うたかたラジオ

お代は“ラヴ”で結構です。

【隠れた名作】たまには“マルヒゲヤ”のことも思い出してやってください。【カードヒーロー】

不意にとあるGBソフトのことを思い出しました。

『カードヒーロー』

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もちろんゲームタイトル通りカードバトルがメインテーマにあるのですが、世界観がなんともリアル路線というか、「実際こんな世界ありそうだな」と思える素朴さが魅力のひとつです。

今回は『カードヒーロー』の素朴で不思議な世界を紹介していこうと思います。

対戦のルール

①ライフ制

相手のライフを先に0にしたプレイヤーが勝つというベーシックなライフ制を採っている。

『カードヒーロー』には大きく分けて「モンスターカード」と「マジックカード」の2種類があり、基本的にはこのどちらかのカードで攻撃を仕掛け、ライフを削っていく事になる。

なお、プレイヤー自身がコストを払ってプレイヤーアタックをすることも可能である。

 

②各プレイヤーはモンスターを最大4体まで召喚できる

プレイヤーの周囲には4マスの空席があり、ここにモンスターを最大4体召喚することができる。

モンスターには「前衛」「後衛」の役割が振られており、前衛は基本的に前1マス(正面のモンスターと相手プレイヤー)が攻撃範囲であり、後衛は基本的に1マス飛ばしの遠隔攻撃をすることができる。

モンスターにもHPが設定されており、0になるとフィールドから消える。

また、相手のモンスターを倒したときにはこちらのモンスターをレベルアップさせるかを選択することができる。

 

③ゲームは“ストーン”を消費しながら進行していく

プレイヤーには1ターンにつき3つの“ストーン”というエネルギーがターン開始時に付与される。

モンスターを召喚したりマジックカードを使う際にストーンを消費することになるが、使い切れなかったストーンは持ち越される。

【ストーンが増加する主な要因】

・ターン開始時に自動的に付与される

・プレイヤーがダメージを受ける

・自分モンスターが倒されたとき(召喚、レベルアップに支払ったコストが帰ってくる)

・モンスターの持つスキルで相手プレイヤーのストーンを奪ったとき

 

【ストーンが減少する主な要因】

・モンスターを召喚、レベルアップさせた場合

・モンスターのスキルやプレイヤースキル、マジックカードを使用したとき

・モンスターの持つスキルでストーンが奪われたとき

 

ストーンがなくなれば新規にモンスターを召喚することができず、プレイヤースキルとマジックカードに頼らなければならないが、これらもストーンを消費する。

要するに、ストーンがなければ何もできないのだ。

 

対戦システムについて

対戦ルールは上記の通り、非常にシンプルである。

もっともモンスターカードやマジックカードの効果は多種多様であり、これらを組み合わせることによる戦略の幅は広い。

相手の反撃に備えてシールドを張っておいたり、モンスターの位置を移動させたりすることも戦略の1つだ。

ここに“プレイヤースキル”も加わり、1ターンにできることは多いため、1回のバトルにかかる時間は比較的長くなりがちである。

 

印象深いモンスターカード・マジックカード

①シゴトにん

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プレイヤーには常時ダメージを2ポイント軽減するシールドが張られており、3ポイントを超えるダメージを出せない攻撃は弾かれる。

基本的にレベル1のモンスターを場に出した瞬間は単発の攻撃力はせいぜい2であるため、マジックカードで攻撃力を上げたりしなければ最初の行動でプレイヤーにダメージを与えることはできない。

しかし、シゴトにんはレベル1の状態でも「シゴトBコース」を使用することができ、このダメージは3ポイントである。

そして、シゴトを終えるとシゴトにんらしくその場から消える。

これが何を意味するかというと、「シゴトAorBコース」は一度きりであり、使用後はストーンが手元に戻りつつ自主退場することができるのである。

前衛の仕事人が消えたら次のターンに後衛がせり上がり奇襲をかけることもできる。

もちろんシゴトにんが空けた枠に新たな前衛モンスターを召喚してもいい。

相手のレベルアップの餌にならない&ストーンが戻る自主退場&ギミックに組み込みやすいという優秀なカードだ。

 

②ケッコウ

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後衛モンスターの攻撃範囲は基本的に1マス飛ばしである。

そのため、後衛から相手方後衛(3マス先)に直接攻撃する機会は限られており、あったとしても非力なものが多い。

貴重な後衛への攻撃手段を備えるのがケッコウである。

召喚されて早々に後衛に3ポイントのダメージを与えることができるのだ。

後衛モンスターの体力は低めに設定されているので、結構の攻撃で一撃で沈むこともしばしば。

ケッコウが後衛キラーと呼ばれる所以だが、結構自身もHPは低いので、ケッコウの天敵はケッコウという不思議な関係が生まれている。

レベルを上げれば攻撃の軌道が将棋の桂馬状になり、ノーコストでプレイヤーを攻撃できる固定砲台になる。

 

