最近多くなってきた映画レビュー記事。
今回は『天然コケッコー』を観た感想をネタバレありで書いていきますよ。
ブログタイトルでほぼ何を書くかわかってしまいますね。
あらすじ
小中学校合わせても、たった6人の生徒しかいない田舎の分校に、東京から転校生の大沢(岡田将生)がやってきた。
そよ(夏帆)は、都会の雰囲気漂う大沢に心ときめくが、彼の冷たく乱暴な言動に戸惑いを覚える。
しかし、海水浴でのあるできごとをきっかけに、そよの大沢に対する印象が変化し始める・・・。
いきなり酷評で申し訳ないが、約2時間の映画を見終えるのを苦痛に感じたのは久々である。
ひたすら卵の白身を食べさせられているような感覚。
上のあらすじを補足する。
東京からイケメン中学生大沢くんが転校してくる。
彼が「そよ」唯一の同級生ということであれば、当然彼女は大沢くんが気になるわけだ。
最初は粗暴な大沢くんに困惑していたそよだったが、田舎で起きる様々な出来事、東京への修学旅行などのイベントを通して徐々に距離を縮めていく。
大沢くんもそよに思いを寄せていたものの、やはり東京が恋しいのか、高校は東京で受験すると言い出す。
すったもんだがあって、大沢くんは田舎に残ってそよと同じ高校に進学することを決意し、ふたりとも無事に進学。ハッピーエンドで終幕。
この流れを見るだけで、「本当に2時間いるの?」と思われた方がいるかもしれないが、その通り。2時間は必要ないのである。
後半の1時間が本当に辛かった。
間延びした日常のあれこれ
田舎あるあるは共感できるが・・・
基本的に田舎あるあるを軸に話が展開されていく。
全校生徒7人で海に遊びに行ったり、田舎特有の噂話の広まる速さに辟易したり。
郵便局のおじさんは田舎らしいといったら語弊があるかもしれないが、なんでも情報が筒抜けで、初対面の大沢君に対して「お母さんが離婚したからこっちにきたんだって?」と言うのはあまりにもデリカシーがなさすぎる。おまけに目を常に見開いていて怖いんだよなぁ。
また、生徒たちの引率としておじさんがお祭りに参加し、子供たちが一切興味を示していない演武についてやたら真剣に独り言で解説している姿は物悲しく、そのリアルさがこの作品の一番の感動ポイントであるといえる。あんなおじさんいるよね。
盛り上がりのなさすぎる恋物語
始終穏やかでヤマ場は無いし、物語の一番大きなテーマである「そよと大沢くんの恋の行方」というのも今ふたりはどのような状態にあって、どういう心境の変化があって恋愛関係に至るのかが全く伝わってこなかった。
というか、現在の恋の進捗状況が気にならないのも痛手だ。
「いつの間に手を繋ぐようになったんだ・・・?」「普通にキスしとる・・・」と謎は深まるばかりである。
最近観た映画で被るのは『未来のミライ』だろうか。
素材自体は如何様にも調理できそうなのに、ひたすら単調で無味無臭の映像を淡々と流し続けられて、「今、全体の何割くらいなんだろうか」と気にするくらいの退屈さである。
せめて田舎の新鮮とれたて素材で美味しそうな料理を出すだとか、空や川を綺麗にダイナミックに取り込んであげるとか、それくらいは力を入れてほしかったなというところだ。
総括
感想の部分で大体書きたいことは書けた。要は間延びしすぎた作品だったということだ。
最初はギクシャクしていた中学生の男女が徐々に距離を縮めて行って、同じ高校に進学しましたとさ。めでたしめでたし。
このお話を2時間の枠で精一杯伸ばして薄味の白湯に近いスープにしたらこのような仕上がりになるのだろう。
じっくり腰を据えてではなくて、何かしながらなんとなく見るくらいがいいのかもしれない。