。βカロチンは体内でビタミンAに変換され、髪や皮膚を若々しく保ち、呼吸器系の器官の助けにもなる。

天ぷらにすると美味しいね。最近は明日葉ビールもちょいちょい見かけるようになった。
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来園時は少し曇り気味だったが、晴れ間も見えて来た。
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チコリは普段馴染みがないが、ハーブの一種で消毒、消炎、利尿作用をはじめとしたデトックス効果が期待できるそうだ。
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ここに来たからには絶対に見たいケシ。

金網で厳重に管理されていて、中に入ることはできない。
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この日は5/5だったので、二重構造のフェンスの外側が開いていたが、5/8、5/9は人数限定で内フェンスも開放したようだ。
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格子の間を縫って写真を撮ってみた。
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先ほどの梅もそうだが、季節ごとに見頃を迎える花を求めて定期的に行くのも良さそうだ。
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落花生の収穫は秋だったかな?
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ウド。

疲労回復や免疫力付加の効果あり。

調理法として最もポピュラーなのは、「ぬた」だろう。居酒屋のメニューにさりげなく置いてあったりすると、そこはかとない実力を感じる。
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アーモンドの木。初めて見た。
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トウシキミ。

いわゆるハッカクだ。豚の角煮などに使われる独特な甘いような薬っぽい匂いの正体。

似たものとしてシキミがあるが、こちらは猛毒で、摂取すると嘔吐や発熱を引き起こし、最悪死に至る。

トウシキミとシキミが並んでいれば違いがわかるが、目の前に出されてとっさに判断するのは難しそうだ。
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畑エリアの横に樹木エリアが設けられているが、明らかに薬用植物のカテゴリではない筍が自然発生していた。
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花椒。

麻婆豆腐に入れると抜群に美味しくなる香辛料。
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こうやって生っているのか。花椒は茶色い粉末状のものしか見たことがないけれど、気になっている状態だと普通の山椒と見分けがつかないな?
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キツネノマゴ。
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葉っぱの形が狐の顔に似ている気もする。
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普通の紫陽花の群生している様は嫌いだけれど梅雨を感じさせるジメジメ感があるが、コアジサイの花は可憐だ。
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これからの季節、特に需要が高まる鰻のお供の山椒。
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セイタカアワダチソウといえば、ブタクサと並んで花粉症の原因となることで有名だ。

これだけでも厄介なのに、成長の過程で生成される“アレロパシー”という物質が他の植物の成長を抑制させるというから驚きだ。

セイタカアワダチソウが群生しやすいが、そういった事情も大きく影響しているのだろう。

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いわゆるペパーミントである。繁茂力が凄まじく、放っておいても地面を埋め尽くすワイルドさだ。
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ビワは実自体も粘膜保護や皮膚や髪の健康を保つという効果があるが、葉についてもビワの葉茶があるくらいであり、これは高血圧やむくみに効果があるという。
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座禅草は読んで字のごとく、僧侶が座禅を組んでいるような外観からその名が付いている。

写真のものは成長途中のようだが、外皮の中に小さな花が咲く様がそう見えるからだろう。

不気味でもあり、神秘的でもある不思議な花だ。
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入口の看板に書いてあった青いケシはここか。

室内で厳重に管理されており、中に入ることは当然できないのでガラス越しの撮影だ。
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あとはざっと写真だけ載せておくとしよう。
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まとめ

多忙な日々を過ごしていると、季節の移り変わりを気温で感じるくらいに鈍感になってしまうが、ふと足元を見やれば季節を彩る多種多様な植物たちが目を楽しませてくれる。

なかなか土日を使ってまで植物園に行くというのは腰が重いかもしれないが、植物をのんびり眺めて思いを巡らす時間を作ってもいいのではないだろうか。