③ポリゴマ&エルゴマ

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カードヒーローを代表する高火力モンスターの1体である。

前衛モンスターだが、HPは後衛モンスター並みという脆弱さ。

しかし、この弱点を補って余りあるほどの特色が2回行動である。

単純に2回攻撃できればダメージ2倍になるのだけれど、使い方はそれだけではない。

カードヒーローでは未行動(ポリゴマは1回行動した状態だと未行動扱い)でターンを終えるときあいだめ状態になり、攻撃時にはダメージを1ポイント増加させ、防御時にはダメージを1ポイント減少させる。

普通のモンスターならば行動後はノーガードになるのだが、ポリゴマは行動してからもきあいだめ状態に移行できるのが強みである。

また、モンスターはフィールドを移動すると行動済みになるのだが、ポリゴマは2回行動のおかげで、

攻撃→安全な後衛に移動→次のターンに前衛に迫り上がる→攻撃→安全な後衛に移動・・・

とヒットアンドアウェイを実現し、少ないHPを守りながら長くフィールドに居座り続けることができる。

もちろん危険因子は狙われやすいので、シールド等による補助は必要だろうが。

 

④ヤミー

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どんなパーティに入れても活躍する禁止級レベルのモンスターカード。

「いただきぃ」がとにかく強力で極悪非道の性能をしており、ストーンを1つ消費することで相手のストーンを最大2つ略奪できるというものだ。

これが何を意味するかというと、1ターンにつき3つしか増えない行動の根幹であるストーンが、

自分  3−1(「いただきぃ」のコスト)+2(奪ったストーン)=4

相手  3−2(奪われるストーン)=1

ヤミー1体が場にいて行動さえすればプレイヤー間には常に3つのストーン差が生まれる。

相手は行動が制限され、こちらは本来付与されるストーン以上のものをお手軽に手に入れ総攻撃を仕掛けられるということだ。

多くを語らずとも壊れカードであることはわかると思う。

レベルアップさせればプレイヤーにダメージを通すこともできるのでタチが悪いと言わざるを得ない。

 

⑤あっかんべ

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とても強そうには見えない見た目と名前だが、効果は非常に強力。

攻撃主体と攻撃対象を指定し、これに反した行動ができなくなるというものだ。

「あと1ターンあればこちらが先にライフを削りきれるのに・・・。相手の場には強力なモンスターカードが出ている。」というような状況で、当該モンスターの攻撃対象を相手マスターに指定する。

相手はそのモンスターを一旦未行動にせざるを得ず、場合によっては一瞬にして戦局がひっくり返り“詰み”となる。

画像下部にあるように、将棋でいえば王手飛車取りの状況を作り出すことができる。

カードの種類はお世辞にも多くないし、ポップで軽いイラストからは想像できないほどに様々な戦略を生み出すゲームだと改めて感じる。

 

⑥ローテーション

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最初は取っ付きづらく、効果がイメージしにくいカードだが、場のモンスターを相手側も含めて右回転or左回転できるというのは非常に強力で、戦略やコンボに取り込みやすい。

相手の後衛を前列に引きずり出して叩いたり、前衛の強力なモンスターを後列に押し込んで機能不全に陥れたりと、このカード1枚で戦局が左右されることも多々ある。

マスターのスキルにもあるのでおなじみだが、使いこなすと本当に強力なカードである。

 

⑦きあいだめ

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「使い道が非常に多く、何枚入れても腐りにくいカード」である。

先述のきあいだめ状態を強制的に発動させるもので、攻撃に使っても守りに使っても抜群の効力を発揮する。

それでいてコストはストーン1つなので、使いやすさも売りである。

 

ゲームの世界観はリアル路線で斬新だった

カードバトルは非常に戦略性高く、作り込まれたシステムであるが、それと同時にカードヒーローの世界観が妙にリアルで当時感動した記憶がある。

①ログインボーナスの走り?

ゲーム内ではカードショップ「マルヒゲヤ」でカードを購入することができるのだが、当然対価であるお金が必要だ。

普通のゲームであれば、カードゲームで勝った相手からお金を得たりするところだが(賭○…)、カードヒーローでは毎日ゲームを起動するたびにお母さんから50円のお小遣いをもらうことができるのだ。

この“毎日”というのはリアルタイムであり、1ヶ月で1,500円、誕生日は500円と支出計画が立てやすい。

「今日はゲームで遊ぶ時間はないけど、起動だけするか・・・」

まさに昨今流行りのソーシャルゲームのログインボーナスの走りと言えるのではないだろうか。

 

②カードを売る・ブレンドする

ゲームを進めていくと、被りや過剰に増えていく低レアカードが目に付くことと思う。

マルヒゲヤでは要らないカードを売って新しいカードを買う原資を作ったり、カードをブレンドする機械で盤外戦のカードゲームに興じることもできる。

非常にリアル路線であり、色々やりくりして駄菓子屋で買い物するような感覚だ。

50円を3日貯めてカードパックを買って一喜一憂するもよし。がっつり貯め込んでお目当のレアカードを買うもよし。

こんなこと書いていると遊びたくなってくる。

 

まとめ

あまりメジャーとはいえないゲームだが、作り込まれていながらも非常にシンプルで取っ付きやすい設計の隠れた名作である。

子供のお楽しみを余すことなく詰め込んだような、優しく豊かな世界観が魅力であることから多くの方におすすめしたいところである。

↓懐かしのGB作品記事はこちらから。

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